自分作成と精霊と選択肢なし
お願いします。
ハードの名称はバーチャルリアリティポータル、略称VRPという頭をすっぽりと被う形状で、ヘルメットみたいな形だが、開発当時のものより軽く小型で、現在最高峰の技術が使われている。
取扱説明書を読んだところ、すでにベースキャラクタークリエイトは可能らしい。まだ夕食まで時間があるので、早速開始した。
っと、その前にインストールとパーソナルデータの登録が必要らしく、結構時間が掛かるようなので、まずインストールを行って、夕食を取った。
ちなみに夕食中、妹は終始E2のことでテンションが上げ上げだった。妹が言うには幼馴染(βテスターらしい)と友達(本人曰く親友)は準備ばっちりで、始まったら合流するらしい。幼馴染と妹の友人はβテストの時に、何度かパーティを組んだ仲らしい。
夕食後、インストールが終わったようなので、パーソナルデータの登録を行う。VRPを装着し、身長、体重、性別、脳波の登録を行う。ちなみに、性別はネットを介して、国と情報のやり取りを行うため、性別詐称は不可能。そのため、1時間ほど待つ。
インストールとパーソナルデータ登録が終わったので、早速キャラクリエイトを開始。
「それじゃ、いざ、《ダイブイン》」
睡眠誘導の効果であっという間にまぶたがおちた。
◇◇◇
気が付いたら青空が広がる草原にいた。
「おおう!」
あまりにも現実と変わらない感覚に驚きの声をあげた。少しポーっとしていると、どこからか中性的な声が聞こえてきた。
〔アバターデータがありません。アバターを作成しますか?〕
「は、はい」
〔かしこまりました。アバターを作成します〕
どうやらインフォメーションのようなものらしい。
温かみのある、白い部屋に風景が変わった。
〔アバターの作成を開始します。まずは性別を確認ください〕
《男/女》
もちろん男で、
〔男で間違いありませんね?〕
「はい」
〔照合を開始します。………照合完了しました〕
その時、自分の姿が現れた。
「おー!? 自分ってこんな風に見えているのか」
〔アバターの作成が終了しましたら、完了をお願いします〕
「わかりました」
確か身元ばれ防止のために、髪と目の色を変えるといいんだっけ。顔を変えなくても、それだけで結構わからないって取説に書いてあったな。あと、顔を大きく変えると違和感がでて変になるとも書いてあったな。それじゃ、髪と目だけでいいや。髪の色を菖蒲色にして、目の色を蜜柑色に変更。ふむ、身長も動きに支障がでるらしいから、身長もこのまま変更なし。
髪と目の色を変えただけで《完了》っと。ポチッとな。
「よし。完了っと。う~ん。これは卓巳や妹にばれるかな? でもまあ、結構印象違うし、いるとは思ってないだろうから、大丈夫かな」
〔アバターの登録を完了しました。種族、アビリティ、スキルの設定はサービス開始時から可能です。どうぞ《Element Earth On-line》をお楽しみくださいませ〕
おわったかな。あとは明日だな。
「よし。《ダイブアウト》」
今出来ることが無くなったので、現実世界に戻ってきた。
「さて、出来ること無いし、風呂でも入って、明日に備えて寝ようかな」
VRPをはずしながらそう言った。明日をワクワクしながら待っている自分がいた。
◇◇◇
27日12時よりサービス開始。ワクワクしながらVRPを装備して待っていた。
「そろそろ12時だな。楽しみだ」
自然と笑みがこぼれていた。
3
2
1
「《ダイブイン》」
◇◇◇
〔ようこそ、精霊の加護を受けし大地へ〕
キャラクリエイトのときより、女性よりな声が聞こえた。
オープニングが流れ出した。いつでも見れるらしいが、どうせなので最後まで見た。大体3分強くらい。
〔アバターの作成は完了しています〕
〔プレイヤー名、種族、精霊属性、スキル、ステータスの設定を開始します〕
空中にキーボードが現れた。ちなみにモニターも含め、すべて透けています。
〔始めに“名前”をお教えください〕
「名前かぁ~。本名をもじって〈Niz〉かな」
〔〈Niz〉でよろしいですね〕
「はい」
〔次に“種族”を選択してください〕
そういうと、種族の一覧が出てきた。
見ると、獣人、妖精、竜人、鬼人、ランダムから選択で、さらにその分類の中にも区分があった。試しに獣人選ぶと、中に色々な種類があり、ランダムもあった。どうやら、獣人と妖精は、大枠をきめてからランダムも可能なようだ。そして、妖精以外は種族パーセンテージを選べるみたいで、たとえば猫獣人ならば猫耳尻尾付からケット・シー的な感じまで可能。
