朝御飯と暦とカレンダーと…………。
時間がなく、遅れました。お願いします。
料理(調理?)をしていると、途中で慌てた様にメイドさんが起きてきた。ベッドの寝心地が至高だったそうです。
メイドさんと一緒に朝御飯を作っていたら、メッセージが届いた。
ん? 運営から? なんだろう。確かアップデートがあるから、それ関連かな。
そんなことを思いつつ、料理は完成した。こんな感じ。
[和食朝御飯御膳]
米、味噌汁、沢庵、鮭の塩焼、だし巻き玉子、海苔、の、人によっては定番の朝御飯。だしを効かせて全体的に減塩している。(評価7)
効果:HP・MP回復速度上昇(小)
複数作ったのに、一つのアイテムになったな。あと、なんか効果が付いたが、まあ、美味しければいいか。それに評価ってなんだろう。上手く出来たかの評価かな。それとも味の評価かな。高いのか低いのかわからないが。
ちなみにメイドさんはメイドの矜持があるらしく。エドさんとシルフィの料理は自分が作るとのことで、洋食な朝御飯を作っていた。
ティナには手伝いを頼んだ。主にだし巻き玉子を作ってもらった。巻くのが上手かった。
「おはよう」
「おはようございます」
できた頃にエドさんとシルフィが起きてきた。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「ああ、よく眠れましたよ」
「はい。よく眠れました。でも、いつの間にかベッドに入ったのでしょう? ニズと一緒に寝るつもりだったので残念です」
「そうですか。よく眠れたのならよかったです」
危なかったな。場合によってはシルフィと一緒に寝ることになったのか。
「ニズの抱き心地を知りたかったのですが」
シルフィが、ぼそっと呟いた。
抱き心地って!? マジで危なかった。いや、まだ危ない気が…………。
チラリとシルフィを見たら目が合い、にっこりと満面の笑みでこちらを見た。
……………oh
コレハヤバイカ?
「ん? どうした? ニズ嬢ちゃん」
「え、あ、い、いえ、なんでもないです。朝御飯を食べましょうか」
「そうだな」
「はい」
各自食卓の席についた。勿論、メイドさんも一緒。
みんなで食べた方が美味しいからね。
どこの王族もこうなのかしら?
「「「「「「いただきます」」」」」」
日本式の食前の挨拶をした。
ご飯は他愛もない話しをしながら食べた。(口の中に食べ物を入れて喋ってはいけません) ちなみに、いつの間にかティナが手作りふりかけを作っていた。今回は海series浅瀬versionらしい。(発音がこんな感じでした) 他にもあるのか。とも思ったが、聞かないでおいた。
食事中に聞いたが、お風呂は上流階級やお金持ちしか家にはないとのこと。一般の人は、ある程度大きな町には“カララバ”と呼ばれる大衆浴場(銭湯みたいな処)に行って入り、小さな町や村の人は、生活魔法の“洗浄”で身体の清潔に保っているが、味気無い場合はタオルで身体を拭くか、川で水浴びらしい。一部の温泉が湧く地域の町や村には、小さくても温泉風呂があるらしい。
生活魔法は綺麗になるが、スッキリ感があまりなく、味気無いんだってさ。
朝御飯を食べ終わり、
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまです」
二人とも、日本式の食後の挨拶をした。
馴染んでるな。…………郷に入れば、というやつかな? いや、違うか。その台詞は僕の方に当てはまるしな。
少しのんびりしていると、
「私、朝風呂に入ってきます!」
シルフィがそんなことを言った。
朝風呂かぁ。それは気持ち良さそうだ。
「温泉だから、いつでも入れるから行ってきなよ」
「ニズも一緒に入りましょう!」
まあ、何となく予想してました。しかーし、
「また今度ね。僕は後片付けもあるから」
僕、ナイス言い逃れ。
「私が後片付けしましょう。ニズ様は御嬢様とお風呂へどうぞ」
メイドさんが余計なことを!
「でしたら、僕が後片付けで、お風呂へはメイドさんがお願いします」
そのあと、軽い押し問答があったが、無事に?
