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トラベラーズ~時の流れは少年と共に~  作者: マッキーryo
七つの大罪 応仁の強盗乱
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第六話 悪魔

ダンベルなんたらっていうやつ知ってますか?

あれの気筋トレめっちゃやったら頭痛くなりました。


ではどうぞ。

「春さん、確認するけど、アレが此隅山城だよね?」


「さっきも言ったけど、少なくともあの位置にあるってことは此隅山城なんだろうね。」


 すると俺の通信機に反応があった。


「なに?」


「その城、内部構造が迷宮とまでは行かないまでも複雑化している。僕が『最適解』でナビゲートする。」


『最適解』とは、数ある「可能性」の未来の中から最適なものを無意識のうちに「解」として導き出すという凛斗の能力だ。


「了解。」


「あと、もう一つ。あまりコソコソ行動しなくてもいいよ。城を守るものは何もないからね。」


「了解。」


「ねぇ、凛斗。作戦はどうするのよ?」


 俺には凛斗の動揺が見て取れる。


「さ、作戦は・・・」


 皆が期待して凛斗の言葉に耳を傾ける。


「突撃あるのみ!!!」


「「「えっ!?」」」


「だっていらないから!ただの迷路なんだよ!もうちょっと構造が襲撃対策よりのものだったら挟みうちとかできたけど、これはムリ!ゴールまでの道が一本しか無いし構造が複雑すぎる迷路なんだ!」


 あー。なるほど。それは無理なわけだ。


「わかったよぉ。じゃあ、方向のナビゲートは任せた!」


 そして、禍・此隅山城に突撃したのだった。

 城内は基本ダッシュだ。


「凛斗!」


 麗蘭が叫んだ。


「なんだ?」


「エネミーっているの?」


「数は多いが一体一体は弱い!」


「わかったわ!予想接敵時間をカウントダウン形式で教えてちょうだい!」


 麗蘭は手をかざす。


「了解!あと30秒!」


 時間は刻一刻と進む。


「物量を過信するのは・・・」


 そして10秒前。


「愚か者がすること・・・だーッ!!」


 刹那、その叫びとともにかざされた手から電撃が迸る。


「うぉあ。すっごいなぁ・・・」


「アカデミー時代の100倍の電気を扱えるようになったからこのぐらいお茶の子さいさいよ!」


 桜春が


「この城ごと焼いてみたら?」


 と提案した。


「山全体が禿げるわよ!」


 とすかさず麗蘭がツッコんだ。だが、すぐあることに気がついた。


「ヤバ・・・連続発射できない!」


「「え。」」


「次!接敵まで30秒!」


 凛斗の報告は容赦ない。


「あと20秒!」


「時間がない!」


 桜春は護符入れからサラサラっと10枚取り出して5枚前へ飛ばし残りの5枚は手に持ちブツブツとつぶやき始めた。


「ナウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ・・・配置(set)起動(start up)!」


 手の内の護符が電気を帯び光りだすとそのまま前へシュッと飛ばした。すでに投げ飛ばした5枚の護符を起点にさらに電気は強くなり、たちまち目の前のエネミーを焼き尽くした。


「す、すご・・・」


「これが当代陰陽頭の力なのね・・・」


「あえて帝釈天を選択したのだけど。粋な計らいをしたつもり。」


 これは考えられているな、と感心した。


「感心している場合じゃない!もうすぐたどり着くぞ、中心に!」


 凛斗の叫びにビクッとした俺はレジストソードを構えた。


「あと5、4、3、2、1、0!」


 俺たちは全身を停止する。3人でお互いに背中を張り合わせて防御陣形をとった。


「気味悪いな・・・。変に禍々しい・・・ってのは外見もそうだったけど。」


「麗蘭!周りに生命反応が無いか、生体電気を感知して。」


「了解!」


 麗蘭は人差し指を上げ、生体電気を探った。


「数は・・・かなり微弱だけど一つある!奏多の目の前にね!」


「マジ?」


 俺は注意深く見た。すると確かに、不自然な影がある。暗すぎて見えなかったが。


「どうする?助けに行きたいけど・・・」


 凛斗に意見を聞いた。


「能力を発動させたままなら大丈夫だろう。」


「了解。」


 目を閉じる。俺の能力は瞬間予測。2秒以内の確定した未来が視える。絶対に当たる直感という表現が妥当だ。


「よし。じゃあ、行くよ。」


 ゆっくり近づく。まだ何も視えていない。そして・・・


「大丈夫ですか?生きています?」


「ああ、辛うじてだが、生きておる。」


 なんとか細い声か。


「私は宗全だ。正気でこの城に入れたのか?」


 どういう意味だろうか。


「ええ。多分・・・」


 ポケットから厄除けの護符を取り出した。


「これのおかげなんじゃないかと。」


 すると宗全は納得したように俺を見た。


「春がついておるか。なら納得だな。」


 すると一息ついて再び俺を見た。


「私が死ねば、この城を怪変させた元凶が解放される。そいつを倒せ。さすればこの疫病のような呪いも消えよう・・・。」


 と、言い残して息をひきとった。すると、突然()()()のだ。


「マズイ!麗蘭、春さんそこから離れて!」


 2人の動きは迅速だった。


「人影、なの?」


「アア・・・。ヤットイキタエヨッタ、ナァ。」


 あまりにも耳障りな声だった。いや、声と表現してはいけないのかもしれない。()()だ。


「だれ!」


「ワレノナハ、アバリティア・シェールス。ゴウヨクノアクマ。マモンヲヤドスモノナリ・・・。」


 すると天井を見上げ手を広げた。


「ワレラガアルジ、『原罪』ヨ。ワレトトモニ・・・。」


 力を増幅するつもりだ、というのは誰の目にも明白だった。


「一瞬でカタをつけるよ!」


「わかったわ!」


「ああ!」


 こうして闘いは始まったのだ。


「ニンゲンゴトキ・・・」


「舐めるなよ!」


 振り下ろされる凶器のような手刀を直感でかわす。


「からのカウンター!」


「ナン、ダト・・・ナゼダ、ナゼイウコトヲキカン・・・ワガカラダ!」


 俺の一撃で動きがかなり鈍くなった。


「どうやら元々弱ってたらしい、な!」


 もう一発決定打を与えた。だが流石は悪魔。これでは倒れない。


「春さん!雷もう一回!」


「わかった!」


「宿れ、雷!」


「ナウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ・・・配置(set)!」


 2人の特大雷が発射されようとしている。


「ヤバイ退避しなきゃ・・・」


 これは逃げなければならない。多分死ぬ。


「ファイア!」


起動(start up)!」


「ギャァァァァァァ・・・」


 流石に特大雷はかわせずくらっていた。


「奏多、今!」


「トドメを!」


「行くぞッ!」


 真正面に飛び込み、剣でブスッと胸を貫いた。


「ア、アアアアァァァ・・・」


 どうやら魂みたいなものが抜けていっているようだ。


「人間の抜け殻を拝借したのが仇になったな。」


 そしてその身体すらも消えてしまった。



金欠ゥ・ナウ


財政難Gダムに乗ってます。財政難は良くないんですよ!


次回、応仁の強盗乱。最終回。


ちなみに、いくつか外伝をご用意させて頂いております。友人がいっぱい作ってくれてるので5種類程あります。乞うご期待!

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