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亡国の皇女と若き帝  作者: 玉白美琴
黒刀の章
35/63

黒刀【五】の[三] 

「この世は、目に見えてる事が全てじゃ無いの。あんた、最初から宰相に向いてなかったのよ。二手、三手先を常に見てないと駄目だったもの」


笑みを浮かべて芽は呂白に言い放つ。



……姫は……帝より……王の器に相応しい……。そうか……わしは全て見誤ったのか……。


ガクッと呂白は身体の力を失くす。


光宛と共に芽の言葉を聞いていた水竜は目を見開いて言葉を失くした。


……これが王と言う資質ですか……。悔しいですが……今の烈鋼より姫の方が王に相応しいですね。


思わず水竜は苦虫を噛み潰した顔になる。


「呂白は任せたわよ、私達は地下に向かう」


「……あぁ」


「……うん」


ドアの外で聞いていた煌牙と冷波に頼むと、光宛と水竜を率いて去っていく。


再び使用人達から聞いた芽は、図書室の隠し扉を見付けて地下を見付ける。


「妖力を飛ばせば見えるわよね?えいっ!!」


軽く芽は言うと、地下の天井に向かって妖力を球体にして放つ。


球体は紫色に光って地下牢を照らし出す。


「……随分と豪快ですね」


「姫はいつもこうだ」


水竜は苦笑いすると、光宛が無表情で答えた。

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