第一話 始まりの刻
どうもみなさんこんにちは。コロナ自粛で綴りが進むマッキーりょうです。
本編は突然怪しいシーンもありますが、まぁスルーで。
ではどうぞ!
2203年。たった一人の科学者が時間を超える門『タイムゲート』を開いた。それから約10年最早時間旅行は観光の一つなった。しかし、それは同時に時間旅行を悪用し起こされる犯罪、時間犯罪が起こるきっかけにもなった。各国が時間旅行に関する法律を定めると共に国連はタイムゲート開門と同時に、全世界に突如として出現した異能力を持つセカンドチャイルド、『トラベラー』たちからなる組織..時間治安維持組織『トレベラーズ』の発足を宣言。彼らの働きにより徐々に時間犯罪はその数を減らしていった。
これはそのトラベラーズに属する一人の少年が世界のあり方を問う物語。
時に2302年。今年でトラベラーズ入隊2年目及び17歳を迎える黒髪の少年、トラベラーズ武尊極東基地所属の俺、時真 奏多は今日も模擬戦に励んでいた。
「よし。シミュレート終了っと・・・」
2年目だが俺の検挙力はかなり高い方でチーム単位でのエース勲章を受勲したことがある。警察組織なのに階級は軍基準だ。ちなみに俺の階級は受勲特進で准尉だ。
「そろそろシミュレーションも緩くなってきたな。」
「じゃあ、私と模擬戦する?」
と、誘ってきたのは同期のチームメイト、勒莉 麗蘭だ。金髪のポニーテール。
「じゃ、付き合ってくれる?」
「いいよ、って言いたいところなんだけど、司令が招集だって。」
久方ぶりに模擬戦できるかなと思ったが、麗蘭が自ら模擬戦しようと言ったことなんてあったかと記憶を掘り起こすがそんなものは出てこなかった。
「あの筋肉司令官、今度はどんな厄介ごとをくれるんだ?」
「まぁ、久しぶりだからいいじゃない。私はちょっと楽しみだわ。」
呑気な感じなのが麗蘭だ。
「まったく・・・」
俺たちはクソ長い廊下を歩いて10分歩いてようやく司令室たどり着く。
「時真奏多、はいります!」
「勒莉麗蘭、はいります!」
司令室は船の艦橋のような感じになっている。かなり広い。
「お、来たな。時真君、勒莉君。」
神本 親佐少将。武尊極東基地部隊隊長で、能力についてはなぜか秘匿されている。トラベラーズ最強の1人とも言われている。筋肉質の巨漢という表現が正しいと思う。
「奏多、麗蘭、突然呼び出して悪いな。」
こちらは日々名 凛斗少尉で、俺たちのチームリーダーだ。俺たちの一つ年上だ。上ぶちがない眼鏡がトレードマークでザ・理系と言わんばかりの知的な容姿をしている。
「神本司令。もしかして事件ですか?」
すると親佐はなぜか困ったような顔をした。
「事件・・・なのか?これは。」
凛斗もその疑問に同感していた。
「これは少し違うような気もします。」
親佐はホログラムパネルを操作し始めた。
「これを見てくれ。」
ホロスクリーンに映し出されたのは、少なくとも江戸時代以前の日本の街だった。
「1467年の京都の姿だ。室町時代だな。」
すると、麗蘭があることに気づく。
「1467年と言ったら、応仁の乱が起こった年じゃないですか。」
俺はその辺の知識には非常に疎いので黙っておく。
「その通り。だから、おかしいんだよ。京都が荒れていないのがね。」
「だから事件かどうかわからないんですね。」
「そういうこと。でもこんなもの放置してたらもちろんまずい。奏多君も麗蘭君も、わかるだろう?」
流石にそれはわかる。歴史が変わっているのだから。だがここでひとつ疑問が浮かぶ。
「凛斗。なんで俺たちの記憶が変わっていないんだ?」
「当然の疑問だな。今のところは推測だけだが、過去が変わって未来に影響が出るのは時間差があるんじゃないかと。」
理論が不明なのは仕方のないことだと思う。初の事例だから。
「諸君らにはその調査と歴史修正に行ってもらいたい。」
長期任務は嫌いだが、命令である限り行かなければならない。
「時真奏多、命令了解しました。」
「勒莉麗蘭も了解しました。」
「うむ。状況の判断と、歴史修正。結構な大役だから頑張って取り組みたまえ。」
俺、麗蘭、そして凛斗もビシッと敬礼した。
「奏多、麗蘭。装備のチェックと『アルカディア』の船体メンテナンスを済ませておいてくれ。僕も後から行く。その上で2日後には出発するから、そのつもりで。」
その言葉だけ聞いて俺と麗蘭はアルカディアのもとへ向かった。さっきからアルカディアってなんだよって思ってる人のために説明すると、タイムトラベルするための乗り物でトラベルシャトルという船の固有船名だ。
「奏多、もしかしてアレ、着なくちゃならないかな・・・。」
「アレか・・・。動作チェックだけしとけばいいんじゃない・・・かな?」
