塵も積もれば山となる。 ならば、塵じゃないものが積もったら? ~初日終了~
お願いします。
無事、町に着いた。道中のモンスターは無事でないが。
「着いたぁ。結構遠かったな」
「そうだね。私は幸せだったけど」
スフィは満面の笑顔で、そう言った。ちなみに、今も手は繋ぎっぱなしである。
実はスフィが具現化しているので、まるで姉妹が手を仲良く繋いでいる様に見える。
それをスクショで取られていることに、幸か不幸かニズは気付いていない。
「それじゃもうすぐ6時だから、一度ダイブアウトするね。そういえば、スフィはご飯とかどうなの?」
気になっていたことを、いい機会だからと訊いてみた。
「私? 私は食べなくても食べても大丈夫だよ。食べると美味しいものは美味しいと感じるし、それに精霊は基本的には契約主か大気中からマナを摂っているけれど、高位の精霊は食事からでもマナを摂れるからね」
「そうなんだ。んじゃ、戻ってきたら一緒に食べようか。道中、非常食を食べたけれど、不味くもないが美味くもなかったからな」
確かに非常食はあったが美味くなかった。空腹が進むとステータスが減少したり、HPやMPの自動回復が遅くなるから食べざるをえない。最終的にはHPが減少し、死に戻りする。
簡単に言うと、食べないと餓死する。
「うん。待ってるよ♪」
◇◇◇
そのあとダイブアウトして、読書感想文のために読書をしていた。ちなみによんでいたのは、宮沢賢Z著[注文○多い料理店]。学校の図書館で借りた。夏休みは長期で借りることが可能なので活用した。(そういえば中学校にはなかったな。うちだけか?)
ちょうど読み終わった時、夕食ができたといわれたので下におりた。
「お腹すいた~。今日はカレー………。 ?」
「麻婆カレーを作ってみたの」
母はそう言った。今日のメニューは麻婆カレーでした。
「え!? それって、って言うか、これって、あれだよね!」
「瑠璃が食べてみたいって言ってたのを、急に思い出して作ってみました。ネットは便利ね」
「………商品化もされたから、ありか。それで食べたいって言った妹は?」
「まだ降りてきてないわ。ちょっと呼んできてくれない?」
母にウインクされた。ちなみに母は童顔で高校生と言っても通じる程である。結婚後も何度か補導されたことがある。そのため、父にはロリコン疑惑があるが、そこは語ると長いのでまたの機会に(その機会はないかもしれないが)お話しする。
「了解。呼んでくるよ」
タンタンタンと階段を上がり、妹のドアをノックする。
コンコンコンコン
「おーい。ご飯だぞ」
反応がない。まるでしかばn……いやいや。
「(しょうがない)中に入るぞー」
ガチャリ
案の定ベッドの上でVRPを着けて寝ていた。
「起きろー!おーい。………ふむ、よく考えれば、見た目は寝ているが、脳は寝ているわけではないんだよな。って、ことはある程度衝撃を与えれば気付くかな?」
よし。
「メールは届くだろうから、メール送っとくか。無理に外して戦闘中とかだったら面倒だからな。とりあえず茜だけでいいか」
さっと、茜の携帯で、ご飯だとメールを送り部屋を出て下りた。なぜ、自分の携帯を使わないかというと、取りに行くのが面倒だからです。
リビングに行き、母に
「メール送っといたから、気付いたらすぐ来ると思うよ」
「ありがとう。でもなんでメールなの?」
分からないとばかりに、聞いてきた。
「ネットゲームしてるから、無理に起こして戦闘中だった、とか文句いわれそうだからね」
「そうなんだ」
ゲームをやらないからか、よく分からない様子だった。
「まあ、何であれ伝えたから大丈夫だよ。いただきます」
僕はそういって、麻婆カレーを食べた。結構おいしかった。
食べ終わっても妹は降りてこないので、風呂に入ってから部屋に戻り、ダイブインをした。
◇◇◇
入った瞬間に
「おかえり」
とスフィが言った。空は薄暗くなり丁度夕食の時間だった。
「ただいま。食べ物を食べに行こうか?」
「うん」
笑顔で手を繋いで来た。
町のメインストリートを歩いていった。
その後、オープンテラスでスフィに、あ~ん、をして食べさせあいをする破目になったのは、心の中にしまっておく。まあ、過ぎたことだから後悔はしていない。過ぎたからこそ後悔とも言うが。
食後、手に入れたアーツと称号、それに開放されたスキルを確認した。