一緒に朝風呂に入らずに済んだ。
後片付けが終わり部屋に戻ると、エドさんが話をふってきた。
「ニズ嬢ちゃんはどうするんだ? 確かプレイヤーだったよな。なら、次会えるのは祭りの日か、その前の日か」
「そうです。…………ティエラ人とはなんですか?」
多分、プレイヤーのことをそう呼んでいるんだろうな。
「ん? ああ! この世界の住人は君達のことをそう呼んでいるんだ。他にも異世界人や渡り人、異邦人や放浪者なんて呼ぶ人もいるな」
やっぱりそうなんだ。そういえば、この世界から見た現実世界は【ティエラ】って名前だっけか。だからティエラ人か。言い得て妙だな。
「そうですね。そう言うことならティエラ人で間違いないです」
「ふむ。やはりそうか。と、言うことはやはり数日来られなくなるだろう?」
「確かにそうです。夏休みが終わったら頻繁に来られなくなりますね」
「ん? 夏休み?」
ん? ああ、そうか、こちらに夏休みはないのか。
「夏休みっていうのは、夏にある長期休暇です」
ん? この世界って四季があるのか?
「成る程、長期休暇か。魔法学園なんかは火の星には長期休暇があるから、似たようなものか?」
魔法学園があるのか。………まあ、魔法がある世界だから、魔法学園ぐらいあるか。
「そうですよ。似たようなものですよ」
まあ、内容は違うがな。あくまで似たようなものです。
「シルフィは魔法学園には通ってないのですか?」
気になり聞いてみた。ってか、休みになったからこっちに来たのか? でも逃げて来たみたいなことを言ってたよね。ってことは通ってないのかな。
「シルフィは基本は家庭教師だな。本当は学園に通わせたいのだが、奴らに隙を与えることになるからな。問題が片付けたら入学させるつもりだ。同世代と共に学ぶのは良い刺激になるだろうし、タイミングも良いから。それに、今回の戴冠式で落ち着くはずだからな」
なるほど、そう言うことか。何のタイミングが良いのか分からないが。まあ、何かあるんだろう。
それに、
「そうですね。確かに同世代と一緒に遊んだり学んだりするのは、良い経験になるかもしれませんね」
「だろう」
「はい。…………話の途中にあった火の星ってなんですか?」
そういえば、火の月って、なんだろう?
「ああ、そうか。火の星と言うのは、簡単に言うなら環の次の単位だ。1環が8星で、1星が30日だ。1環が242日になる」
そういうこと…………ん?
「日数が合ってないのですが」
「ん? ああ、それは神霊の日があるからだな」
「神霊の日ですか?」
「そうだ。神霊の日は古い環から、新しいの環に移り変わる時の前後の日を言うんだ。この日は星には数えられない。ちなみに、星は風に始まり、風火・火・火地・地・地水・水・水風、順番だ。これに、神霊の日が入って242日だ。ちなみに、神霊の日は風の星の前にある」
「そうなんですか。あれ? でも、光と闇の星はないんですか?」
地水火風に光闇が基本属性だったと思うが。
「光と闇の星は6環に一度だが、3環ずれて交互にある。まあ、日数は一巡のみだけどな。今環は丁度、光の星があるから1環248日だな」
「なかなか、分かり難いですね。あと、今の話しにあった1巡って6日っぽいですけど、一日一日に名前はあるんですか?」
「あるぞ。星とあまり変わらないがな。風に始まり、火・地・水・光・闇、だ。基本四大属性と特殊二極属性の名前がそのまま使われている」
ふむ、やはり暦は違うな。てか、光と闇は基本でなく特殊なのか。他にもこちらの認識と違うところがありそうだ。
でも、時間の単位は同じっぽいんだよな。それに1日の単位も。
まあ、何となく理由は分かるかな。
「ありがとうございます。勉強になりました」
「おう。分からない事があったら、なんでも聞いてくれ。知ってることは教えるぜ」
ポーン
〔この世界の時間の単位を知りました。これにより〈カレンダー〉機能を解放いたします〕
こんな機能をいったい何に使うんだ?
ありがとうございます。




