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14.「魔法をかけて」
庭の芝生を飛び回る
モンシロチョウにからかわれ
横座りになったまま
編みかけの毛糸をほどく
ああ
小さなカーディガンに苦戦中なの
ああ
小さな息子にはもう
小さいみたい
不器用なの
ケーキを焼いても
スポンジはいつもぺたんこ
魔法をかけて
プレゼントを
上手に作れるように
“完璧を求めるから失敗に思えるけど
最初からテキトーならうまく行ったと
思えるはず ”
ああ
そういうあなたが一番の被害者ね
ああ
こころのハードルはもう
下がりっぱなし
不器用なの
大事なことを
伝えたいのに眼をそらしちゃう
魔法をかけて
愛してると
たくさんキスをしたいから
不器用なの
あなたなしじゃ
生きられないとわかっている
魔法をかけて
幸せなの
ーーー
(エピローグをイメージしました)。




