1ー5 「喜劇(?)の幕間」
まばゆい光が終わると、気づけば慎二は広い草原に立っていた。
「ん、ここは……?」
横を見ると、桜、健二、真琴の3人が倒れていた。
「みんな!?……っそうだ。僕は屋根裏部屋にあった赤い石に触れて、それから………ここに来た?」
「あれ!?あわわわわ!な、何ですかこれ!?」
桜がひょいっと立ち上がり、辺りを見渡した。
「っ!びっくりした〜。桜、起きたんだ。驚かさないでよ!」
「それは驚きますよ!さっきまで布団の中にいたんですから〜!!」
「……だよね。」
「……ぅるさいなー。もう少し寝させてくれよ……ってちょい待て!?」
健二が寝ぼけて立ち上がるも、周囲の景色を見て、一瞬で目を覚ました。
「あ、健二さん。おはようございます。」
桜が律儀に挨拶をする。
「おはよう……ってそれどころじゃないだろ!何だよこれ!?」
「みんなが寝ている時屋根裏部屋で物音がして、そこにあった変な石を見つけたらそれが光り出して……うん。僕もよく分からない。」
するとその時、
《やっと目覚めたか……。》
草原に1つ声が響き渡った。
「誰!?」
慎二達は周囲を見渡すも、それらしき人影は見当たらなかった。
《私はそこにはいない。別の場所から話している。》
「何だよそれ?」
《ちょっと待て。……とりあえず、まだそこで寝ている奴を起こせ。》
「寝てる奴?……あ。」
3人は同時に下を向く。そこには耳に響くほどの正体不明の声が響いてるのにも関わらず、幸せそうに眠る真琴の姿があった。
「ぐぅー………(お腹いっぱい…幸せ………)。」
「真琴。まじかよ……。」
「北野君、どうします?」
「お、起こしてあげよう。………起きて、真琴。」
慎二は真琴の肩を叩いた。すると、今まで起きていたかのように、元気に立ち上がった。
「おっはよ〜!!……あれ、どしたのみんな?」
みんなのおどおどした顔を見て不思議に思った真琴は、ふと辺りを見回す。すると、思いっきり目を見開き、今にも口が大きく開きそうになった時、咄嗟に健二が真琴の口を塞いだ。
「ん?んんん〜……っ!!」
「ごめんな、もうみんな待ってるから………!」
3人は、1名による1番大きなオーバーリアクションを止めた。