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夢道の世界  作者: ジニー
第2章 別れ道
37/48

2ー10 「ランク戦」

1か月後…………

第3分隊室には重たい空気が流れていた。

「今日から1週間、個人・分隊のランク戦が始まります。」

「「「「「……………」」」」」

ロマリアの言葉を受け、各々が真剣な表情を浮かべる。

「分隊戦は3日目です。個人戦も分隊戦も、それぞれのベストを尽くしなさい。」

「「「「「はいっ!!」」」」」

「………そう言ってもまあ、今期最初なのであまり気負いしないでくださいね?それとジャミル。」

「はい?」

「初日が試験ですよね?頑張ってください。」

「っ!はい!ありがとうございますっ!」

では解散っ、という合図で5人は外に出る。

そして、慎二と桜は、お互いの部屋に向かって歩き出す。

「個人戦はいつからですか?」

「10時からだから、あと1時間ちょっとだね。」

「早いですね!」

「そりゃあ最下位だからねー。」

「あ!なんかごめんなさい………。」

シュンっと縮こまった桜は、控えめに質問を続ける。

「あの……武器はどうするんです?」

「剣1本と、防具として左手に小型の盾を着けてこうと思ってる。」

「ところで、剣の練習はしたんですか?」

「あー……うん。一応朝練と授業でね。」

「え、訓練では………」

「1回も使ってない………。」

「な…………っ!?」

桜が驚愕の事実を知ると共に、2人は慎二の部屋に入った。

「だ、大丈夫なんですか………っ!?」

「分からない。でも、とりあえずやるしかないよ………!」

慎二は訓練用の剣と盾を手に取り、装備する。

「言うて、桜も使ってないでしょ?」

「まあ訓練では………そうですね………。」

「それじゃあ、訓練ルームに行って体を慣らしてくる。」

「あ、私も行きます!」

桜は慎二の後に慌てて続く。



訓練ルームに入ると、既に3人の先客がいた。

「おう、ジャミル、桜!」

「ガイア先輩にカリト先輩!?それに、アリア先輩も!?」

「今日から、一般の講習は無いからな。本戦に向けて腕を磨いていたところだ。」

「わ、私達も入れてください!」

桜の声に、アリアはつがえた矢を矢筒に戻す。

「別に、自由にやって良いのよ?誰にも止める権利は無いし。」

そして再び、弓を構えて練習を始めた。

「相変わらずだなぁ、アリアさんは………。……そうだ、ジャミル!俺が練習相手になってやんよっ!」

「え、良いんですか!?」

「ああ!ほら、どんと来い!」

「………っ!ありがとうございます!」

2人は互いに武器を構えて、打ち合いを始めた。

「ジャミル君、あまり疲れない程度にしてくださいよ〜!?」

心配そうに声をかける桜の隣にいるカリトは、彼女に話しかける。

「桜。」

「はい?」

「悪いが、俺と軽く手合わせしてくれないか?」

「え?カリトさんとですか!?」

「む、駄目だったか………?」

「いえ、そんなことは…………」

「いやいや。試験のみでSランクになった君の実力が知りたくてな。」

「カリトさん………。わ、分かりました!」

桜は頷いて剣を構えると、カリトも頷き、小型のナイフを数本、指に挟んで構えた。


(すごいやる気ね………!)

それを遠目で見ていたアリアにも火がついたのか、気を引き締め直した。




それから数分後、慎二は試験会場に来ていた。

「これより、650人によるD・E・Fのランク戦を行う。今回は、初の試みであるフラッグ形式だ。」

フラッグと言われ、慎二は何なのか分からず首を傾げた。

「まずはルールを説明する。これから20分後、校内のどこかに置いてあるフラッグを取り、ここに戻って来い。フラッグは全部で6種類あり、校内ランクの色と同じだ。色によって点数が違い、分布数も違う。ちなみに1番分布数の少ない虹色が最高得点で、無事ゲットした場合、即昇格だ。」

即昇格という言葉に、会場中が騒めき立つ。

「フラッグは持てる限り何本でも構わん!校内での武器の使用は特別に許可する!では、スタート位置につけ!」


試験者は複数の出口の前に立ち、スタートの合図を待つ。

「それでは始めます。時間は1時間!レディー………ゴーッ!!」

パァンっと、いう空砲の合図と共に、試験が開始された。



校内は、フラッグを求めて争う試験者で溢れかえる。

慎二は人混みに押されて、身動きが全く取れないでいた。

「ちょっと、全然動けないじゃん、これ!………そうだっ!」

慎二は人混みを何とか押し退けて窓際に行くと、窓を開けて外に出る。

「ふぅ。ここなら人もいないし良いね!………って、あれ?」

慎二はふと学校の外壁を見ると、至る所にフラッグが張り付いている。中には金、銀、銅の物も多数ある。

「ん、こんな所にも…………っ!?」

外の風でなびくフラッグ達を、慎二は1つ1つ掴んでいった。



試験終了5分前

試験会場には、多くの試験者で混雑している。その中には、手に多くのフラッグを持っている者や、1本も持っていない者もいた。

しかしある瞬間、全員が1人の生徒に釘付けになった。そう。それは、1つの大きな袋を担いでやって来た慎二である。

「お、おい………もしかして…………」

「あれ全部がフラッグなの………?」

慎二は息を切らしながら審査員の所に行き、大きな袋を下ろして、中身を出した。

その中には、多くの種類のフラッグ入っていた。もちろん虹色もである。

「あの、時間間に合ってますか………!?」

「ああ。3分前ギリギリな?」

「よしっ!やった〜………っ!」

慎二は多くのフラッグを手に入れられた事に喜んだのか、時間に間に合って安心したのか、ふぅーっと息を吐いた。



「それじゃ、これにて試験は終了だ。来週には結果を報告する。では解散!!」

終わりの合図で慎二が試験会場を出ると、桜が待っていた。

「お疲れ様です。北野君!」

「だから「北野君」は禁止。」

「あ、そうでした。ジャミル君!さっきは凄い人の数でしたね〜!」

「うん。久し振りに都心の駅のホームを思い出したよ………。」

「あはは……!確かに。」

慎二と桜はクスっと笑い合う。

「それじゃあ、昼ご飯にしよっか?どうせだったら、分隊のみんなも呼んで。」

「良いですねっ!なら、街に行って食材を買って、早速準備しましょう!」

「うん!」

慎二と桜は張り切って街へと買い出しに行った。

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