式典【一】の[十四]
その様子を、一羽の鴉がじっと見ていた。
下級妃の宮、大広間では……三人の妃達が茶会を開いていた。
「……水竜がジャンキーに気付いたようです。……どうやら泳がせる気ですね」
彩華は愉しそうに答えると、紅茶を一口飲む。
「……あいつ、未だに自分の策で皇位争いしたとか思ってんでしょう?そんな訳無いじゃん、皇子や皇女なら誰だって玉座欲しいんだっつーの」
蓮は不愉快そうに言うと、茶菓子の大福を頬張った。
「彼は自信家だから仕方無いよ。俺達は自分達で出来る事をすれば良いんだ」
呑気そうに静は笑って答えると、足を組んで二人を見つめる。
「確か……明日は水竜が月商会本店に行くんでしたっけ?」
「僕も興味ある、姫を匿っていた商会でしょ?」
先に彩華が切り出すと、大福を飲み込んだ蓮も加わる。
「月商会……偶然かな?行方不明になっていた長兄の影と同じ名だよね?確か……神の国で再会した時も長兄が名乗って居た筈だ」
気付いた静も話に入ると、疑問を口にする。
「……行方不明のままだった三家の長子の内、琉騎泉が後宮に入ったんだよね?確か半年前にさ」
目を丸くして蓮も口にすると、腕を組んで眉を潜めた。




