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亡国の皇女と若き帝  作者: 玉白美琴
黒刀の章
20/63

黒刀【三】の[五]   

「ふむふむ、宦官なんか捨て置くべきだったのに……自ら進んで行った訳ね?」


腕を組んで芽は烈鋼に言い放つ。


「捨て置くなんて出来る訳ないだろう!!臣下や民は国の宝だ!!見殺しにするほど俺は腐ってない!!」


芽に言われて烈鋼は逆ギレすると、声を上げて叫ぶ。


「……それでどうなった訳?」


敢えて無視をして芽は聞き返した。


「弱体化の香を焚かれて居て仲間に逃がされた」


下に俯いて烈鋼は悔しそうに答える。


「……情けないわね、自分だけ生き残ろうとするなんて……私が言いたいのはただ一つ、貴方もその場に残って闘うべきだったって事よ」


心を鬼にして芽は烈鋼に言い放つと背を向ける。


「……分かってる……だが、俺が死ねば黒国が乗っ取られてしまう。だからあの時は逃げるしかなかったんだ。今の俺にはまともに闘う力が残ってない。……恥を忍んでお前達に頼む。仲間を助けてほしい!!もう失いたくないんだ!!」


烈鋼は恥も、外聞も捨て去ると、二人に土下座をして頼み込む。


「…………」


芽はそれを聞いてハッとして目を見開く。


「……勝手なことを。貴様らの問題だろう?姫をこれ以上巻き込むな!!」


烈鋼の都合の良すぎる頼みに、思わず光宛が激怒する。


「……貴方は帝につくづく向いてないわ、国を背負う者は冷酷さと覚悟が必要だもの」


芽は烈鋼に振り返ると歩み寄って行く。

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