アーツ [絶対領域]
一定の領域内に入った敵を、光の如き速度で切り裂く。
効果:領域内の敵を切り裂く毎に、MPを消費する。発動時間制限及び発動中攻撃回数制限なし。
消費MP30、Str×1.5
称号 [一気倒千]
単独で数多の強敵を、打ち倒したものに与えられる。
効果:HPが満タンの敵へのダメージ1.5倍。毒、麻痺、睡眠を無効。
称号 [孤立戦陣]
一人で圧倒的強者と戦い、生き残ったものを称えて与えられる。
効果:PTを組んでいない状態のとき、移動中や戦闘中であっても徐々にHPおよびMPが回復する。Vit,Min+50
「なかなかの効果だな。取得条件はなんだろう?」
短時間で多くの敵を倒すとかかな? ログをみたら1000匹以上いたものなぁ。………って、そんなに倒してたんだ。よく生きてたな、俺。
「主、すご~い」
スフィが横から除いて感心していた。契約精霊って可視化していないステータス見れるんだ。と、俺は少し驚いた。
「さて、あとはスキルだな。」
スキルのページを開いた。結果から言うと、開放はされたが取得はまだできなかった。
スキル[双刃紅葉]
二つの刃が紅葉と舞い踊る。刃の通った軌跡には、敵のみ切り裂く刃が残る。
双剣Lv50より派生可能。
「スキルへ派生までまだまだだな。しかも、派生可能にならないと、詳しい効果は見られないのか。しかしこれって、最後に巨神剣を振り回したから、取得や開放できた感じだよね」
巨神剣は凄いな。でも巨神剣は目立つから、日頃は双剣を使おうかな。
「さて、どこかにドロップアイテムを売りに行こうかね」
スフィを伴って、NPCの方々にきいてまわった。結果、無人換金所なるものがあると分かった。本来は、大量の材木の端材なんかを売るためのものらしいが、ドロップアイテムも売れるらしい。ただし、100個以上からしか売れないとのこと。今回は問題ないな。
量が多いのは50個ずつ残しておく予定。アイテムを移した後、換金するものを確認してOKを押した。
内訳はこうなった、
一個当たり、黒狼の爪が1900D、牙が2000D、毛皮が1800D、暗狼の爪が2200D、牙が2300D、毛皮が2000D、血狼の爪が2700D、牙が2800D、毛皮が2600D。
合計、12,134,700Dだった。
?………!?……!!!
「なっ!? こんなにか!!」
「分からないけど、数は力って言うから、このくらいじゃない?」
あまりの金額に唖然とした。しかし、物価が分からないのと、サラのセリフが納得できたので、すぐに回復した。[受け流す者]の名はだてじゃないぜ。……さすがにその補正はないと思うが。
「そうかぁ。そんなもんか。数も多いからな。さて、とりあえず、換金もしたし区切りはいいかな。時間的には大丈夫だけど、宿題もあるから戻ろうかな」
「えっ! もう!?」
「うん。宿題は早目にやっておかないとね」
「ん~。うん。確かにそうだね」
残念そうだったが、とたんに笑顔になって言った。なんか思いついたのかな? でもうちの中にカメラなんてないし、………ん? あ!? そうか! まさか衛星か!! いやいや、そんなまさか。あれはそんな簡単に操作できるものじゃないぞ。だっt「主。人が作る壁なんて、私にとったら壁じゃないよ♪」 ………俺、声に出してないよね?
「そ、そうか。そ、それじゃまたね」
「はい。主、おやすみなさい」
「おやすみ」
まだリアルタイムでは8時前だが、《ダイブアウト》することにした。
ダイブアウト後、現代文の読書感想文(執筆時の筆者の気持ちを考え、編集者が励まし苦言を呈した時の、筆者の感情と執筆箇所の変更前と変更後を書きなさい。また、編集者に何か言われても、変更しなかった箇所を書き、筆者の気持ちで理由を述べなさい。 って、難しすぎない?)を少し書き、歯を磨いてから、布団に入った。
初めての体験ばかりで疲れたのか、あっという間に眠りについた。
現在の所持金 12,135,700D
お金の単位はD。
金額が多かったのは、本来は端材を売るところに売ったので、多量に端材を売ったときの救済措置が発生して、売値に+補正が入ったためです。また、売値は今までの平均の質より計算するため、適正の時期に売った場合は半分以下に売値は下がります。
ありがとうございます。