紹介と詳細と招待と…………。
お願いします。
さて、我が家に帰ってきました。
あ。そういえば、空中島も見に行かないと。いや、まあ、いつでもいいか。急ぐものでもないですから。
エドさんはまだ来てないな。
ベル、ファノ、ティナを呼んで、順に紹介した。レンを見た瞬間に、ファノとティナが、ガチガチに固まっていたが、あれはいったい?
そんな、こんなで、お互いの紹介も終わり、今回はファノの時の様なことは起こらず、実によかったです。
エドさんたちが来る前に、家の片付けを…………って、新築で散らかってもいないから、必要ないな。
それじゃ、エドさんたちを待っている間に何しようかな。町に入ったときに貰ったものでも、確認しようかな。
そう思い、アイテムボックスを確認した。
え~と。[エレスト限定特別優待券]と[水晶?の指輪]か。片方の名前が不明だな。神眼を使えば、わかるかな?
[水晶?の指輪]の正体は、[アドモスサイトリング]というものだった。
ふむふむ。[エレスト限定特別優待券]は文字通りだな、便利と言えば便利か。[アドモスサイトリング]は、うむ。特に効果は付いていないな。純粋な装飾品か? う~む。
そんな風に考え込んでいると、ピンポーン、とチャイムが鳴った。
ん? 来たかな? てか、チャイムはピンポーンなのか。
「はーい」
そう言って、扉まで行き、出迎えた。
「おう。ニズ嬢ちゃん。来たぜ」
「お邪魔します」
「ニズ様、お世話になります」
エドさんとシルフィ、それと、メイドさんが来た。なんか笑顔が引き攣ってるな。疲れてるのかな?
「いらっしゃい」
3人を招き入れた。
そういえば、護衛はいいのか? メイドさんしか、連れがいないが。まあ、メイドさんが異様に強いことは、結構あるから大丈夫か。
「いい家だな。落ち着いてて素晴らしい」
「はい。金ぴかは嫌です」
やっぱりキンキラキンは嫌だよな。うんうん。
「普通が一番ですよ」
僕は同意した。
「それで、そちらの方は?」
「精霊様でしょうか?」
気付いた様で、真面目な顔で聞いてきた。
「一先ずは奥にどうぞ。立ち話もなんなので、リビングで座って話しましょう。そこで、紹介します」
「おう」
「はい」
3人を伴って、リビングに入った。
お茶とお菓子、それと、漬物を出したところで
「しかし、いい家だな。それに新築の様だ。精霊様に建てて貰ったのか?」
と、エドさんに聞かれた。その間、シルフィはキョロキョロしていた。
「その様なものですね」
曖昧に答えた。正直に言ってもいいが、まあ、いいか。
「そうか。………………それでだ。その精霊様方は、ニズ嬢ちゃんの契約者だろう?」
本題だ。とばかりに聞いてきた。
「そうですよ。順にベルニール、ティエナ、トレファノ、レンティア、それにスフィリアです。まあ、ベルニールはドラゴンですが」
紹介していくと、スフィたちは順番に会釈した。
すると、今まで黙ってキョロキョロしていたシルフィが、キラキラした目でこちらを見て、
「凄いです。こんなに精霊がいるのを、初めて見ました」
と、驚いて言ってくれた。
「ああ、俺もだ。普通はできないからな」
エドさんも驚いていた。
ついでに、メイドさんも驚いていた。
そういえば、メイドさんの名前って何だっけ? あれ。もしかして、聞いてないか?
「あ、ここに泊まりますよね。客間もありますし」
あのキンキラキンはキツいだろう。
「お世話になるよ」
「お世話になります」
二人は笑顔で同意した。ちなみに、メイドさんもいい笑顔で頷いていた。
「なら、ちょうど時間も時間ですし、晩御飯の用意しますね」
僕が立とうとすると、
「「私にお任せください」」
ティナとメイドさんが、同時に言った。
「お客様にやらせるのもなぁ」
どうしよ?
