第十八話:ジムニーと疑惑!〜経費の壁と田中経理の過去〜
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2026年03月15日 09:00 JST ID:moe_jimny
会社の車両費が高すぎるって?
まさか、ジムニーのせい…?
田中さん、なんか隠してる?
気になるー!
#会社の危機 #経費の壁 #田中さん
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最近、会社で妙な噂が流れていた。
「みちくさクリエイト」の車両関連費が、あまりに高額だという。
一部の社員からは、不満の声が上がり始めている。
萌の胸がざわつく。
まさか、自分のジムニーのせいだろうか?
萌は、少し不安になる。
そんな萌の様子を見て、経理の田中恵子は、いつものクールな表情で仕事をしている。
萌は、田中経理に疑問を抱いていた。
田中は、経費には厳しい目を光らせる。
それは、以前、キーホルダーを経費で落とせなかったことで痛感した。
しかし、ジムニー関連の経費には、どこか甘い気がする。
あの「洗車大作戦」も、そうだった。
その矛盾が、萌には理解できなかった。
「田中さんって…一体、何なんだろう?」
萌は、田中の過去を探ることにした。
萌は、それとなく山村先輩に田中経理のことを尋ねてみた。
山村先輩は、少し困った顔で答える。
「田中さんはね…昔、色々あったのよ」
言葉を濁す山村先輩の様子に、萌の疑問はさらに深まる。
田中経理の過去。
それが、経費への厳しさと、ジムニーへの理解に繋がっている?
萌の頭の中で、様々な憶測が渦巻く。
萌は、残業中の田中経理に声をかけた。
「田中さん、少しお話いいですか?」
田中は、いつものように淡々と答える。
「何かしら?」
萌は、勇気を出して尋ねた。
「田中さんは、どうしてそんなに経費に厳しいんですか?
それと…ジムニーには、なぜ優しいんですか?」
田中は、眼鏡の奥の目を、萌にじっと向けた。
沈黙が、オフィスに重くのしかかる。
萌の心臓が「ドクン」と跳ねる。
田中は、ゆっくりと話し始めた。
かつて、彼女が若かった頃の話。
会社のお金を、安易な気持ちで使ってしまった経験。
経費の不正使用。
それが原因で、大きな失敗をしてしまったこと。
信頼を失い、仕事で挫折を経験したこと。
その時の苦しみ。
そして、お金の大切さ。
仕事のやりがいを、少しずつ理解していったこと。
萌は、田中の意外な過去に驚きながらも、その言葉に深く共感した。
胸の奥に、じんわりと温かいものが広がる。
「あの時、私を救ってくれたのは、
一台のボロボロのジムニーだった」
田中は、遠い目をしながら言った。
「泥だらけになって、もう動けないと思っていた時、
一台のジムニーが、私を助けに来てくれたの」
それは、オフロードの過酷な道を走る、田中自身のジムニーだった。
「ジムニーは、私に教えてくれた。
どんなに泥だらけになっても、
前へ進むことを諦めない強さを」
その経験が、彼女の「経費の女神」としての厳しさと、
ジムニーへの理解に繋がっている。
萌は、田中の言葉に、ハッとした。
ジムニーが、田中経理の人生を変えた。
泥だらけの道は、萌だけのものではなかったのだ。
萌は、経費の重要性と、会社への責任感を再認識した。
お金は、ただの数字じゃない。
会社を支え、仲間を支え、地域を支えるためのものだ。
萌は、田中に笑顔で答えた。
「田中さん、ありがとうございます!
私、もっと頑張ります!」
田中は、萌の言葉に、少しだけ微笑んだ。
その目は、いつになく穏やかだった。
萌の胸には、新たな決意が宿った。
ジムニーは、萌と田中経理。
そして、みちくさクリエイトの社員全員の「愛の証」なのだと。
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2026年03月15日 17:00 JST ID:moe_jimny
会社の車両費の噂、田中さんの過去に繋がってたなんて!
お金って、本当に大切なんだね。
ジムニーが田中さんを救った話、感動したなぁ。
私ももっと会社に貢献するぞ!
#田中さんの過去 #経費は愛 #ジムニーの力
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次回予告!
萌:「佐藤先輩!私のジムニー、もっとオフロード仕様にしたいんです!」
佐藤:「おお、萌ちゃん!いよいよ本気になったか!最高のカスタム、俺が選んでやるぜ!」
次回、第19話:ジムニー大改造!?〜新しい挑戦と篠原先輩の助言〜




