第十五話:ジムニーと涙!〜雫の危機と萌の決意〜
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2026年02月01日 09:00 JST ID:moe_jimny
雫と久しぶりに会う約束!
最近、ちょっと元気がないみたいで心配。
何か力になれること、あるかな?
#親友 #悩み #応援したい
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萌は、幼なじみの雫と会う約束をしていた。
最近の雫は、少し元気がない。
連絡を取り合う中で、萌は感じていた。
浜松市の中心部、おしゃれなカフェ。
雫のいつもの、白とウッド調のシンプルな部屋とは違う。
少し緊張した面持ちで、雫が萌の前に座った。
萌の胸には、一抹の不安がよぎる。
雫は、コーヒーを一口飲むと、ぽつりぽつりと話し始めた。
就職のこと。
地元に残るか、都会に出るか。
将来への漠然とした不安。
「萌はさ…このままでいいのかなって、思わない?」
雫の寂しそうな表情に、萌の胸は締め付けられた。
親友の苦悩。
萌は、どう言葉をかけたらいいのか分からなかった。
萌は、雫の手をそっと握った。
「雫、私ね、この会社で働き始めて、
この地方の本当の魅力に気づいたんだ」
萌は、自身の仕事(地域活性化)を通じて
「地元の本当の魅力」を再発見している経験を語り始めた。
ジムニーで泥道を走り、地域の人と触れ合う楽しさ。
洗車大作戦で、田中経理との絆が深まったこと。
オフロードイベントでの大失敗と、そこからの再起。
「色々なことがあるけど、ここには確かな繋がりがあるんだよ」
萌は、親友である雫に、真剣な眼差しで語りかける。
「ねえ、雫。私と一緒に、ドライブに行かない?」
萌は、そう提案した。
ジムニーに乗って、雫に地元の隠れた魅力を巡ってもらいたい。
萌の目には、強い光が宿っていた。
雫は、少し迷った後、頷いた。
「うん…行こうかな」
その表情に、微かな光が戻る。
萌のジムニーと、雫のカリオストロ号。
二台の車で、地元の隠れた魅力を巡るドライブに出かけた。
細い山道。
ジムニーは泥を蹴散らし、力強く進む。
カリオストロ号は、慣れない道に慎重だ。
萌は、車窓から見える景色を雫に説明する。
地元でしか食べられない、秘伝の五平餅。
山奥にひっそりと佇む、小さな神社。
どこまでも続く、茶畑の緑。
萌が働く「みちくさクリエイト」の活動で知った、
地域の温かい人たちとの出会い。
雫は、萌の言葉に耳を傾け、
普段見慣れているはずの景色が、
違って見えることに気づいた。
ドライブの途中、二人は小さな渓流で休憩した。
透き通った水が、きらきらと光る。
萌は、幼い頃の思い出を語り始めた。
「昔は、この川でよく遊んだよね」
雫は、そっと目を閉じる。
都会に出ることで、失ってしまうかもしれないもの。
萌の言葉と、故郷の景色が、雫の心にじんわりと染み渡る。
「萌は、本当に変わったね」
雫が、静かに言った。
「昔は、パパの車に振り回されてばかりだったのに」
萌は、少し照れる。
「…うん。色々なことがあったから」
萌は、ジムニーの存在が、自分をここまで強くしてくれたことを実感した。
泥だらけの道も、雪山も、ハチロクの救出も。
全てが、自分を成長させてくれた。
雫は、萌の言葉と、故郷の景色に心を動かされた。
そして、少しだけ、心が軽くなったようだった。
「ありがとう、萌。
私、もう少し、ここで頑張ってみるよ」
雫の表情には、確かな光が宿っていた。
萌は、親友である雫の背中を、
優しく、しかし力強く押す決意をする。
親友として、そして、地域に根ざす人間として。
この地方が、二人の居場所なのだと。
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2026年02月01日 17:00 JST ID:moe_jimny
雫とのドライブ、楽しかった!
少しでも雫の力になれたなら嬉しいな。
地元って、まだまだ知らない魅力がいっぱいだね!
私もジムニーと一緒に、もっと頑張るぞ!
#親友との絆 #地元愛 #新しい発見
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次回予告!
萌:「パパ!また山奥で事故だって!ジムニーで行くよ!」
巌:「おお、萌!ウインチをフル活用するんだ!パパの愛の結晶を信じろ!」
次回、第16話:ジムニー救援!〜山奥の事故とパパの教え〜




