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黒刀【三】の[一]
桜が導くように、烈鋼は足を早く前へ進める。
……桜がまるで道標みたいだ……。
走りながら桜を追い掛け、烈鋼は思う。
「……姫様駄目です……」
それでも、光宛は芽を思うので引き下がれない。
「この分からず屋!!」
「何度でも言ってください!!全ては姫様の為なのです!!」
しまいには、芽も光宛も言い合いになってしまった。
その時、茂みから黒髪の男が出てくる。
「……えっ……?」
「……っ……」
桜が狂い咲く木の下で、芽と男は出会った。
「……っ!!」
慌て光宛は芽を背中に隠すが……。
「紫色の髪……確か神世の国の皇族……それも姫巫女の証だ。……お前、まさか……皇族か!?」
勘が良いのか、男は芽の正体を言い当てる。
「そう言うあんたこそ、黒髪は皇族直系の証……あんたさては帝ね!?」
光宛の背中から顔を出した芽も叫ぶ。
……まさか帝と対面する事になるなんて……
光宛は本気で頭を抱えたくなるが……。
「あんた、まさか命を狙われているわね!?だからあちこちで妖気を感じるのよ!!」
直球で芽は、烈鋼に言いはなった。




