表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネイチュの詩(詩)・その1  作者: ネイチュ
58/101

58.「熱情」、「タバスコみたいな女の子」、「大切な人」

「熱情」


 あなたを愛しているけれど

 以前ほどじゃない

 まるで夢から冷めたみたい

 抱きしめるその腕でも感じるでしょう

 抜け殻のような冷たい体を

 熱情も激情も悲しみさえも薄れていった

 どんなにふたり思いあっても

 結ばれない関係に

 少し絶望しただけ

 ガラスのような唇に唇を重ねられて

 涙だけが頬を伝う


 ーーー


「タバスコみたいな女の子」


 アイスコーヒーにタバスコを入れる

 きみの飲み方に吹いたよ

 刺激的な女の子なんだって

 身構えたんだ


 きみは何もかも規格ハズレ

 バンジージャンプを何度も楽しんでは

 高所恐怖症のぼくの肩をもむ


 きみは何もかも規格ハズレ

 シュノーケリングでイルカを見つけとき

 一緒に泳いだらキスをされたよね


 今ではぼくもタバスコを持ち歩いている

 タバスコみたいに刺激的な

 きみのことが好きなんだよ


 Baby,I love you


 ーーー


「大切な人」


 初秋の散歩道は少し色づいた木々が

 さわさわと葉を鳴らすから

 センチメンタルな気持ちになる


 隣のあなたはカバンの中から

 りんごを一つ取り出して

 ボタンダウンのシャツの裾でこすったの

 わたしに手渡してから

 もう一つ 自分もかじる


 出会ってから三度目の秋になるけれど

 あなたと並んで食べるりんごの

 味がまだわからないでいるの


 あなたはふいに足を止めて

 木の下のリスを指す

 微笑みがまぶしくて顔が熱くなり

 小さな彼らを見つめた


 あなたといられる幸せ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