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誰よりも才能がある彼は、それでも屍を謳歌する  作者: 赤茄子 秋
江戸川区編
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5話 江戸川区最精鋭部隊

突然行われた招集、非常事態なのは誰もが察してた。


まさか江戸川区史上最悪の騒動が始まるとは私も思わなかった、それが起こってしまった原因は誰にあるかと問われたら間違いなく私なのだろうが。私が結果としてこの区の戦力を大きく希薄させたのだ、そうでなければ50人の死人は出ていなかっただろう。


そしてこの徒党を組んだであろう吸血鬼達、彼等は恐らく昨日来たのだ。でなければ私のセンサーに引っかからずにいるはずが無い、それまで居てもレートはD程度の吸血鬼しか居なかったのだから間違いないだろう。Cレート以上の吸血鬼の気配は何も感じなかったのだから。


そしてまた今日も50人、死ぬかもしれないのだ。はっきり言うが、私には人の命は目の前で無くなれば不快に感じるが、赤の他人がどうこうなっても何とも思わない……というより思えない。感情移入出来ないのだ、私は私の事に精一杯に生きているのだから、他を気にする余裕は無いのだ。


「……貴方が一緒とはね」

「私は心強いですね、Cレートの吸血鬼が現れたらお任せできて助かります」

「この区の精鋭を集めて欲しいと要望したのに、異物混入ですか」

「先週はグールと吸血鬼を1匹ずつ倒せました、自己防衛程度は問題ありません」

「その吸血鬼のレートは?」

「Eです」

「だから貴方は8等なんですよ」


だが、江戸川区で起こった事件である以上巻き込まれないでいるのは不可能である。


川村の班に私は振り当てられた。先日あった見習いの子を含めて新米が2人ほどいるが、他は見知った顔である。全員が最低でも6等、3等もいるとは江戸川区では強者が集められているようだ。


どうやらもう一つの班に人数を多めにしているようだ、それで総力的には均等にしているようだ。


そして私達を南部に、東西北部を他の隊が担当している。敵の力が未知数であるからこそ、できるだけ精鋭を集めたのだろう。


だが所詮は江戸川区の精鋭、気孔法をマトモに扱えるのは三等の川村と5等の新人である相川だけだ。見習いの子、海寄もできる気配はあるが、まだまだだ。6等は気孔法を扱えない代わりに剣術においては江戸川区最強と呼ばれる壮年の男、山崎とその部下の山寺、そして私の計6人。


Cレートは対応可能だろう、しかしBレートで壊滅、Aレートが現れたら終わりだ。


Bとまともにサシで戦えるのが川村だけなのだから仕方ないとも言える。


ちなみに、私の倒した最もレートの高い吸血鬼はDレートとなっている。


基本的にAレートは上等以上が対応し、Bは3等以上、Cは5等以上、Dは7等以上、Eは8等以上、最低のFは誰でも狩れると言われている。


このまま同じ班で組み、万が一でも私がそこそこ戦える鬼殺官なのがバレてしまえば私の未来設計に悪影響が出てしまう。


適当なタイミングで首謀者をこっそりと倒しておくべきだろう、敵のレート次第でもあるが。

見習い鬼殺官

パートナーとなる上官からの指導を受ける鬼殺官、ただ決まり事では無いので書面などの表記上は立派な鬼殺官である。

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