「お嬢様。ここは私にお任せください」
「ニズ様。お世話になる身として、お任せください」
お互い引く気はないようだ。ならば、
「エドさん。シルフィ。用事の時に、何か食べましたか?」
「食べてないな」
「食べてないです」
二人は食べてない様だ。
「なら、お腹は空いていますよね?」
「まあ、そうだな。食べてないからな。それに、精神的な疲れもあるが」
「はい。疲れました」
何があったんだろう? まあ、いい。
と、いうわけで、
「なら、ここは得意料理で勝負ということで、二人で1品か2品ずつ作るということでどうでしょう?」
「「わかりました。お任せください!」」
二人とも、ヤル気満々だな。
「食材は大丈夫かな?」
ふと、思った。食材を買ってないと。
「ご主人様。大丈夫です。備え付けの食材庫に、あらゆる食材が入っていましたから」
ファノは、バッチリ確認済みでした。
「なら大丈夫だな。食材は自由に使っていいから、美味しいものを宜しくね」
「「はい!」」
ティナとメイドさんは、台所に向かって行った。
僕はエドさんとシルフィの方向に振り向いて、
「晩御飯が楽しみですね」
と、言った。
エドさんは、驚いた様な表情をして、
「あらゆる食材って、いったい」
と呟いていた。
そんなに、驚くことかな? ちなみに、シルフィは笑顔で、「はい!」と言った。
晩御飯ができるまでの間、エドさんと話していた。
ちなみに、シルフィは、エドさんの「精霊と料理なんて、めったにできないな」というセリフを聞いて、台所に手伝いに行った。シルフィは料理が少しできるらしい。
「ニズ嬢ちゃん。突然なんだが、戴冠式に参列しないか?」
エドさん。本当に突然ですね。参列って、いいのか?
「何ですか、突然。それに戴冠式って、そんな簡単には参列できるところではないのでは?」
「俺がいいといえば、一人くらいは大丈夫だ」
なにを当たり前な。的に言われた。
ああ。そうか、
「そういえば、王族でしたね」
「忘れてたのか」
呆れた風に言われた。
「まあ、血統や地位と、友人になったわけではないですから」
とりあえずの言い訳を。
「そうか。しかし、本当にニズ嬢ちゃんは何者なんだ? 見た目通りの年齢じゃないな」
エドさんはニヤリと笑って言った。
「さあ、どうでしょうね。少なからず、幼女ではないですよ」
僕もニヤリ(にっこり、となっているが)と笑った。
「成りは幼女だけどな」
「それは言わないでくださいよ」
はははは、と二人して同時に笑った。
笑い終わったところで、話しを戻した。
「しかし、なんでまた、戴冠式に参列して欲しいなんて」
「それはだな。いまだにシルフィを狙ってる馬鹿がいるから、戴冠式中に傍にいて欲しいと思ってな」
疲れた様な表情をして、言った。
「戴冠式中にもですか!?」
「ああ。だが、ニズ嬢ちゃんなら腕はあるし、それに信念を持つ者だからな。十分に信用できる……頼めないか」
眼をじっと見て、真面目な表情で言われた。
これは、断れないな。戴冠式がどんなものかわからないが、まあ、いいか。
「分かりました。その馬鹿からシルフィを守るのも、友人の役目ですね」
「ありがとう。頼むよ」
そのあと、この町の事などを話した。この町は、区画分けがされているらしい。王族が住む王城、地位の高い上流階級が住む高位地区、貴族でない裕福なものが住む中位地区、平民が住む下位地区。それに加え、それぞれの地区内でも、住居地区、商地区で分かれている。この他に、精霊樹地区と呼ばれる特殊な領域もある。ちなみにこの家は精霊樹地区らしい。王族などでも精霊に認められたものしか住めない地区とのこと。
この家の場所を聞いたときに、絶句して数分間止まったらしい。だから、最初笑顔が引き攣っていたのか。納得です。それに周りに家がなく、静かな理由もわかりました。土地も広大だし。
話が一区切り付いたところで、
「「晩御飯ができました」」
と、ティナとメイドさんが入って来て、ハモった声で言った。。
二人ともよく揃うな。まあ、同じタイミングできれば、揃うか。
「は~い。それじゃ、こっちに……………」
いや、どうするか。ダイニングできな部屋は………あったな。台所の隣りに。
「台所の隣りの部屋にダイニング? があるから、そこで食べましょう」
「「かしこまりました。準備致します」」
ティナとメイドさんが、同時に向かって行った。
「行きましょうか」
みんなに声をかけた。
「おう」
「「はい」」
「うむ」
「うん」
さて、ダイニングに、いや、食堂かな? とりあえず行こう。
食堂に着くと、既に料理が並べられていた。
速くない? さすが精霊さんとメイドさん、質が違う!
