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人の宿題を写すと、何故か勘付く先生っているよね? ~βテスターの友人達~

お願いします。


少し眩しくて目が覚めた。


「朝か……。」


時計を見たら7時30分をさしていた。昨日は結構健康的に10時30分頃に布団に入ったので、9時間睡眠だな。


「今日も暑いな。さて、」


そう言って、体を伸ばした。


カチャ、スタスタ、トントントントン……トタン、スタスタ、キュッキュッ、シャー、シャカシャカシャカシャカ、シャー、パシャパシャ、フキフキ、キュッ、トタトタトタトタ、カチャ、

と、部屋から出て階段を下り、洗面室で顔を洗ったりしたあと、リビングに入ると、少し涼しかった。


「おはよう。って、誰も起きてないのか」


雨戸は開いているので、親は夫婦仲良く旅行に出かけたようだ。「結婚記念日を海外で過ごしたい」との母の提案で、夫婦水入らずで7日間のヨーロッパ旅行とのこと。去年、一昨年と僕と妹の受験があり、毎年の旅行を控えていたので、今回はその貯蓄があるので、贅沢に、とのこと。

妹はひそかに「ゲーム三昧の一週間だぁ~」と喜んでいた。


「もう出たのか。ん?」


机にメモが残っていた。

<それじゃ、行ってくるね。朝ごはんは昨日の残りが冷蔵庫の中にあります。瑠璃と茜にゲームはほどほどに、って行っておいてね。PS.子供は男の子と女の子、どっちがいいかな?  母より>


妹よ。ばれているぞ。そして、母よ。俺にどんな回答を求めている?


「……姉に妹2人。男の方が精神的にはいいかな。って、何 真面目に考えてんだよ。僕!」


自分に自分でつっこみを入れた。今日も朝は清々しいな。暑いが。


「さて、妹はまだ寝てるのかな。まあ、寝てるよな。どうせ夜更ししてるだろうし」


1日のプレイ時間の上限が確か12時間で、連続プレイ時間の上限は6時間。連続プレイ時間が上限に達した場合は、10分前にお知らせがあって、従わない場合は強制ダイブアウト。その場合は1時間以上の休憩を必ずはしないといけないんだっけな。確か例外があって、特殊戦闘フィールドや特殊イベントなどの通常とは異なる場合はこの限りでないらしい。実際に3日間ダイブインしっぱなしでも、脳への負担はないけど、体に悪いとかだったよな。まあ、それだとご飯を食べれないし、トイレもいけないから、さすがに無いだろうが。それに思考加速は最大で168倍まで出来るとか。ネットゲームの場合は、あまり加速しすぎると、都合が悪いらしい。まあ、そうだよな。


「1日の上限までやった場合は、最低でもまとまった休憩が6時間以上だったっけ?」


「そうだよぅ、兄ぃ」


「よく知ってるね、兄ちゃん」


「おっ。今 起きたのか。おはよう」


ちなみに、兄ぃと呼んだほうが瑠璃で、兄ちゃんと呼んだほうが茜だ。ちなみに姉の名前は林檎だ。名前の由来は、妹の場合 秋に生まれて先に生まれたほうに、秋からイメージして茜。次に生まれたのが思い浮かばなかったので、付き合い始めた頃に初めて貰った指輪の石の名前から瑠璃。姉はその前に行った旅行が青森だったかららしい。(俺だけに教えてくれた。当事者には秘密らしい。悪くはないと思うのだが。そういえば、僕、自分の名前の由来を知らない。帰ってきたら聞いてみよう。覚えていたらだけど)


