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ネイチュの詩(詩)・その1  作者: ネイチュ
63/101

63.「赤いハイヒール」、「生きる理由」、「眠り姫を愛す」

「赤いハイヒール」


 私がいつも履いてるのは赤いハイヒール

「今日は黒じゃないんだ」って誰のこと?

 カフェの席につくとあなたは嬉しそうに

 サッカーの話をするから

 窓の外の色づく木を見た


 出会って丁度一年だからプレゼントを

 持ってきたけれど

 あなたはひとしきり話したあとで

 伝票の金額を見た


 そのまま店の外に出たふたりは

 ハグすることもなく別れた

 さよなら 背中を向ける人

 私はこれからも赤いハイヒールを履く


 ーーー


「生きる理由」


 なぜ、生きるのかって

 真剣に考えすぎるのも

 疲れるんじゃないか?

 美味いものでも食って

 消化しちゃえばいいんじゃないの?


 なぜ、生きるのかって

 真剣に考えるなら

 生きたがっているからさ

 心と体に聞けばわかるだろう


 ーーー


「眠り姫を愛す」


 誰かにキスをされて眠りから覚めた

 寝ぼけまなこをこすって起きると

 側にあなたが立っていた

 頭に冠を載せた美しい王子さまは

 仏頂面して腕を組み首を振っている


 結婚式では右往左往

 まごまごして指輪を落とした

 王妃らしくしていろと言われたけれど

 退屈だったから床掃除していた


 あなたは呆れ返って

 ケーキでも焼けと言うけれど

 料理もお菓子づくりも大の苦手


 舞踏会のダンスでは

 あなたの足を踏んでばかり

 これ以上迷惑をかけられないから

 夜中に宮殿から逃げた


 元いた寝床で仰向けになり星をていると

 ひづめの音がこちらへ近づいてくる


 何度キスしても

 結果は同じと知っているでしょう


 でも あなたを待って

 そっと目を閉じたの



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