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亡国の皇女と若き帝  作者: 玉白美琴
式典の章
45/63

式典【一】の[六]

その日から三日後、都の月商会本店で芽と、二人の男が顔合わせを行って居た。


「……まさか……先輩下女が光宛の兄だったなんて……全く分からなかったわ……」


紫色の髪を左右に結んでお団子にし、色鮮やかな薄桃色の衣装を着た芽は、まじまじと二人を見詰め苦笑した。


「うふふ、あの時は名乗れなくて申し訳無かったわね。あの晩もがしゃどくろが寮にも襲ってきたから始末するのに忙しくて姫の援護に行けなかったのよ」


赤い女物の着物を着た先輩下女は、上品に口許を袖で隠して笑うと、佇まいを正した。


「改めて名を名乗らせて頂きます。私の名は閃翼揚(よくは)と申します。どうかお見知りおきを」


光宛と同じ金色の髪を一つに結わえ、表情を引き締めた翼揚は頭を下げて名乗る。


「宜しくお願いするわね」


芽も頷いて返した。


「御挨拶が遅くなり申し訳ありません、私は閃一族の現当主閃│駿嵡しゅんおうと申します。狼英様の命により、今日から姫様に身命をとしてお仕えさせて頂きます」



金色の長い髪を一つに結わえ、身形の良い青い着物を着た駿嵡が名を名乗り頭を下げた。


「宜しく頼むわね」


満足して芽は答えるが……。


「あの、姫様……非常に申し上げにくいのですが……我等閃一族は……翼揚や光宛を除いて全員宦官なので……姫様に御負担を掛けてしまうやも知れませんが……何卒御許しください」


深々と頭を下げて駿嵡が謝罪すると……。


「名に言ってんの?仕えてくれる臣下が宦官だから何?そんな事で私が差別する訳無いじゃない。もし、周りが貴方達を侮辱するなら私が守る!!しばき倒してやるから安心しなさい!!」


力強く芽は胸を張って駿嵡に答えた。


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