第十二話:ジムニー女子、道なき道を未来へ!〜泥だらけの青春、第一部完〜
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2025年06月01日 09:00 JST ID:moe_jimny
ついにオフロード体験ツアー当日!
ドキドキするけど、みんなの笑顔が見たいな。
ジムニー、今日も最高の相棒だよ!
#オフロード体験 #地域活性化 #ジムニー女子
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萌は、社会人として大きく成長した。
ジムニー女子としての自信も、確かなものになっていた。
会社の業務を通して、地域の人々との絆を深める日々。
ジムニーでしか行けない場所の魅力を発掘し、
SNSで発信するなど、萌は自身の役割を見出していた。
パパカスタムジムニーは、今や萌にとって。
「私の勲章」だ。
速水蓮との関係も、さらに進展していた。
先日、萌が企画したオフロード体験ツアー。
それは、萌が初めて主体となって企画した、大きなイベントだ。
社長の岩田も、蓮も、萌を高く評価してくれた。
「桜木さんの情熱には、いつも驚かされますね」
蓮が、萌に静かに言った。
その言葉が、萌の胸にじんわりと響く。
オフロード体験ツアーは大成功だった。
参加者たちの笑顔が、萌の心を満たす。
子供たちの笑い声が、青空に吸い込まれていく。
「この車、戦車みたい!」
泥だらけのジムニーのバンパーを撫でながら、
男の子が目を輝かせて言った。
萌は、嬉しくてたまらなかった。
ジムニーの周りには、たくさんの人が集まっていた。
ツアーの後、社長の岩田が萌に声をかけた。
「おお、萌ちゃん!見事な成功だったな!
君のジムニーは、最高の相棒だ!」
社長は豪快に笑う。
萌の活躍は、会社の評判も大きく上げていた。
蓮も萌を高く評価し、今後のプロジェクトでの連携を提案してくれた。
ツアーを見守る田中経理の目に、一瞬だけ、複雑な色が浮かんだ。
彼女は静かに、そっと眼鏡のフレームを押し上げた。
田中は、何かを懐かしむような、
あるいは、何かを決意したような顔をしていた。
誰にも気づかれない、小さな感情の波紋。
萌の父親・巌は、娘の活躍ぶりを耳にしていた。
高橋店主との電話で、巌は得意げに語る。
「萌のジムニーが、地域のためにこんなにも活躍している!
まさしく、私の最速理論……
いや、萌のジムニー理論の勝利だ!」
複雑ながらも、娘の成長を喜んでいるのが伝わってくる。
萌は、父親の愛が、今、確かな形となって自分を支えていると感じた。
その愛は、泥だらけの道で、萌を支える確かな力になっていた。
萌は、愛車のジムニーのハンドルを握った。
泥だらけのボンネットに、夕焼けが映る。
第一部のテーマ「新社会人としての適応と基礎構築」は、達成された。
萌は、もう、親の用意した道を走るだけじゃない。
自分自身の力で、新たな「おもてなし」と「冒険」の道を。
切り拓いていく。
このジムニーと共に。
それが、萌の決意だった。
空には、希望の光が射し込んでいた。
この空は、昨日の私が知らない色をしていた。
けれど、今日の私には、ちゃんと見えている。
泥だらけの青春は、まだ始まったばかりだ。
そして、あの男が動き出すのは…、まだ少し先のことだった。
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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2025年06月01日 17:00 JST ID:moe_jimny
オフロード体験ツアー、大成功だったー!
みんなの笑顔が見れて、本当に嬉しい!
ジムニー、最高の相棒だよ。
これからも、このジムニーとどこまでも行ける気がする!
#ジムニー女子 #地域貢献 #第一部完
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次回予告?
萌:「えっ、社員旅行の次は、雪山で遭難するってホントですか!?まさか、第2部もあるの!?」
田中:「フフ…桜木さん。物語は、まだ始まったばかりよ。続きは、あなたの心の中に。」
次回、第13話:ジムニー雪道!〜冬の配達とまさかの遭難!?〜




