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ネイチュの詩(詩)・その1  作者: ネイチュ
73/101

73.「眠りなさい」、「夢の在り処」、「側にいて」

「眠りなさい」


 眠りなさい

 眠りなさい

 心を城壁で囲って

 眠りなさい

 眠りなさい

 茜色の騎士が来るまで


 ーーー


「夢の在り処」


 窓際のアイビーを見れば

 あなたを思い出す

 ふたりで暮らしていた頃より

 つるがかなり伸びてきた


 世界中を旅していろんな体験をしたいと

 瞳を輝かせて夢を語るから

 笑顔を作ってうなずいたのよ


 本当は心の中で叫んでいた

 行かないで 私をひとりにしないで

 あなたがいなければ生きていけない

 涙が緑の葉を濡らす


 近頃はメールの返事も来ない

 今どこで何をしているの 教えて


 インターフォンのベルが鳴るから

 涙を拭いてモニターを覗いた

 アイビーを抱える両手が映る

 もどかしくドアを開けた


 ーーー


「側にいて」


 引っ込み思案なきみがおしゃべりになったね

 ぼくは何度も相槌を打つ


 思いきって映画に誘ってよかった

 ラブストーリーは 

 少し恥ずかしかったけれど


 あんな恋をきみは望んでいるのかな

 あんなキスをきみは欲しがっていのかな


 ふいに晩秋の冷たい風が吹いたから

 手袋の代わりにコートのポケットを

 開いて見せたよ


 きみは黙って手を入れてきたね

 どんなラブストーリーよりもキュンとした


 突然キスをするのは勇気がいるけれど

 いつかするから 

 ずっとぼくの側にいて

 

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