「おはよぅ、兄ぃ」「おはよう、兄ちゃん」

「 「 気分は、こんばんはですけれど(ぉ) 」 」


声をそろえて、この(双子)はそう言い放った。


「こらまて。もしや寝てないのか?」


「寝たよぅ。それにまだ上限時間までやってないよぅ?」


瑠璃はそう言った。横で茜がうんうんと頷いている。


「まあいい。これ母さんからのメモだ」


そういって机のメモを妹に渡した。ふむふむと呼んで。


「麻婆カレー食べる(ぅ)」


「火を通すから待ってて。その間に顔洗ってこい。」


「「 了解です(ぅ) 」」


敬礼して洗面所に向かって行った。敬意を持っているかは別にして。

さて、麻婆カレーを温めますか。


冷蔵庫から出してコンロに置き、中火でかき混ぜながら火を入れていく。あんまり混ぜると豆腐がデロるから、焦げ付かない程度に混ぜる。


「顔 洗ってきたよぅ」


「ご飯はできましたか?」


顔を洗って戻ってきた。さっきと違い眠そうな気配は消えている。


「今、温め中。ご飯はこれぐらいでいい?」


晩御飯よりも小盛の量で聞いた。


「いいですよぉ」


「私もそれで問題ないです」


もういい具合に温まったようなので、ご飯に麻婆カレーをかけた。


「それじゃ、はいよ」


「「いただきます(ぅ) 」」


お腹が空いていたのか、出したとたん食べ始めた。


「そんなに、お腹が空いてたのか?」


「いやぁ、えとぉ、そのぉ、中で食べてたから空腹感がなかったんだけどぉ」「実際食べ始めたら、空腹感が一気にきて、ついね。それにこっちのほうが美味しいし」


ちなみに前半が瑠璃で、後半が茜だ。


「なるほど。味はこっちのほうが美味しいのか?」


「そうだね。料理スキルの開放条件もわかってないし。それでもデザートなんかはNPCショップでも十分美味しいからね」「取ろぅとしてる人もいるけど、なかなか見つからないんだよぉ」


残念そうにそんなことを言っていた。


「ふ~ん。料理スキルとか初期スキルのような感じもするけどな」


「そこらへんは少し特殊でね。趣味に近いスキルは初期スキルにないんだよ。他の特殊スキルもそうだけど」「だからぁ、スキルの開放方法特設掲示板っていぅのもあるんだよぉ」


妹は得意気に言った。妹は戦闘職でなく、趣味とかに興味があるのかな? がちがちの戦闘職で、瑠璃が魔法で、茜が物理っぽい気がするが。


「へ~、詳しいな。二人はそういうのに興味があるのか?」


「う~ん。あまりないかなぁ。私は基本戦闘職で魔法使い、」「あたしが剣士だよ。ちなみに瑠璃が魔法で広域殲滅をやって、あたしが特攻で切り込んで撹乱、って感じかな」


予想通りだった。ぶれないな。


「そうなのか。確かに、ぽいな」


「ぽい。ってなによ」「そうだ、そうだぁ」


ふくれて文句を言ってきたので、笑いながら、


「ははは。いやいや、褒めてるんだよ」


「そうなのぉ。ならいいやぁ」


「瑠璃……。易すぎるわよ」


確かに瑠璃は易かった。もともと、悪い意味で言っているわけではないが。


「しかし、空腹度というか満腹度があるんだから、料理が初期にあってもいい気がするけどな」


「そうなんけどねぇ。なかなか、そうは行かないのさぁ。それに、さっきも言ったけどぉ。NPCの料理でも、結構十分なんだよねぇ。だから、あえて趣味にしてのでは? って、噂だよぉ」


「そうそう、それに食べ物に付加効果もないし、地味なんだよね。だから、趣味に入ってるし、その前に、他のスキルあげろってなるんだよ」


「ははは、なるほどな」


僕は苦笑しながら、時計をみた。


「んじゃ、洗濯機動かして、それが終ったら昼ご飯と夕飯の買い物してくるな。そうそう、昼から卓巳の家に行くから」


「卓巳さんの家ですかぁ?」


何回聞いても、瑠璃の卓巳さんが巳の発音が弱すぎて、沢山に聞こえるのは僕だけだろうか?


「おう。夏休みの宿題の残りを終らせようってな」


「どうせまた、写させてって言われてるんでしょ」


知った顔で茜は言った。間違ってはいないが、今回は、


「今回は、あえて終らせない状態でいくから大丈夫だろ」


そういいながら、洗面所に向かった。洗濯機を回し、その間に掃除をした。洗濯機が止まったので、洗濯物を干し終わったころには10時になっていた。その間、妹は手伝うなんて事はしないで、自分の部屋に入ったきり出てこなかった。たぶんダイブ中だな。


「あいつらは、ほどほどにって言われていただろうに。まあ、いい。買い物言ってくるね。晩御飯は何がいい?」


2階に向かって階段から聞いた。………返事がない。本当にダイブ中のようだ。

待っても切りがないので、メールをした後、財布を持って買い物に出た。ちなみにご飯は独断と偏見でオムハヤシにしました。ハヤシ部分は作ると面倒なので、レトルトでカバー。

