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87.「受容」、「今日」、「日々」
「受容」
誠実というよりは
自分に正直でありたかった
何度愛を告白されても
拒絶し続けた
もしも思い続けることで
恋が叶うのなら
自分もいつか
あの人に受け入れられるのだろうか
ーーー
「今日」
ともあれ、今日は生きている
明日も
あさっても
あさってになったら
また今日に戻るのさ
ーーー
「日々」
それはたった6年前の記憶
おれは12歳でお前は15歳だった
ふたりの仲をさえぎるものは何もなかった
あの春の日
孤児院の皆で教会へ行く道の途中で
咲いていた白い花を摘んでお前に渡した
微笑んだお前は
聖女のように清らかで美しかった
時間が止まればいいと願った
おそらくその後
ふたりはいろいろなものにさえぎられると
分かっていた




