第七話:社員旅行!〜ハチロクと峠の『聖地巡礼』開幕〜
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2025年05月10日 09:00 JST ID:moe_jimny
社員旅行出発!
ハチロク助手席、ドキドキ。
聖地巡礼できるかな?
#社員旅行 #ハチロク #聖地巡礼
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「社員旅行だああああっ!」
佐藤先輩の叫び声が、会社に響き渡った。
萌は少し耳を塞ぎたくなる。
会社の企画は、「秘境温泉&地元グルメ満喫+大自然キャンプ&砂浜BBQツアー」。
社員のリフレッシュと、チームビルディングが目的らしい。
各社員は愛車での参加。
萌は、自分のジムニーで参加するつもりだった。
ところが、ツアー初日。
萌はなぜか、佐藤先輩の愛車、エンジン載せ替えハチロク「風神号」の助手席にいた。
「萌ちゃん、今日は俺のハチロクの魂、見せてやるぜ!」
佐藤先輩がニヤリと笑う。
助手席のシートに体が沈み込む。
ハチロクは、萌のジムニーとは全く違う。
車高が低く、地面が近い。
目的地は、アニメの聖地とも噂される峠道。
佐藤先輩は、ハンドルを握る手に力を込める。
萌は少し緊張する。
「らき☆すた風イニDパロディ」って、一体どんな走りなんだろう?
助手席の窓からは、山の緑が高速で流れていく。
エンジンの唸り。
ロードノイズが耳に響く。
佐藤先輩の顔は、真剣そのものだ。
その後ろから、田中経理のぼこぼこJB23ジムニーが追走してくる。
クールな田中経理が、こんなに楽しそうに運転しているのが、少し意外だった。
萌は、チラリとバックミラーで田中経理のジムニーを見る。
泥だらけのボディー。
あの「洗車大作戦」を思い出す。
ふと、頬が緩んだ。
峠道に入る。
佐藤先輩の運転は、想像を絶するものだった。
急カーブ。
タイヤのスキール音。
体がシートに押し付けられる。
「きゃああああああっ!」
萌は思わず絶叫した。
恐怖と興奮が入り混じる。
まるで、アトラクションに乗っているみたいだ。
佐藤先輩は、楽しそうに笑っている。
「どうだ!萌ちゃん!これがハチロクの走りだ!」
萌は、必死に窓の外を見る。
景色がぶれる。
まさに「日常系」の絶叫だ。
田中経理のJB23ジムニーも、負けじとついてくる。
時折、バックミラーに映る田中経理の目が、真剣に輝いているのが見えた。
「ゼロヨン区間…」
佐藤先輩が、意味深に呟く。
萌は、佐藤先輩の横顔を見た。
「ゼロヨン区間って、何ですか?」
萌の問いに、佐藤先輩はニヤリと笑うだけだった。
峠を抜けた後、目的地である秘境キャンプ場への林道に入る。
舗装されていない道。
ハチロクでは進入困難な道だ。
佐藤先輩はハチロクを停める。
「萌ちゃん、ここからはお前のジムニーの出番だ!」
萌は、自分のジムニーにバトンタッチすることになった。
ジムニーの頼もしさ。
それが、こんな場所で発揮される。
萌は、胸の奥で、じんわりと温かいものを感じた。
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2025年05月10日 17:00 JST ID:moe_jimny
社員旅行初日、ハチロク爆走体験!
佐藤先輩、運転が怖すぎだけどかっこよかった!
田中さんもまさかの追走!
やっぱりジムニーは頼りになるね。
#ハチロク体験 #ジムニー最強 #社員旅行
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次回予告!
萌:「佐藤先輩!ゼロヨン区間って、あの密談と関係あるんですか!?」
佐藤:「チッ…萌ちゃん、聞いちゃったのか!それは、男たちのロマンだぜ!」
次回、第8話:ジムニーでキャンプ!〜夜の密談と星空の下で〜