アレとはなんなのか。それは後ほど麗蘭本人に語ってもらうとして、俺は一つここで提案した。
「あのさ、麗蘭が装備品のチェックしている間は船の整備しとこうか?」
すると麗蘭の顔がちょっと緩んだ。
「アリガト。」
そういうと麗蘭は装備を取りに自室に行った。
「もうちょっとどうにかならなかったのかなぁ。アレ。」
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私は勒莉麗蘭です。多分さっき奏多が私がアレってなんなのか説明してくれると言ったのかしら?だから説明するわ。
それはズバリ、身体能力向上機関、サポートウェア『スターク』だ。
『スターク』とは空気などが一切入らないラバースーツのイメージ。簡単に言えば身体能力を底上げするシステム。
私はスーツの腹の部分で二つに分かれていてそこで限りなく細い接続リング兼気密システムをがっちり接続して、スイッチを入れる。ちなみに下着は来てはいけない。整体電気を拾うためだ。
「よしっと。接続完了。スイッチオン。・・・んっ!」
スーツが身体のいたるところに張り付く。少し、主に二箇所が反応して少しビクッとなる。
「んっ・・・やっぱ慣れないな。この上からなら下着を着ていいって言われるけど、そりゃつけるわよ。私も絶対つけるわ。まぁ、私は電磁操作能力だからそこの感覚を麻痺させるんだけど。」
初めての子はやっぱり・・・ちょっとやばいらしい。
「よし。各所気密はオッケーかな。身体能力の補助もよしっと。」
そのまま、気密機能をオフにした。
「ふぅ・・・。感覚は大丈夫とはいえ、ちょっとした羞恥プレイよねこれ。」
そう言いながら奏多のことが頭に浮かぶ。
「奏多ずるいわよね。これ着なくてもいいとか。」
そのまま、もう一つの装備のチェックも入った。その名も万能型作戦行動装備『パンコスミア』。
様々な形状の服に見せることができる万能型衣装。テクウェアといえばわかりやすい。トラベラーズではこのパンコスミアが現地での一般活動服となる。形状投影を行なっていない場合は防御装甲としても使える代物。こちらは起動していなくてもデザイン性に優れており結構かっこいい。しかもエース勲章をもらっていると自分だけのデザインのものを獲得できる。これに憧れて努力する隊員も多い。奏多は灰色、麗蘭は稲妻の柄が入ったもの、凛斗は青色だ。
「これはすっごいデザインいいわよね。なかなかセンスあると思うわ。」
システムチェックを済ませたら元あった場所へしまっておく。これで装備品は大丈夫。
「全部オッケー。じゃ、奏多とバトンタッチしますか。」
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そのころー
俺は艦内のシステムチェックを整備班の隊員達と準備を行う。
「全航行システムに異常見当たらずっと。」
タッチパネルを操作するという動作も、もうこの時代にはほとんどないのだが、船の計器はまだこうしている。なぜかと言うともちろん新しいものより古いものの方が安全でわかりやすいからだ。
「船内環境維持システムも異常なし。よーし、俺の管轄はこれで終わりだな。火器管制システムは麗蘭の管轄だしね。」
ひと息つこうかと考えた矢先にひとつの声がそれを妨げる。
「奏多、交代よ。」
麗蘭が装備の整備を終わらせたようだ。
「じゃ、火器管制システムのメンテ任せた。」
そう言い残して俺はアルカディアを後にした。
ちなみに俺はスタークを着ない。というか必要ない。受けられる恩恵が少ないからだ。
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2日経つのは早い。人生初めての長期任務に入る。
「奏多、発進準備。」
凛斗が号令を入れた。
「了解。グラビティジェネレーター起動。」
すると船体は浮かび始める。ちなみに推進力の類は一切使っていないのでGジェネレーターの駆動音しかなっておらずかなり静かだ。
「トゥルーエンジン起動。スロットル50%。」
すると、アルカディアはゆっくりと前に進み始める。
「設定。西暦1467年。座標京都。」
すると今度は別の稼働音がした。タイムトラベルするために必要なトラベルジェネレーターの稼働音だ。
「ゲートキー、起動。タイムゲート、オープン。」
タイムトラベルはタイムホールを通って行われる。そのホールの門を開けるのに必要になるのがゲートキーだ。
「タイムトラベル準備完了。」
「ああ。じゃあ、発進!」
俺はスロットルを全開にしてタイムホールに突入した。
1〜2週間に一回、土曜日の朝7時ぴったりに投稿する予定です。あ、でも自粛中なんでもうちょい早く行けるかもです。これからもよろしくお願いします!