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第十一話:ジムニーVS父!〜伝説のゼロヨンと私の決意〜

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桜木 萌 @新卒ジムニー女子 2025年05月18日 09:00 JST ID:moe_jimny

佐藤先輩と神崎さんの「ゼロヨン」って何だろう?

気になるけど、パパからの電話が怖い。

まさか、また新しい車の話…?

#ゼロヨン #パパからの電話 #ジムニーは渡さない

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社員旅行から数日後。

萌は、佐藤先輩に声をかけた。

「佐藤先輩!社員旅行の時、

『ゼロヨン区間』って言ってましたよね?

あれって、一体何なんですか?」

萌の問いに、佐藤先輩はニヤリと笑った。


佐藤先輩は、伝説の「ゼロヨン区間」での

非公式タイムアタック勝負について語り始めた。

『峠の工房 疾風』の店主、神崎涼介の「最速理論」。

そして、ゲーム『ゼロヨンチャンプ』に由来する

男たちの熱いロマン。

彼の話を聞く萌の胸には、

熱いものがこみ上げてくる。

「経費をかけたロマン…」

男たちの情熱に、萌は感動した。

同時に、自身のジムニーへの愛と重ね合わせる。


その矢先だった。

萌の携帯が鳴る。

表示されたのは、父親・巌の名前。

萌は、嫌な予感がした。

「萌のために、もっと素晴らしいオフロード仕様の新型車、

ジムニーの5ドア海外仕様を用意した。

君のジムニーはもうそろそろ卒業してもいい頃だろう」

父の言葉が、萌の心を凍らせる。

それは、父親の価値観を押し付けるような車だ。

日本未導入の最新モデル。

確かに、広くて便利そう。

萌は、一瞬だけ、その新しさに微妙に惹かれる。

しかし、萌のジムニー愛を否定する言葉に、

すぐに胸の奥がチクリと痛んだ。


萌は激しく反発した。

「嫌だ!私、ジムニーを降りない!

ジムニーは私の大切な相棒なんだから!」

父の顔が、驚きと怒りで歪む。

「なんだと!萌!パパの愛がわからないのか!?」

感情的な衝突が始まった。

「私はパパが喜ぶためじゃなくて、

私が走りたい道を走るんだ!」

萌の声が震える。

「パパの夢じゃなくて、これは私の人生なんだ!」

涙が、萌の頬を伝った。

自立を宣言する、萌の精一杯の叫びだった。


巌は、娘の成長に驚き、最初は戸惑っていた。

萌の真剣な瞳。

そして、泥だらけのジムニー。

そこには、これまで自分が知っていた萌の姿はなかった。

巌は、娘の自立と情熱を認め始めた。

萌の背後には、山村先輩や岩田社長といった

職場の仲間たちが、静かに見守っていた。

彼らの視線が、萌の背中を押している。


萌は、改めて感じた。

父親の愛情の深さ。

そして、自分を選んだ道への確信。

萌は、自分の意思でジムニーに乗り続けることを宣言する。

ジムニーは、単なる車じゃない。

それは、萌自身の人生。

そして、誇り。

泥だらけになったジムニーが、

萌の自立と情熱の「勲章」に見えた。

次回予告!

萌:「社長!私が企画したオフロード体験ツアー、成功しました!」

社長:「おお、萌ちゃん!さすが最高の相棒だな!君の成長は、みちくさクリエイトの誇りだ!」

次回、第12話:ジムニー女子、道なき道を未来へ!〜泥だらけの青春、第一部完〜

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