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黒刀【五】の[二]
芽と光宛は使用人達を避けて書斎を目指す。
水竜は二人の後に遅れないようについて行く。
何人かの使用人に聞いて、辿り着いた芽は勢い良くドアを開け放つ。
「ひいっ!?」
奥に居た中年の男が悲鳴を上げた。
「あんたが格呂白ね?」
念のため、芽は近付いて問い掛けるが……。
「……むっ……紫色の髪!?……何故この国に!?」
芽の髪色を見て呂白は叫ぶ。
「貴女に答える筋合いは無いわ。既に桃里は縛に付いたし……後は呂白、あんただけよ」
「……そんな……」
芽に言われ、呂白は愕然とする。
「捕まえている宦官は何処に居るの?」
「……地下牢に……居る……これが鍵だ……」
芽に聞かれた呂白は、力無く箱から鍵を取り出すと手渡した。
「そう、ありがとう。それにしても、随分馬鹿な事件を起こしたわね。勝算無く事を起こすのは馬鹿がする事だわ」
「……姫が味方するとは思わなかった、ましてや、六年前に死んだとさえ思って居たのだ」
芽に言われ、呂白は顔をしかめて答えた。




