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式典【一】の[七]
「有り難き御言葉……それを聞けて我が一族も嬉しい限りです。今一度、姫様に改めて忠誠をお誓い致します」
駿嵡は嬉しそうに礼を言うと、深々と頭を下げる。
「そんな芽相手にお堅くなる必要ねえぞ」
そこへ、一人の青年が一瞬で現れると茶化す。
黒髪に、前髪には金色のメッシュが入っており、商人の旅装姿の青年が芽の隣に立っていた。
月狼王。月商会副商会主で芽の義伯父。
「ちょっ!?狼王兄⁉️」
びっくりして芽は目を丸くする。
「俺は今も怒ってんだからな?勝手に突っ走って公に姿を現した事にもさ。俺達が別動隊で片付けてなけりゃ流石に厳しかったんだからな?」
狼王は芽を上から見下ろし、ジト目で見て言い聞かせるように言うと、溜め息をついて両手を腰に当てる。
「う゛っー、それは分かってるから反省してるわよ」
ばつが悪そうな顔をして芽は下に俯く。
……月一族当主……月狼王……!?
狼王を見て駿嵡は目を見開き驚愕する。
「驚いた?月一族は主と共に姫を守り、この国に来てからも本当の家族のように接しているみたい。まぁ私と光君は都でイカサマ博打してたら主に捕まったのよねぇ……。今となっては良い思い出だわ」
思い出して、うっとりする翼揚は頬を染めた。




