はじめにお読みください
……BGMスタート!!
♪トゥルルールー♪ ♪トーーゥトゥ♪
「俺は推理小説が大好きで父親が探偵の息子、小湊!今日も難事件を解決する、探偵だ!中学時代、修学旅行で起きた女湯を覗く陽キャな男子生徒達を通報した事から、父親と同じ探偵の道を歩むんだ!さぁ、今日も難事件を通報だ!!」
バギイイィッ
「どーせテメェも女湯覗いてたんだろーーがっ!!仲間を裏切るようなクズだろうが!!」
……上司が俺の頭を殴るとは、通報モンのパワハラだ。
「山口部長。タンマ……せっかくBGMを流してる時に殴るのは、変身ヒーロー達を待たずに攻撃してくるようなものだぞ」
「おぉぉ~?俺が悪役だって言うのか?あぁ?殺人事件でもやっちゃおうか、タイトルは小湊くん殺人事件で行こうかぁ?凶器はこの部長机って事にしてやろうか?それともトラックで轢き殺してやろうかぁ?推理のいらねぇ殺人事件を提供してやるよ!」
「止めて!止めて!!本気で殺す気でしょ!!俺、死体役は嫌だ!眠りの小湊にしてくれ!」
探偵という職業を目指したはいいが、なんだこの世界観。どいつもこいつも
「殺したいから殺す!そんな野蛮な地球は終わってますよ!!推理小説の如く、謎の多い殺人事件がどうして起きないんですか!?探偵やってたのに浮気調査ばっかで父親は廃業ですよ!まったく!!」
「衝動的にぶっ殺した方が気分がいんだよ!!」
この職場には色んな人間がいる。その中の1人に小湊さん。元探偵……いや、父親が探偵で、推理小説や推理漫画が大好き。リアリティのある難事件を求めて、自分の探偵事務所を設立するため、資金稼ぎをしているところだ。だが、父親はもう昔に廃業。
某漫画世界のように探偵が持て囃される世界観じゃないと、嘆く。山口部長からして
「人が死んでるのに名声を誇ってるんじゃねぇ。死なない社会作りに務めた方が良いに決まってるだろ」
「面白くねぇ人!!」
「人の生死に面白ぇとかほざくな!!人の命をなんだと思ってるんだ、テメェは!!」
「パワハラ部長の大本命がそんな尊い台詞を吐くな!!」
……ムカつく奴は誰にでもいるが、死ぬことはないと思う。
とはいえ、死んでくんねぇかなって思う奴等は、誰にでもあるものさ。
「はぁ~~~っ。俺としては、やるべきことじゃねぇ~んだけど、個人情報とかそーいうのに引っ掛かりそうだし。ギリギリのラインを低空飛行しようかなって」
そして、本題に入る。
サブタイトルにも入れておかなきゃいけない理由は、山口部長が仰るように……”実例のあるお話”ばかりであり、それは殺人とはまったく無縁。そして、とても日常的な出来事で起こる難事件!
精神を病ませるような事ばかり。
だが、どうしても今にやっておくべきだなって思う事がある。
そもそも、山口部長と小湊さんはどんな仕事をしているんですか?
「ただの配達員です。……ホントは殺人事件を解決しまくる名探偵をやりたいけれど、平和だから……」
「配達のお仕事って、物を運ぶだけの仕事が大半なんだが……身近なお客様とやり取りをする、”末端の配達員”だと、かなりある、難事件なんだ。……ちなみに死ぬのは、小湊くんのようなクソな配達員だ。頻繁に誤配をしている、クソな配達員のせいで、クソな業務を言われ、クソな対応をして……クソな同僚もいるし……ああっ、ムカついてきた!!」
……
配達のお仕事に推理要素がある!?
あるんですよ!そんな難事件ばっかりが!自分は大嫌いだ。
「荷物の”不着申告”はクソ腹立つ!」
”不着申告”
簡単に言うと、”お客様にお荷物が届いていませんよ”っていうご申告です。
それに近しい話を書いて行こうかなって思います。
そんなお話をポップかつ残酷で現実的に書いていこうというのが、このお話。書いておいてなんですが、よくある話ですので、個人情報を書かれたとかは叫ばないでください。まぁ、30%くらいの確率で
「小湊!!テメェみたいな誤配常習犯+お客様対応がクソ!みてぇな配達員がいるせいで、こっちの信頼がガタついてんだよ!!オラァっ!!1週間に何回誤配したら気が済むんだ、テメェ!!」
「うわああぁぁっ!お、俺以外にも誤配してるから!誰だってミスしますよ!」
「一度のミスは許してるだろうが!!年に4回も始末書書かされてること、自覚しろぉっ!!誤配で始末書を書くこと自体、普通じゃあり得ねぇんだぞ!!そんだけ異常なこと理解しろ!!」
ホントにダメな配達員のせいです……。
真っ当な配達員の方が多いですよ!それは事実です!ホントに事実です!!作者がそーいうところにいるから、絶対に保障します!!
とはいえ、このような配達員がいるせいで、周りが不安に思いますし、自分の配達地域がそんな配達員がやってたら……ホントに申し訳ございません。
山口部長がキツ~~~く締めてますので……。
「……やれやれ、恐い始まりですね。山口部長、その辺にしなさいよ。……初めまして。蓮山と言います。山口部長と同じ部長職の人間です。今回のお話は推理という事で、ゲーム感覚として、ルールを設けようと思います」
「読者の皆様にはまず、”配達員によるミスがない”という大前提をお伝えしておきます。その上で、どうしてそんなことが起こったのか?考えてもらいたいなぁって思います」
「よくある事例が、”親宛ての荷物をお子さんがお受け取りして、どこかに置いちゃったよ”ってパターンなんですが……」
「”不着申告”ってホントに色々な理由がありまして……その理由を含めて、……お話にしつつ、皆さんに推理をさせる形にします。……実際、現場に行くと。しょうもない推理ゲームが始まります」
「パートを2つに分けます。”事例編”、”解決編”の2つを用意します」
「殺人事件の推理物と違う点としては、”どーしてそんな事例”が起こってしまったのか?”どーしてお客様が怒っているのか”……そーいう点を理解されたらなって思います。お客様を非難するお話ではないので、ご注意ください」
「ポップな感じには書きますが、残酷なことも交えますので、社会的に嫌な思いをする方は……閲覧は控えてください。容赦をするつもりはないです」
「偏見が出ちゃうのでホントに申し訳ない事が多いので、軽い気持ちでは読まないで頂きたいです」
……じゃあ、なんでこんなお話を書くの?その動機は?
「これは近年。”置き配”の配達が増えたからが理由なんです。配達をやってる作者からすると、置き配は気が乗りません……。普通に”宅配BOX”を買ってください。それか段ボールでも良いので、”不在ならここに入れて”など、インターフォンにメッセージを書いてください」
「それと世間が”置き配”に慣れ始めちゃっての、”不着申告”はよく来るんですよね。全部、”置き配”で良いだろって意見をもらうんですが。この”不着申告”を対応するのって、”配達員”と”差出人”が中心なんですよね」
「簡単に言えば、荷物の”再発送”ってできる?荷物の弁償っていくら?……そーいうお話は基本的に僕達が中心であり、その……申告を言う、……基本は受取人様は、……ほとんど、なんもしてません。なんもできません」
「それを少しでも改善したいという思いで、こーいうお話を書こうと思いました。殺人事件のような事はしませんから、お気楽にしてください」