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ネイチュの詩(詩)・その1  作者: ネイチュ
35/101

35.「空飛ぶデート」、「大問題」

「空飛ぶデート」



 パリが近づき機内では

 『シートベルト着用』のランプがつく

 隣のきみは青ざめたままベルトを強く締めた

 機体は降下中

 初めて会ったけれど

 少し揺れると膝をつかんできた

「大丈夫だよ」と声をかけるぼくに

 うなずくきみは

 上昇志向の強いキャリアウーマン

 ライターのぼくと

 10時間もの空飛ぶデート


 税関を出るとスーツケースは

 Sの字型のベルトコンベアで流れてくる

 きみはやけに大きな荷物

 手をかけたまま振り回されている

 代わりに捕まえて降ろしたぼくに

 大げさなおじぎをしてきたね


 スタバに誘ってラテをはさみ

 名乗りあったんだ

 帰りは船にすると真顔のきみに吹いたよ

 きみさえよければ帰国の便を合せるから

 また膝をつかんでよ

 こころをつかまれたぼくを離さないで

 もう離さないで


 ーーー


「大問題」


 子供扱いされたくないやつと

 子供だから仕方がないと

 思っているやつとの間は

 天と地ほども離れているのさ


 と、ひとつ年下の14歳にもなる

 泣き虫の援護射撃をしながら思う

 自分の身一つ守ろうとする

 気持ちすらないなんて虫以下だ


 なんて考え方が

 もう子供なんだろうか


 いや違う

 これは大人になってからも

 大問題になるんだ

 むしろ大人になってからのほうが

 問題は重大になる


 そんな大人にはならない

 何があっても戦い続ける


 というと

 状況判断をして

 いち早く逃げ出すのが大人なんだと

 バカにされる


 状況判断?

 聞き返すとまた笑われた


 けむにまかれた気がする

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