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34.「恋してる」、「誇り」
「恋してる」
パソコンを開いて
真面目顔で授業を聞く
きみの横顔を見てると
吹き出しちゃいそう
こっそりとLINEした
“ぼーっと生きてんじゃねぇよ!”
ムッとしてこちらを見る
その顔が好き
恋してる
恋してる
先生はただの邪魔者
LINEを送り返した
きみが叱られちゃった
ごめんね
恋してる
恋してる
熱い視線を無視しないで
放課後の部活をサボって
校舎の裏で強く抱いて
ーーー
「誇り」
タワービルディングの
35階の窓から
暮れなずむ街を
ひとりでみていた
触れられそうな夕陽が
ビルの間に沈んだ
あの日
遠い高原で
ふたりそよかぜに吹かれて
いつか
鐘を鳴らす日を
同じ夢にしていた
たとえ
あなたのそばに
今は別のだれかがいても
ずっと
愛し続けると
自分に誓ったの
私の陽は暮れない