「人がないと思ったら、人は猿獣人なのか。これは言い得て妙だな」
どこか納得と感心をしたように独り言を言った。
「ここは良く分からないし、どの種族でも楽しめそうだから、ランダムでいいかな」
ポチッと押して、決定。
〔種族は〈ランダム〉でよろしいでしょうか〕
「はい」
なにが出るかなぁ~。いい種族ならいいな。
〔それでは次に“精霊属性”を選択してください〕
また空中に一覧が出てきた。
属性は地水火風光闇とランダムから選択。説明を読んだところ、地属性は阻害、水属性は回復、火属性は攻撃、風属性は補助とのこと。光属性は防御と回復、闇属性は攻撃と阻害で光と闇は上位属性に分類されるとのこと。精霊を育てていく中の得手不得手はかわるから、一概には決められないとのこと。ランダムは文字通りランダム。
「う~ん。なんの属性がいいかな。やっぱりランダムかな」
〔データを読み取りました。精霊属性が決定されました〕
「ん? へ!? どういうことだ? 精霊属性が決まったって」
なんか良く分からないことになった。もしかして、自分でランダムを押したかな?
〔契約精霊の“名前”をつけてください。精霊を映します〕
そこに精霊がぼんやりと現れ、ぺこっと頭をさげた。
「なんかよくわからないが、これも縁だよね。さて。……う~ん」
精霊をジーっと見る。なんだか顔を薄く赤くして俯いた。
こっちまでなんか恥ずかしくなった。
「決めた!名前は〈スフィリア〉」
ポチッな。決定。
〔名前は〈スフィリア〉でよろしいでしょうか〕
「もちろん」
その瞬間、精霊〈スフィリア〉は嬉しそうな雰囲気を出していなくなった。先に行ってるのかな?
〔それでは次にスキルを選択してください〕
〔スキルは6個が選択可能で、残りの4個はランダムとなります〕
迷うな。てか、そもそも種族がランダムだから何が得意か分からないな。なんにでも役立ちそうなものを取っておくかな
「よし。[回避][身体強化][発見][魔力操作]で、決定」
〔スキルが2個、未選択ですがよろしいでしょうか〕
「はい」
〔それでは選択可能スキルのうち2個はランダムとなります。他のスキルは[回避][身体強化][発見][魔力操作]でよろしいでしょうか〕
「はい」
武器や魔法は種族特性がわからないので取得しなかった。
〔最後にステータスの決定を行います〕
〔フリーポイントFPにより割り振りを行ってください。また種族値は加算されていません。また、残したポイントは半分になります〕
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FP:100
HP:200
MP:50
Str:10
Vit:10
Int:10
Min:10
Dex:10
Agi:10
Luc:1~99(ランダムのため、振り分けできません)
====================================================
種族値補正前の値はこんな感じ。
「さて、どうするかな。保留は半分か。MPなら無駄にならないし、MPにすべて振っておくか。MPを使わない種族はいないからな。たぶん」
====================================================
FP:100→0
HP:200
MP:50→150
Str:10
Vit:10
Int:10
Min:10
Dex:10
Agi:10
Luc:1~99(ランダムのため、振り分けできません)
====================================================
こんな感じにしました。レベルがあがればFPは入ってくるらしいからいいか。ちなみにFP1=HP3だそうです。ほかはFP1は1上昇。
ポチッと決定
〔ポイントの振り分けはよろしいでしょうか〕
「はい」
〔設定はすべて終了しました。アビリティはランダムで決定されますので、確認を宜しくお願い致します〕
〔それでは、あなたに世界樹の導きと、精霊の加護があらんことを〕
そして目の前が真っ白になり、始まりの町へと降り立った。
次回はステータス確認予定。
一人称変更しました。
ありがとうございます。