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ネイチュの詩(詩)・その1  作者: ネイチュ
33/101

33.「高原の王様」、「ぼくは羊」

「高原の王様」


 夏の高原へ行き

 そこにある丘に登ったよ

 頂点にたどりついたら

 王様になった気がしたんだ

 咲き乱れるニッコウキスゲは

 黄色の臣下たち

 うつむいたコマクサは

 可憐なお姫さま


 掲げた白いソフトクリームが

 溶けだしあわてて舐めた

 チョウチョとトンボが笑っている

 やがてオレンジ色の陽が

 すすきの穂を輝かせはじめた

 山を下る車たちの

 テールランプは

「アイシテル」のサイン


 ーーー


「ぼくは羊」


 ある晴れた日の午後

 大きなバリカンを持ち

 おじさんはぼくを押さえつけて

 毛をかろうとした


 仲間たちは丸裸

 やけに小さくなっている

 ぼくは怖くなって

 柵の隙間から逃げた


 牧羊犬を振り切り

 バスに乗り込んだよ

 みんな驚いてる

 大人しくしてるのに


 地下鉄に乗り換えて

 知らない町を過ぎていく


 常識的なことは全部

 狼にやらせたらいい


 ああ

 狼にやらせたらいい


 全部

 狼にやらせたらいい


 

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