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79.140字小説・その六(「ぼくの神様」、「無心」))
「ぼくの神様」
僕は珍しい男の人魚。姉妹達の中で窮屈な思いをして育った。人間になりたかった僕は魔術師の所へ行ってその薬をもらい陸へ上がった。魔女の薬のように声が出なくなったり足が痛んだりもしなかった。「あなたは僕の神様だ」。彼に感謝する。僕は代わりに狡猾な心を手に入れていた。人間界を面白くしよう。
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「無心」
密林を訪れた僕は夢中で写真を撮っていた。気づけば沢山のワニに囲まれていた。その時、叫び声と共にターザンが現れて僕を助けてくれた。彼は1万ドルを無心する。違法ターザンだ。クレジットカードを渡すふりをして彼に手錠をかけた。僕はプロのターザンで違法ターザンを取り締まる役目を負っていた。




