式典【一】の[九]
「へぇ……亡き皇子の側近が……じゃあこの前の地下牢に居たのね?」
目を丸くして芽は感心すると、翼揚を見詰める。
「鴉家は閃家と対をなす特別な一族なの。ちなみに彩鬼皇子は鴉一族の姫を母に持っていてね、先代帝が存命の時は他の一族と共に権力を誇って居たわ」
当時を思い出して、うんうんと翼揚は頷いた。
「録な権力もねぇくせに芽を公に晒し者にしようって言うのはマジで気に入らねぇぜ。恐らく芽は旧勢力と、神世の国からも狙われるのは確実だ」
頬杖を付いた狼王が断言する。
「リスクの大きさを過小評価しているのでしょうか?二つの勢力から狙われるとしたらリスクも大きいと思いますよ」
駿嵡も頷いて眉間に皺を寄せた。
「私の命を狙わないで!!私はまだ死にたくないわ!!と、此処で女優みたいに叫んでみる?人生に一度しかない最大のモテ期を感じて喜ぶ私が此処に居るけど?」
ジト目で話し合う二人を見詰め、翼揚に芽は言ってみるが……。
「やめなさい、命を狙われるモテ期は嬉しくないわよ」
呆れた顔をして翼揚はツッコミを入れた。
「でもさ……皆私を守ってくれるんでしょう?もちろん私も戦うけどね」
ニッコリ笑って芽は三人に言う。
「勿論当たり前だろうが」
ぶっきらぼうに言うと、狼王は頭を掻く。
「身命に懸けてお守り致します」
「任せなさい!!バッチリ守ってあげるわ!!」
駿嵡と翼揚もヤル気満々に答えるのだった。




