61.「目覚め」、「未来を信じよう」、「フィレンツェ」
「目覚め」
海を超えて侵略者たちが
おれたちの土地を奪おうと
やってくる
さあ 目覚めろ
今 立ち上がるとき
戦うときがきたのだ
穢されて すべてを奪われる前に
やつらを必ず殲滅させる
決して屈しはしない
この命をかけてまで守るべきものがある
やつらが名分にしている“愛”と“自由”なら
すでにここにあるのだ
水の一滴 砂のひと粒でさえ
やつらに渡しはしない
この土地に生きる者の誇りを
見せつけてやるんだ
その血で贖わせろ
恐れるな 顔を上げろ
今 立ち上がるとき
ーーー
「未来を信じよう」
未来を信じよう
明るい光が指すと
未来を信じよう
今は暗闇でも
思い出せば悲しい出来事ばかりになるから
過去を見ないことにしていたけれど
本当は素晴らしいこともあった
ルーブル美術館で不幸だったことなんてない
未来を信じよう
楽しいことが待っている
未来を信じよう
わくわくする気持ちを信じよう
ーーー
「フィレンツェ」
石造りの街に
教会の鐘が重なって鳴る
威厳を保つドゥオモ
広場に立ち続けるダビデ
ウフィッツィに並ぶ人たちは
ヴィーナスとの対面を
待ち焦がれる