特に問題なく買い物を済ませて家に帰ると、丁度妹がリビングにいた。


「ただいま。お、いたのか」


「おかえり。今出てきた。瑠璃はまだダイブ中。新しい杖を注文するから遅れるってさ」


買ったものを冷蔵庫に入れながら、話しを続行した。


「新しい杖って?」


「βテスト時に初めの方で使ってた杖の素材が、やっとこさそろったんだ。」


「そうか。よく分からないが、強いのか?」


「初期装備よりは強いし、それに少しだけだけど、MP自動回復と詠唱速度短縮が付くんだ」


「ほほう。そういうものなのか」


「そうなのよ。特に宝石を探すのに時間がかかったよ。レアドロップの中のレアだからね。その分、初回ではいい性能になるはず」


「そうか。ん? はず?」


「うん。始めの町からβテストの時と違うから、“はず”なのよ。でも同じモンスターからドロップしたから問題ないと思う」


「そんな変わってるのか。よく分からないが、頑張ったんだな」


ふと時計をみたら12時半を過ぎていた。


「あ、そろそろ卓巳んちに行かないとな。」


問題集と教科書を詰め込んだ鞄を、2階から持って来て肩にかける。


「それじゃ、いってきます」


「いってらっしゃーい」


僕は卓巳の家に少し早足で向かった。




◇◇◇



卓巳宅に着きました。


「おじゃまします」


卓巳の家の執事に案内されて入った。←執事って実在するのを、卓巳にあってから初めて知りました。ちなみにメイドさんもいたりします。


「いらっしゃい。お前が最後だ」


卓巳がそういったので、部屋に入って中を見渡した。想像以上に人がいた。


って

「何人呼んでんだよ!」


「実はさ、始まりの町のそばにレイドボスが発見されてさ。今日はこの後に皆で行くつもりなんだ。たぶん弱いと思うんだけどな」


「だからこんなにいるのか。………皆は写させてとか言わないよな?」


恐る恐る聞いてみた。反応はもちろん、


「「「「「「「「「「 当ったり前じゃん! 」」」」」」」」」」


って、ですよね~。それがなきゃ僕を呼ぶ必要ないもんね。

はぁ~、とため息をはいた。すぅ~、はきっぱなしもダメなので吸っといた。

ちなみにメンバーは美津橋卓巳、藤沢和哉、東一、辻堂淳樹、高坂雄太、大路春、寒川南月、大宮優佳、香川愛奈、川崎柚、乃木坂紅葉の男性6名、女性5名の計11名。


「わかったよ。でも数学はまだ半分しかやってないからな」


「大丈夫だ。無問題モーマンタイ


なんか卓巳が似非中国語? で返答した。


「これでちょうど男女半々ね」


紅葉はいい笑顔で俺を見ながら言った。


「若干中性的とは自覚しているが、間違えられたことは………。さて、とっととやるか」


「あ、ごまかした。間違えられたことあるんだ~」


「ないよ。だた勘違いされたことがあるだけだ」


「それを間違え「もう帰るかな」ごめんごめん」


ったく。こいつらはテンションが変、ってそうか!まさかこいつら寝てないんじゃ!?


「一応お前らに聞くが、ちゃんと寝てるよな?」


一斉に目を逸らした。おい、こら、まてや。


「まったくお前らは。とりあえず、その徹夜明けのテンションを元に戻せ。だいいち連続プレイ時間が決まってんだから寝る時間はあったろ?」


「みんなでチャットをやってたら盛り上がりまして」


卓巳が代表して答えた。ここにいる皆でチャットしてたのか。それも一晩中。


「これは何言っても無駄っぽいな。まずははじめるか。って、その手はなんだ」


卓巳以外が手をこちらに出していた。大体意味はわかるが、


「出頭か?」


「「「「「「「「「「 ちがうわ(よ)! 」」」」」」」」」」


今日は声が良く揃う日だな。


「分かってるよ。はいよ」


鞄から終わった問題集とノートを出した。


「「「「「「「「「「 ありがとう! 」」」」」」」」」」


本当に良く揃う。



その後、数学を終わらせてまた皆に見せた。2、3割は自分でしないとばれるぞ。と伝えておいた。そして、数学をやっている間、皆はE2の話で盛り上がっていた。

ようやくすると、レイドボスの打ち合わせ(他のメンバーもいるらしい)、新しい町への行き方がβテストの時と基本は同じらしい(やっぱりボスがいる)、朝霧の森と夕霧の森、深き沼地には結構いい狩場があるらしいが時間帯では死ねるとのこと、とこんなかんじ。盗み聞き(勝手に聞こえてくる)しているだけなので、話しに加わってはいない。



