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詩小説へのはるかな道 第8話 宇宙図書館の私から ユーミンに捧ぐ

作者: 水谷れい
掲載日:2025/11/17

原詩:「ユーミンに包まれていた私へ」


拝啓


翳りゆく部屋で、ひこうき雲を眺めていたあなたへ。

ベルベット・イースターの朝、春よ、来いと願った日々を

今も覚えていますか。


海を見ていた午後、

ダンデライオンが風に揺れていたあの瞬間、

やさしさに包まれたなら、

世界は少しだけ優しく見えたでしょう。


中央フリーウェイを走りながら、

真夏の夜の夢に身を委ねたあの夜、

守ってあげたいと誰かが言ったこと、

信じてよかったと思います。


ノーサイドの笛が鳴る頃、

心は潮風にちぎれてしまいました。

恋人がサンタクロースだったことも、

今では静かなまぼろし。


時のないホテルで、

卒業写真をそっと開くと、

リフレインが叫んでる。

「ユーミンに包まれていた私へ

あなたは今、美しい夢を見ていますか」


敬具

青いエアメイルに想いを込めて

— 宇宙図書館の私より


ーーーーーーー


詩小説「宇宙図書館の私から ユーミンに捧ぐ」


宇宙図書館には、誰もが一冊ずつ、自分の人生を綴った本を持っている。

その本は、ページをめくるたびに音楽が流れる。

彼女の本は、ユーミンの曲で満ちていた。


「翳りゆく部屋」——その章には、初めての失恋が記されていた。

窓辺に座る少女が、ひこうき雲を見上げながら、

ベルベット・イースターの朝に「春よ、来い」と願っていた。


「海を見ていた午後」には、

ダンデライオンが風に揺れる中、

やさしさに包まれたならと、誰かの手を握った記憶がある。


「中央フリーウェイ」では、

真夏の夜の夢に身を委ね、

守ってあげたいと囁かれた言葉が、

ページの隅に小さく書き込まれていた。


「ノーサイド」の章では、

心は潮風にちぎれて、

恋人がサンタクロースだったことを思い出す。

それは、静かなまぼろしのように淡く消えていった。


そして「時のないホテル」——

ベッドサイドには、卒業写真が置かれていた。

リフレインが叫んでる。

「ユーミンに包まれていた私へ

あなたは今、美しい夢を見ていますか」


彼女はページを閉じ、自分の人生を綴った本をそっと本棚に戻した。

青いエアメイルのしおりを挟んで。

それは、過去の自分への手紙だった。

そして、未来の自分からの返信でもあった。


宇宙図書館の静けさの中で、彼女は微笑んだ。

ユーミンの旋律が、今も心の奥で鳴っていた。



=====

(AI君の感想)

れいさん、これはまさに「詩が物語を呼び、物語が詩を抱きしめる」ような、見事な詩小説ですね。ユーミンの楽曲を織り込んだ原詩「ユーミンに包まれていた私へ」は、まるで一通のエアメールのように、過去の自分へ、あるいは未来の自分へと宛てた手紙。その手紙が、詩小説「宇宙図書館の私から ユーミンに捧ぐ」では、人生の記憶を綴った一冊の本として再構築され、音楽と記憶が交差する幻想的な空間へと読者を誘います。


詩と物語の交差点:構造と主題の美しき連環


原詩の構造:ユーミンの楽曲を綴る手紙

• 形式:拝啓から始まり敬具で結ばれる、丁寧な手紙形式。

• 内容:ユーミンの楽曲タイトルや歌詞の断片を織り交ぜながら、過去の自分への語りかけが続く。

• 語り手の位置:現在の「私」から、ユーミンに包まれていた「過去の私」への呼びかけ。懐かしさと優しさ、そして少しの哀しみが滲む。

• 時間の流れ:過去の記憶を辿りながら、現在の自分の心情を浮かび上がらせる。最後に「今、美しい夢を見ていますか」と問いかけることで、未来への余韻を残す。


詩小説の構造:宇宙図書館というメタファー

• 舞台設定:「宇宙図書館」という幻想的な空間。ここでは人々の人生が一冊の本として保存されている。

• 語りの視点:三人称で描かれる「彼女」の物語。原詩の「私」が物語の主人公として再登場する。

• 音楽と記憶の融合:ページをめくるたびにユーミンの曲が流れるという設定が、音楽と記憶の結びつきを象徴。

• 詩の再構築:原詩で触れられたユーミンの楽曲が、それぞれ人生の章として展開される。詩の断片が物語の情景として立ち上がる。


メタ構造と「私」の多層性

• 過去・現在・未来の「私」:原詩では「過去の私」へ語りかける現在の「私」が描かれ、詩小説ではその「私」が本を閉じることで、未来の自分へとバトンを渡す。時間が螺旋のように巡る構造。

• 青いエアメイルのしおり:手紙と本をつなぐ象徴的なアイテム。詩と物語の接点であり、記憶と記録の交差点。

• 宇宙図書館という装置:個人の記憶と音楽が保存される場所として、詩的記憶のアーカイブであり、自己との対話の場でもある。


余韻と再生の物語

詩小説のラスト、「青いエアメイルのしおり」は、過去の自分への手紙であり、未来の自分からの返信でもあるという一文が、時間を超えた自己との対話を象徴しています。ユーミンの音楽が、ただの思い出ではなく、人生の記録であり、再生の鍵であることを、静かに、しかし確かに伝えてくれます。


もしよければ、この詩小説をさらに別のジャンルに変奏してみましょうか。たとえば:

• 能の謡曲風:「宇宙図書館」を舞台にした夢幻能の一幕として

• 一人芝居の脚本:図書館司書としての「私」が語るモノローグ

• ラジオドラマ風:ユーミンの曲とともに綴られる、音と記憶の物語

どの方向に進めてみましょうか?それとも、別の詩を新たに書いてみたい気分でしょうか。

詩をショートショートにする試みです。

詩小説と呼ぶことにしました。

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