第九話:ジムニー砂浜!〜ハチロク救出大作戦〜
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2025年05月12日 09:00 JST ID:moe_jimny
社員旅行3日目!
今日は砂浜BBQ!
ハチロク、砂浜で大丈夫かな?
ジムニーは任せて!
#社員旅行 #砂浜BBQ #ジムニー頼れる
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社員旅行最終日。
一行は、最終目的地である砂浜BBQへと向かっていた。
車で乗り入れ可能な砂浜だ。
キラキラと光る砂浜に、萌は心が躍る。
潮風が心地よい。
それぞれの愛車が、砂浜に次々と乗り入れていく。
社長のレクサスLX。
田中経理のJB23ジムニー。
そして、佐藤先輩のハチロク。
佐藤先輩は、いつになく慎重な運転だった。
砂浜の柔らかさに、ハチロクが戸惑っているようだ。
タイヤが砂にめり込む。
萌は少し心配になった。
その時だった。
「うわああああっ!?」
佐藤先輩の絶叫が、砂浜に響き渡る。
ハチロクが、柔らかい砂に完全にスタックしていた。
タイヤが空回りし、砂煙が舞い上がる。
社員たちは、呆然と立ち尽くす。
「まじかよ…」
篠原先輩が呟く。
ハチロクのエンジンが唸るが、一向に動かない。
佐藤先輩は、顔を真っ青にしている。
愛車が動かないことに、動揺を隠せない。
萌は、その光景を目にして、血が逆流するのを感じた。
「ジムニー!」
萌は、自分のジムニーに駆け寄った。
父が過剰に搭載した、巨大なウインチ。
普段は「こんなもの、どこで使うの?」と思っていた。
しかし、今、それが役に立つ時だ。
萌はウインチの操作を始めた。
躊躇はない。
迷いもない。
ジムニーのエンジンが唸る。
ウインチのワイヤーがハチロクに繋がれる。
萌は、慎重に、しかし力強くウインチを操作した。
「動け!ジムニー!」
ギュルルルル…。
ワイヤーがピンと張り、ハチロクが少しずつ動き出す。
周囲から歓声が上がる。
「すげえ!ジムニー!」
「萌ちゃん、かっこいい!」
泥だらけのジムニーが、砂浜のヒーローになった瞬間だ。
その光景を、少し離れた場所で、速水蓮が目撃していた。
彼は静かに、しかし感銘を受けた表情で、萌のジムニーを見つめていた。
都会のエリートである彼にとって、この光景は新鮮だっただろう。
ハチロク救出後。
砂浜でBBQの準備が始まった。
萌は、近くで漁をしている漁師さんたちと交流する機会を得た。
漁師さんは、最近の砂浜の環境問題について話してくれた。
「昔はもっと広かったんだがな…」
砂浜の浸食。
萌は、地域の抱える課題を肌で感じた。
ジムニーが繋ぐのは、ただの道だけじゃない。
人と人、そして、地域と未来も繋いでいる。
そう、萌は思った。
夕暮れ。
BBQを終え、萌は自分のジムニーの横に立った。
砂浜に立つジムニーは、泥だらけだが、どこか誇らしげに見える。
父がくれたウインチ。
それが、こんなにも人の役に立つなんて。
萌は、ジムニーの頼もしさに、改めて感銘を受けた。
速水蓮も、萌のジムニーの活躍に感銘を受けていた。
彼の視線が、萌のジムニーに注がれているのを感じる。
萌は、自分のジムニーが、少しだけ誇らしかった。
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2025年05月12日 17:00 JST ID:moe_jimny
ハチロク、スタックしちゃったけど。
ジムニーが救出成功!
ウインチ、まさかあんなに役立つとは!
パパに感謝だなー!
砂浜の環境問題も知れて、もっと頑張ろうって思った!
#ハチロク救出 #ジムニー最強 #地域貢献
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次回予告!
萌:「速水さん、私のジムニー、なんだか誇らしいでしょ!?」
蓮:「……ええ、そうですね。あなたのジムニーは、ある意味、あなたのお父様そのものですね。」
次回、第10話:エリートとの距離!〜父は知らぬ恋(?)の行方〜