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ご覧いただきありがとうございます。
本日4回目の投稿になります。
こちらから入られた方は、21話からご覧いただけると嬉しいです。
これで、女関係はクリアした。次は、親ね…!と、気合を入れていたのに、義両親の説得は驚くほどあっけなかった。
というのも。
「あぁ?俺は別に反対なんかしてねーぞ」
結婚の挨拶のために伯爵に時間を取ってもらった私たちに、伯爵はすげなく言う。私はその言葉に、そんなはずないと言い募る。
「でも、最初にお会いした時に…!」
「あれは、そのままの意味だ」
「こんなことで傷つくなら、さっさと離れろ…?」
「この程度の妨害でダメになるようなら結局、貴賤の結婚などうまくいく筈もないだろ。お前を守ることも出来ず、お互いに不幸になるだけだ。ま、結局貴賤じゃなくなったけどな」
なにそれ。じゃぁ、もともと私が平民だからと結婚を反対する気はなかったの?
伯爵のぞんざいな言葉にあんぐりと口を開ける私にアルフレッドが苦笑する。
「ジークは、近くしくなればなるほど態度がぞんざいになるんですよ。なので、リビィに対するあの態度は、どちらかというと、身内に対する態度ですね」
「嫁に来ればどうせ義娘になるんだろうが」
……何それ、分かりにくい!
こうして、婚約を一足飛びにして、晴れてアルフレッドとの結婚が許可された。
私たちの結婚式は、フローレンス様の出産と子育ての状況を考えて、一年後とした。それまでを婚約期間として過ごしている。住まいは、このまま伯爵家での居候を許された。
そして今日は、ついに結婚式の日だ。
この日のために、とアルフレッドが張り切ってウエディングドレスを用意してくれた。引きずるほど長い裾はミシェルが持って歩いてくれることになっている。結局、王宮の聖堂は断り切れなかった。フレイヤ様がどうしても見たいと言ってくれたので、警護の関係でも、王宮内の聖堂は都合がよかったのだ。彼女は次期隣国王妃。今ではもう、気軽に外を出歩くことは出来ない。私の授業もなんと王宮で行っている。
それでも、その他の招待客は身内だけ、と断固として言い張った。
フローレンス様は男の子をご出産されたので、正式に跡取りの権利がその子に移ったのだ。結果、オーエンス伯爵家の親戚の興味は分かりやすくその子に向かった。だから、アルフレッドの結婚式に呼ばれないからと言って、とやかく言う人たちはいなかったのだ。広い大聖堂に似つかわしくない、実にこじんまりとした式になったが、私は満足だ。
アルフレッドとの結婚後は、ルーシーが侍女についてくれることになった。昨日その話を聞いてから私はルーシーに言いたいことがあったのだ。ルーシーは今日も花嫁支度をするために来てくれている。ドレスはさすがに人手がいるので、たくさんの手伝いの人達に着せてもらい、髪をセットして、化粧をする段階になって、二人きりになった時に、ルーシーにっこりと笑いかける。
「ルーシー、聞いたわ。これから私の侍女としてついてくれるんですってね!よろしくね。あのね、私、ずっとルーシーは侍女が向いてるって思ってたのよ!」
私の言葉を聞いたルーシーは、口元にそっと手を当て残念な子を見る目でこちらを見る。
「オリビア様、失礼ですが、天然が過ぎませんか?」
「え…」
「私はオーエンス伯爵家の執事と家政婦の娘です」
「え……!」
何それ!聞いてない!
絶句する私に、さらにルーシーは続ける。
「全て、アルフレッド様の差配どおりです。全てが偶然なわけ無いですよね?ちなみに、職業紹介所の受付嬢も仕込みですよ」
「うそ…!」
「妹です」
衝撃の真実に立ち直れないほど、びっくりする。
しかし、流石はルーシー。手を止めずに私の顔に化粧を施している。
沈黙が流れる部屋に、花婿の装いをしたアルフレッドがやってきた。
「リビィ、用意は出来ましたか?」
「ちょっと!アルフレッド、どういうことか説明しなさいよ…!」
「えぇぇ?」
「どこまでがあんたの仕組んだことなのよー!」
立ち上がり憤る私に、アルフレッドは驚いた顔をする。
部屋の賑やかさにざわざわと招待客たちが控室に様子を見に来た。部屋に喧騒と笑顔が溢れる。教会の鐘が祝福するかのようにカラン…と高い音を響かせていた。
式の時間まであと少し。
いつだって、知らないうちに私は旦那様の手の上でコロコロと踊らされている。
それは、これからもきっと変わらない。
そう、これが私―――オリビアの日常なのである。
気軽に続編を書き始めたら、なんだかものすごく長くなってしまいました。
完結までお付き合いいただきました皆さま、ありがとうございました。
番外編にてアルフレッド視点も書きたいような気もしていますが、今はちょっと燃え尽きておりますので、しばらくお時間いただくと思います。
また、投稿しましたらお付き合いいただけますと嬉しいです。