「ニズ嬢ちゃん。どうした?」
どうやら止まっていたようだ。エドさんに呼ばれるまで、考え事をしてしまった。
「すみません。大丈夫です」
みんな席につき、(メイドさんも座らせました)
「いただきます」
?
「どうかしましたか?」
何故か僕が「いただきます」と言ったら、スフィ以外がみんなこちらを見てきた。
「その挨拶? はなんだ? 初めて聞いたが」
「“いただきます”ですか?」
「そうだ」
「そうです」
スフィ以外が頷いた。スフィは、ニッコニコの笑顔でこっちを見ている。
なぜにスフィはいい笑顔?
「ご飯を食べるときの挨拶です。作ってくれた人と、食材の命に感謝をする言葉です。逆に食べ終わったときは御馳走様です、といいますね」
諸説あったが、確かそんな意味だったと思う。
「なるほどな」
「なるほどです」
皆さん、とりあえずは納得している様子。そして、スフィはニッコニコ。
なして?
そのあと、みんなで「いただきます」と言い、談笑しながら食べた。
ちなみに、ティナとメイドさんの料理勝負? の勝敗はうやむやになりました。
ありがとうございます。
[エレスト限定特別優待券]
エレスト内の様々な施設を無償で使用可能。店舗で買い物する際、特別値引価格で買える。ホームを購入の際には使用できない。
[アドモスサイトリング]
アダマンタイトの結晶をリング状に加工した指輪。12面体構造をしており、壊すことができない不変の物質を素材としており、どの様に加工したかは不明。そもそも、アダマンタイトが結晶化することもありえないので、自然界には存在し得ない。存在しないはずの存在。
【契約者たち・まとめ】
スフィリア[神精霊:無元]
少し嫉妬深い性格をしている。ヤンデレ風味。時と場合で話し口調を変える。身長は165㎝、黒髪黒眼、大和撫子。
ベルニール[真竜:極光]
細かいことは気にしない性格。一人称は我。ニズを主殿と呼ぶ。サイズは自由自在で、大きくはなれないが、小さくはなれる。本来の身長は50mほど。ぱっと見は白竜だが、良く見ると白竜ではない。実は人化も可能。
トレファノ[水聖霊:水聖]
最初は無口だったが、スフィの怒気を見て以来、なんだか丁寧な口調になり、良く話す様になった。どちらか素なのかは不明。身長は170㎝、青髪碧眼、クール風味。
ティエナ[家精霊:地水火風光]
丁寧で優しい性格。白い服か、白を基調とした侍女服を着ている。闇属性以外の力を使えるが、全て下位精霊と大差はない。生活魔法の達人。人? 身長は160㎝、髪は白銀で眼は濃い灰色、目指せメイドマイスター。
レンティア[神霊:生命]
無口で、ぽつぽつ話す。念話時は結構おしゃべり。マナを操る神霊の王。身長は150㎝、虹髪金眼、クーデレデレ。




