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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編
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第318話 敵基地と港で無双

 基地周辺にゾンビが集まっていたのは、俺達にとっては好都合だった。クキが言うには、今ごろは他の基地にゾンビの襲撃にあったと打診している頃だそうだ。ゾンビの勢いを止められずに、基地を放棄する事も視野に入れるだろうと推測している。


 だがそこに突然爆発音が響く。


「やっこさん、砲撃を開始したな」


「ならば、俺がゾンビに紛れて砲塔を破壊して来る。皆はここで待て」


 タケルが言う。


「レベル千の本領発揮だな。九鬼さん見たらびっくりすんぜ」


「見せてもらおう」


 俺はそのままゾンビの群れに突入して、間を縫うように走る。先頭のゾンビの向こうに、火柱が上がっているのが見えたと思った瞬間、あっという間に周辺のゾンビが吹き飛ばされた。


「あれか」


 ゾンビに囲まれてはいるが、俺は結界と金剛で守られている。そのまま剣を構えて砲塔に向けて剣技を繰り出した。


「陽炎円斬」


 すると遠距離にある砲塔の周りが揺らめき、大砲はぐずぐずに崩れた。


「あと二門」


 俺は同じ要領で砲塔を黙らせる。すると数基のヘリコプターが、向こうの空に浮かび上がって来た。恐らくは銃撃でゾンビを黙らせるつもりだろう。


「突光閃」


 俺は飛び立たんとするヘリコプターを、次々に剣技で落として行った。その間にもゾンビはどんどん奥まで侵攻し、あちこちで銃撃の音が聞こえて来る。そしてまた大砲やヘリコプターを飛ばそうとしていたので、俺は全てを破壊した。


 次の瞬間ピューンと音がして、また爆発音が聞こえる。どうやら他にも遠方から攻撃を仕掛けている奴がいる。空を見れば丁度ミサイルが落ちてきているところだった。


「空接瞬斬」


 ミサイルは空中で分解され、破片が基地に降り注いでいく。じきに飛行場はゾンビに埋め尽くされて、あちこちで鳴っていた銃撃も少しずつ少なくなってきた。


「どうなるか…」


 すると今度は大量にミサイルが撃ち込まれて来たので、全て空接瞬斬で落として行った。一つも着弾することなく、バラバラになったミサイルは基地の施設へと降り注ぎ、建物から火が出て来る。ミサイルの音が鳴りやんだので、俺は急いで皆の所に戻った。


「基地はゾンビで汚染された。飛んで逃げようとしていたヤツラも全て撃ち落とした」


 するとクキが答えた。


「凄いな。先ほどのミサイルは恐らく艦砲射撃だ。北側に海軍基地があるからそこからだろう」


 そこでタケルが言う。


「車を回収して向かおう」


「よし! 軍隊から奪う。迂回して奪おう」


 俺達がゾンビだらけの基地を回り込んでいくと、これまたゾンビだらけの所に軍用のトラックがあった。どうやら逃げようと思っていたところで、ゾンビに群がられてやられてしまったらしい。


「あれを」


 俺を筆頭にゾンビを破壊しながら、トラックに行くとゾンビが中の兵士を食っているところだった。タケルがそれを引きづり出してモーニングスターで頭を潰す。すると食われていた兵士も、ゾンビ化し始めたところだったが、反対側の座席を開けたミナミが引きずり降ろして首を斬って捨てる。


 二人が運転席に乗り、全員が後部ハッチに行くと中でゾンビが兵士を食っていた。他のメンバーがそこに乗り込んで、次々にゾンビの頭を撃ちぬいて行く。

 

 そこでクキが言う。


「荷台を綺麗にするぞ」


 皆がゾンビを外に引きずり出している間、俺は周辺のゾンビを処分していく。皆が乗り込み、クキが前の座席に行った。そこで俺が言う。


「出せ! 殿は俺がつとめる」


 トラックのエンジンがかかると、周辺で気が付かなかったゾンビがこちらを向いて迫って来た。


「飛空円斬」


 見える範囲のゾンビを切り裂いて、走り出したトラックへと飛び乗る。それからトラックは金網を突き破り、外の道路へと飛び出た。しばらく走ると、同じ軍用トラックが走っているのが見える。どうやらゾンビに襲撃された基地を見捨てて逃げている車両らしい。


 タケルが俺に言った。


「どうする?」


「後ろにつけろ。仕留める」


「了解」


「俺が壊したトラックを避けてくれよ」


 俺が天井に乗って前を見ると、三台の軍用車が連なっているのが見えた。俺は身をたわめるようにして、前を走っているトラックの天井に飛び移り、更に一番前のトラックに飛び移った。


「冥王斬」


 そのトラックは中の人間ごと切り裂かれ、上と下に真っ二つになった。俺が飛び去って空中から下を見下ろすと後ろのトラックが、丁度真っ二つになったトラックに突っ込んだところだった。


「冥王斬」


 次のトラックも真っ二つになり、その後ろのトラックが急ブレーキを踏んだ。間一髪ぶつかるのを避けたようだが、俺はそのトラックも斬る。


「冥王斬」


 三台とも粉々になったところで、俺は対向車線を走る仲間のトラックに飛び乗った。すると運転席からクキが言う。


「もうすぐ港だ」


「わかった」


 俺達が進んでいくと、バリケードが作られておりそこでは兵隊が銃を構えていた。


「止まらず進め」


 俺の指示通りに、トラックはバリケードに向かっていく。俺はトラックの天井から、思いっきり飛び去ってバリケードの上空へと出現する。


「大龍深淵斬」


 バリケードが粉々に砕け、慌てふためいている兵士達が居た。


「乱波斬! 十連」


 兵士達は飛び散るようにはじけ、細切れになっていく。俺は自由落下しながら真下に落ちると、丁度そこに仲間達のトラックが来た。


「ヒカル! あそこが港だ!」


「車を停めろ!」


 俺の指示でトラックは道に停まった。そして俺が地面に飛び降りて言う。


「少し遅れて来い。全ての船をやる」


「了解」


 そして俺は猛スピードで港方面に走っていくのだった。そこにいた船は四隻、丁度一つの船の甲板から飛行機が飛び立とうとしていた。


「魔気、冥王斬!」


 俺の剣技は、そのひらべったい船の先端から船尾に向かって走る。すると上と下がずれ始め、船は隣の船を巻き込みながら沈んでいった。


「あと二隻」


 俺は沈みかけの船に飛び移り、持ち上がっている先端に向けて走る。そこから思いっきり垂直に上空に飛んだ。百メートルほど上空に浮かぶと、港にどうやって船がとまっているのかがよく見えた。


「魔気、剛龍爆雷斬」


 俺の剣先から火の玉が落ちて行き、船がとまっている場所の中心に落ちた。そこから大きく爆発が広がって、周りの船がひしゃげていく。俺が港に降り立つと、沈む船に驚いた兵士らが右往左往していた。


「飛空円斬」


 見える限りの兵士の体は真っ二つとなり、周囲が静かになった。そこに仲間達のトラックが到着するのだった。

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