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ネイチュの詩(詩)・その1  作者: ネイチュ
100/101

100.「金の花」、「時間」、「記念日」

「金の花」


 秋風が立ち長い黒髪が甘く香る

 あなたは遠く離れた彼を思う

 その愛が揺るぎないからこそ

 あなたを慕う自分を誇る


 庇護する幼児を抱き上げて

 優しい笑みを見せるひと


 いつかあなたの夢が叶い

 この荒れた世界が

 金の花で満たされますように


 ーーー


「時間」


 時間は硝煙の臭い

 生まれる前から

 生まれたくなかった記憶は

 当たっていた予感

 ぽとりと戦場に落ちた命は

 誰かに踏まれながら

 本能という

 残酷かつ強靭な運命に

 引きずられて

 逃げ回る

 焼け付く喉は

 息を小さくし

 煙でめしいた目は

 朝日を見失わせる

 爆音で破れた鼓膜は

 静寂を聞き分けられず

 鳥肌を立たせたまま

 触れてくる手に

 全力であらがう

 けれど

 濡れた頬を

 押しつけられてしまった

 逃げなくては


 ーーー


「記念日」


 抱き上げたあなたの小さな指が

 初めて夜空を指すから

 今日は私の記念日になる


 いま 流れ星が照れながら降った

 ほら 金の月も透き通って光る


 きらめく世界はあなたのもの

 自由に生きていいのよ


 その手でたくさんの喜びをつかんで

 あなただけの宇宙を作ってごらん

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