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なろうラジオ大賞4

異世界恋愛で夏祭りとか普通だよね?

「え? なにこれ?」


 私が書いた小説を読んだ友人は怪訝そうに眉を寄せる。


「え? って、今はやりの異世界恋愛だけど?」

「いや……それは最初に聞いたよ。

 でもさぁ、なんで夏祭りなの?」

「……え?」


 友人曰く、異世界なのに夏祭りはおかしいとのこと。


 でも――


「異世界なんだから、何があっても別にいいでしょ?」

「いや……でもさ。

 なんかヨーロッパみたいな雰囲気じゃない?

 説明もなく唐突に夏祭りが始まったりしたら、

 おかしいって思うのが普通じゃない?」


 彼女の言う通りかもしれない。


 でも設定は作者が好きに決めてもいいじゃん?


「設定なんて自由に決めていいでしょ。

 そもそも魔法とかの方が不自然じゃない?

 ヨーロッパには魔法なんてないでしょ?」

「うん? でも魔女とかいるよね?」


 実在する魔女と、異世界の魔女は別物。

 比較すること自体が間違っているのだ。


「現実の魔女と、ファンタジーの魔女は違うよ」

「ふぅん……」


 腑に落ちない感じで私の話を聞く友人。

 どうも納得がいかないようだ。


 まぁ、別に納得してくれなくてもいい。


 これが私の書きたかった世界なんだから。

 私の作品を読んで誰が何を思っても自由なのと同じで、私が何を書いても自由なのだ。


「まぁ……いいけどさ。

 でもやっぱり変なところがあるんだよね」

「変なところ?」

「どうして綿あめの原材料が岩なの?」


 やれやれ。

 また説明が必要か。


「これは砂糖味の岩なの。

 岩塩の砂糖版だと思って」

「砂糖って鉱物とは違うと思うよ」

「それは現実世界のことでしょ?

 私の世界では違うの」

「はぁ……」


 呆れたようにため息をつく友人。


「なんでもありだね」

「そう、なんでもありなんだよ。

 それが異世界」

「そっか……そう言うものなんだね」


 ようやく理解してくれたらしい。


「それで、面白かった?」

「いや、全然」

「なんで?」

「だってさぁ……これ。

 婚約破棄されないじゃん」


 そう言って残念そうな表情を浮かべる友人。


「……は?」

「異世界恋愛って言ったら、ざまぁじゃん。

 なんで王太子と一緒にラブラブ夏祭り楽しんでるの?

 普通、悪役令嬢が主人公で、婚約破棄されて、

 ざまぁするのが異世界恋愛でしょ?

 おかしくない?」


 おかしくない。

 声高らかに訴えたい。


 異世界恋愛にざまぁも婚約破棄もいらない。

 愛に満ちたラブラブの恋愛こそ必要なのだ。


 少なくとも、私にとってはね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 異世界で夏祭り、私は違和感を抱きませんし、風情があっていいなぁと思いました。 異世界恋愛、最近はよく読むようにしていますが、やはり「婚約破棄」「ざまぁ」は強いですね。 徹頭徹尾ラブラブな作…
[一言]  ヨーロッパで夏祭りアルヨ。 フェスティバルもカーニバルもアルヨ。 盆踊りはナイヨ。  別に口からお砂糖噴くようなラブラブでもいいじゃないですかー! むしろ嫌な展開一切無しで善人しか出てこ…
[一言]  砂糖岩自作で出してるけどうけいれ難いのか(-_-;)  というか「夏至祭り」的なものならどこの国にでもあるのでは?と思ったけどそもそも異世界なんで矛盾&破綻していない限りはなんでもありです…
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