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5.「恋してる!」
「ちょっと太ったんじゃない?」
それが最初の言葉
三年ぶりに会った十五の夏
あなたは四つ年上で町一番の秀才
都会から休暇で戻っただけ
仲間の冗談に肩を揺すって笑う顔が
ちっとも変わっていなくて
ずっとそばにいた気がしているけれど
誰か可愛い子を見つけていて
連れてくるよと言われたら
湖に潜って泣くつもり
なんて
勝手にふてくされて
後ずさろうとするけれど
腕をつかまれたの
やっぱり好き
恋が実るのは難しいから
妹扱いでも
そばにいられたらいいな
こころに留めておいて
嘘よ
恋人なんだと言って
誰より大切なんだって
世界中に叫んでみてよ
この手を
ずっと離さないでいて
きらめく季節を過ごして
愛だけを強く感じたい
いつか
白いドレスをまとって
うっとり見つめられて
優しいくちづけをかわすの
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(サジンに恋する少女。きれいな女の人とサジンを取りあい三角関係になりそう。恋する幼馴染でも結ばれるわけじゃないのが私の話なので、可能性は五分五分ですね)。