ちなみにキャラクターネームは

美津橋卓巳=タク、藤沢和哉=カズ、東一=モノ、辻堂淳樹=ジュン、高坂雄太=レスト、大路春=スプリ、寒川南月=ユエ、大宮優佳=カナタ、香川愛奈=アイ、川崎柚=ユズネ、乃木坂紅葉=クレハ

らしい。一部よくわからないものもある。あと、おまえら、よくその名前とれたな。ちなみにみんな名前はカタカナらしい。


「それじゃ、今日はここで解散。北門で8時に集合な。他のメンバーにもそう伝えてあるから」


皆それぞれの返事をして帰って行った。僕も一緒に玄関まで行った。


「それじゃ、僕も帰るな。頑張れよ」


「おう。任せとけ。それじゃ今日はありがとうな。助かったぜ。」


「出来るくせに頼むんだもんな、お前は」


「ははは。やっぱり面倒だからな。………今日はすまなかったな」


笑ったと思ったら、いきなり真剣な顔で謝った。


「どうした?」


「いやさ。今日呼んで宿題写させてもらったのにさ。俺らしかわからない話しをしちゃってたからさ」


「ああ、そういうことね。」


「もしよかったら、2次販売の分をどうにか手に入れようか?」


「すでに予約がいっぱいで、受け付けてないだろ? できたとしても遠慮しておくよ。だから気にするな」


なんか嬉しくなって、笑顔でそう言った。


「でもさ 「そのおかげで集中して宿題で来たしな」 ……そうか。ありがとう」


まだ渋っていたので、割り込んだ。


「どういたしまして。それじゃ帰るな。おじゃましました」


「おう。またな。」



僕は帰路についた。外はまだ少し明るくじめじめして暑かった。




◇◇◇




「ただいま」


返事がない。さてはダイブしているな。いや、出かけてる可能性も、って靴あるから出かけてないか。


「さて晩御飯の支度を始めるかな」


まずはご飯を炊く。

シャッシャッシャッシャ、シャー、シャッシャッシャッシャ、ジャー、と、お米を磨いでいるが、どのくらいすればいいんだっけ?

まあ、水の白がほとんど無くなるまででいいか。よし。あとはセットすれば自動で炊ける。最近の技術でも、ここらへんの変化はないね。そのあと鞄を2階に持っていき、その後リビングでテレビを見ていた。


ご飯が炊ける頃には7時になった。妹にご飯だよ、とメールを送る。


ストトトトトトトトタン、と急いだような、足音が聞こえて、妹が降りてきた。


「おかえりなさぃ。ご飯はなんですかぁ」


「おかえり。早くご飯を」


「はいはい」


オムハヤシを作りはじめた。トントントントン、ジュウジュウジュウジュウ。よし。次に卵だな。卵を溶いて生クリームをいれて、レッツ半熟。乗っけて開いて、温めたハヤシをオン。はい、完成。


「はい、できたよ」


妹の前に出した。すでにスプーンを持っていた。そういえば昼はしっかり食べたのかな?まあ、聞かないでおこう。だいたい答えはわかるから。


「「いたがきます(ぅ)」」


朝のような様相で食べている。これは朝と同じパターンかな。自分の分も作って食べた。


「「ごちそうさまでした(ぁ)」」


カチャカチャ、トタン、タタタタタタタタ

食べ終わった食器をシンクにおいて、急げとばかりに部屋へ行った。


「誰か待たせているのかな?」


そういえば、卓巳が8時からレイドボスとか言ってたな。それに出るのかな。レイドボスしては初期の弱めのやつらしいからな。


僕は食器を洗い、風呂に入り、そして歯を磨いてから自分の部屋に入った。


「さて、あまりできないが少しやってから寝るかな」


VRPをかぶり、異世界へとダイブした。



集まっていた友人は、みんなβテスターでした。偶然か必然かは不明。


ありがとうございます。

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