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ネイチュの詩(詩)・その1  作者: ネイチュ
36/101

36.「似た者同士」、「根無し草の夢」

「似た者同士」


 ねえ 山の陰から満月が顔を出したわ

 ねえ 聞いているの


 もっと優しく抱き寄せてよ

 私 壊れ物よ


 ああ あなたとめぐりあってからも

 寂しい思いは変わらなかった


 ひとりぼっちずつ 似た者同士


 恋してなんかいない


 勘違いしないで


 ただの暇つぶし


 ーーー


「根無し草の夢」


 歌手になりたいという夢を

 あきらめきれないと

 知っていたから

 おれから別れを切りだした


 裏切られたと思ったほうが

 未練が残らなくていい

 もともとおれは根無し草だから

 ひとところにとどまるのは苦手なのさ


 お前は夢を叶えてくれる

 男のところへ行き歌手になった


 お前の夢がおれの夢だから

 一度だけ大勢の観客の後ろから

 お前の歌う姿を見に行く


 もし気づいたとしても

 見なかったことにしてくれ

 もう涙を拭いてやることはできない

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