漫才「異世界転生」
二人 「はいどうも〜」
ツッコミ 「どうも『グループ名』です」
ボケ 「お願いします〜」
ツッコミ 「ちょっと突然なんだけれど、異世界転生してみたいなあって」
ボケ 「異世界転生? なんだそれ」
ツッコミ 「知らないの? 今流行の異世界転生」
ボケ 「知らんよ」
ツッコミ 「マジで!? 今ありとあらゆる創作物が、異世界転生物で溢れかえってるのに」
ボケ 「そうなんだ。ところでその異世界転生ってどういうものなの?」
ツッコミ 「まあ、異世界転生ってのは、死んだ後に神様とかによって地球とは違う世界に飛ばされて、そこで魔王を倒したりして、英雄になるって話だよ」
ボケ 「は? 魔王を倒す? 無理だろ。ただでさえこんな安全な日本で死んでるのに、魔王がいる世界で生き残れる訳ないだろう」
ツッコミ 「そうなんだけど……そのための救済措置としてなんかチートみたいなのがもらえるんだよ」
ボケ 「都合いいな! まあいいや。 じゃあやってみようか」
ツッコミ 「こ、ここはどこなんだ?」
ボケ 「本当だよ。ここはどこだよ」
ツッコミ 「お前誰だよ!」
ボケ 「一緒に転生しようや」
ツッコミ 「……転生させる側がいないだろ」
ボケ 「そうか!」
ツッコミ 「こ、ここはどこなんだ?」
ボケ 「さあ、君はどう思う?」
ツッコミ 「分からない……僕は死んでしまったのか?」
ボケ 「さあ、君はどう思う?」
ツッコミ 「……貴方は誰なんだ?」
ボケ 「さあ、君はどう思……」
ツッコミ 「分かる訳ないだろ!」
ボケ 「えっっ?」
ツッコミ 「気が付いたら訳分かんない空間に居て、訳分かんない存在に話しかけられてんのに、俺に何が分かるんだよ!」
ボケ 「流行なんだから分かるでしょ」
ツッコミ 「……なんも分からない設定で!」
ボケ 「なんも分かんないの?」
ツッコミ 「鈍感難聴系主人公で!」
ボケ 「……それは違うような」
ツッコミ 「い、いいんだよ! ーーこ、ここはどこなんだ?」
ボケ 「ここは、君たちの世界と天界の狭間の空間。残念ながら君は死んでしまったよ」
ツッコミ 「……そうなんですか。僕はもう日本に戻ることが出来ないんですね?」
ボケ 「……無理だな。でも、君には他の世界に行ってもらう」
ツッコミ 「他の世界? どんな世界なんですか?」
ボケ 「その世界は、地球より暑い。そして、地球からも多くの人が転生している。でも、転生した人々は、苦しんでいる」
ツッコミ 「人間が迫害されている世界ってことか?」
ボケ 「……その世界で、君には閻魔大魔王を倒してもらう」
ツッコミ 「地獄じゃねえか! そりゃあ地球からも多く行ってるし、皆んな苦しんでるわ!」
ボケ 「君にはチート能力として……」
ツッコミ 「待て待て待て。地獄は異世界じゃないだろう。ただの死後の世界じゃん。ーー剣と魔法の世界。これで頼む」
ボケ 「ああ分かった」
ツッコミ 「こ、ここはどこなんだ?」
ボケ 「ここは、世界の狭間。残念ながら君は死んでしまったよ」
ツッコミ 「……そうなんですか。僕はどうすれば良いのでしょうか?」
ボケ 「君には地球とは異なる世界に行ってもらう。その世界は、剣と魔法が使われている。君には、この世界の魔王を倒して貰いたい」
ツッコミ 「魔王を!?」
ボケ 「そうだ。その為に君には特別な力を与えよう」
ツッコミ 「特別な力? それはどんな物なんですか?」
ボケ 「それは、君が転生したら分かるだろう。楽しみにしておくと良い」
ツッコミ 「ありがとうございます。必ず魔王を倒してきます」
ボケ 「期待している。これまでの記憶は無くなってしまうが、頑張ってくれたまえ」
ツッコミ 「記憶なくすな!! ーーもうええわ」
ボケ 「どうもありがとうございました」