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ネイチュの詩(詩)・その1  作者: ネイチュ
29/101

29.「おやすみ、おはよう」

「おやすみ、おはよう」

   ーー

 あなたに友達がボヤくのを耳にした。

「LINE送っでも既読スルーかよ。マジでムカつくんだけど」

「悪い。けど、おれ、夜の10時には寝てるから」

「なんだよ、それ。じゃあ朝は何時に起きてんだ?」

「5時ちょうどに目覚ましセットしてる」

「早ええよ」

 友達に感謝しても、し足りない。

 陰でこっそり手を合わせた。

「お姉ちゃん、寝るの早くない?」

 夜、家で妹が聞く。

「生活変えたんだ。夜10時に寝て、朝は5時に起きることにした」

「なに、それ」

 妹は呆れてスマホを見ているけれど、ベッドに10時5分前に入り、朝のアラームは5時にセットした。

 あなたと同じ時間に眠り、同じ時間に起きる。

 いつか本当に顔を合わせて、「おやすみ」、「おはよう」と、言えるその日まで。

 

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