第十六話:ジムニー救援!〜山奥の事故とパパの教え〜
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2026年02月15日 09:00 JST ID:moe_jimny
パパから緊急電話!
山奥で事故だって。
ジムニー、出動だ!
みんなを助けに行こう!
#ジムニー救援 #人助け #使命感
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浜松の山間部。
萌は会社で、速報を目にしていた。
観光客が乗る車が、道を外し、孤立している事故が発生。
現場はジムニーでしか入れない険しい場所だという。
萌の胸がざわつく。
人助け。
自分に何かできることはないか。
その時、萌の携帯が鳴った。
表示されたのは、父親・巌の名前。
「萌!山奥で事故だ!
大変なことになっているぞ!」
巌の声が、電話越しに興奮して聞こえる。
萌は、胸に確かな使命感を感じた。
「パパ、私が行くよ。
ジムニーなら、行けるはずだ!」
巌は、娘の言葉に一瞬戸惑ったようだが、
すぐに豪快に笑った。
「おお、萌!ウインチをフル活用するんだ!
パパの愛の結晶を信じろ!」
萌は、みちくさクリエイトの社員として、
救助活動に志願した。
社長の岩田も、山村先輩も、
萌の決意に頷いてくれた。
「桜木さん、気をつけてね」
山村先輩が優しく声をかける。
萌は、ジムニーに乗り込んだ。
現場へ向かう道は、想像以上に険しかった。
狭い山道。
急な坂道。
落石も転がっている。
舗装が途切れ、泥道になる。
「グイッ」
ジムニーが、ぐいぐいと悪路を駆け上がっていく。
頼もしいエンジンの唸り。
泥を蹴散らすタイヤの感触。
萌は、ジムニーの真価を改めて感じた。
事故現場に到着。
車は道の脇に大きく傾き、
乗っていた観光客が不安そうに身を寄せ合っていた。
萌は、素早く状況を確認する。
周囲には、他の救援車両はまだ見当たらない。
「大丈夫ですか!?」
萌の声が、山に響く。
萌は、ジムニーに搭載されたウインチを操作した。
父が過剰に搭載した、巨大なウインチ。
普段は「こんなもの、どこで使うの?」と思っていた。
だが、今、その真の価値を知る。
ワイヤーが伸びる。
事故車にフックをかける。
「よし!」
萌は、慎重にウインチを巻き始めた。
ギュルルルル…。
ウインチが唸る。
事故車が、ゆっくりと、しかし確実に、引き上げられていく。
観光客たちが、安堵の声を上げる。
「すごい…!」
萌は、父親の「万が一」への備えへの想いを、
初めて深く理解した。
父の愛は、単なる溺愛ではない。
娘がどんな困難にも立ち向かえるようにと、
先を見据えた、実用的な愛だった。
胸の奥から、温かいものがこみ上げてくる。
「パパ…ありがとう…」
その時、萌のジムニーの横に、一台の車が停まった。
見慣れた顔。
オフロードショップ『岳人モータース』の店主、高橋剛だ。
高橋店主は、無口に状況を見守っていたが、
萌のウインチ操作を見て、小さく頷いた。
「嬢ちゃん、やるな」
その一言が、萌には最高の褒め言葉に聞こえた。
高橋店主は、ジムニーの専門知識を活かし、
萌の救助活動をサポートしてくれた。
最適な角度や、力の入れ具合。
彼の助言は的確だった。
萌は、高橋店主との連携を通じて、
さらに効率的に救助を進めることができた。
人助け。
それは、萌にとって、
仕事のやりがいを再確認する瞬間でもあった。
ジムニーが、自分をこんなにも頼りになる存在にしてくれた。
萌は、救助活動に貢献できたことを、心から誇りに思った。
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2026年02月15日 17:00 JST ID:moe_jimny
山奥での事故現場、ジムニーで救助成功!
パパのウインチがこんなに役に立つとは!
高橋店主も来てくれて、心強かったな。
ジムニーと私、また一つ強くなった気がする!
#ジムニー救援 #地域貢献 #パパありがとう
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次回予告!
萌:「速水さん、こんな夜の山奥で何してるんですか!?」
蓮:「……桜木さん。私は、都会の喧騒から逃れてきただけです。」
次回、第17話:ジムニーと蓮!〜二人きりの調査と夜の森で〜




