表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネイチュの詩(詩)・その1  作者: ネイチュ
70/101

70.「上辺」、「雨におぼれるわけにはいかない」、「朔」

「上辺」


 彼女は何度も命を脅かされたが

 徹底的にあらがった

 鋼のように強い女なのだと思っていた

 その下にあった涙は

 弱いとされるもののためにあった

 弱かった彼女のために

 涙を流した者はいたのだろうか


 ーーー


「雨におぼれるわけにはいかない」


 雨はたちまち激しくなり、ふたりはびしょ濡れになった。

 あなたは失笑し、

「すごい雨だな。せっかくバルコニーからふたりで外を眺めていたのに。2階にあるここまで浸水しそうだ。雨におぼれるわけにはいかないから中へ戻ろう」

 と冗談を言って私の肩を強く抱いた。

 私の涙がまたあふれる。

 離れていた間に別の恋人がいたことをなぜ責めないの? 

 寂しさに耐えられなかった弱さがあなたを傷つけた。

 私にはあなたに抱かれる資格はない。

 別れを口に出そうとすると、あなたは私の唇を指でそっと押えた。


 ーーー


(さく)


 朔の夜に流す涙は

 星の砂と海を作る

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