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馬車と風の都と王族と…………。

お願いします。

鎌倉の祖父母(母方)の家から、両親と共に我が家に帰ってきた。ちなみに、両親は一度自宅に帰ったらしく、自動車で来ていたので、帰りは自動車。


帰ってきたのは、8月7日。ちなみに、その日丸々一日は旅行話しに巻き込まれたので、疲れて何も出来ずに終わった。


瑠璃と茜は上手く逃げて巻き込まれなかったので、ゲームをしていたらしい。


そして明くる日、8月8日。久しぶりに《ダイブイン》をした。



◇◇◇



【ファスト】にて、


さて、久しぶりの世界だな。


「主!」

「主殿! やっと来られたか」

「ご主人様! お待ちしておりました」

三者三様に挨拶をしてきた。


「久しぶり。何かあった?」


「「「ふふふふ」」」

三人は意味深に笑った。


「そ、そうか。何があったかは詳しく聞かないが、了解した」


「さて、私たちは十分楽しんだので、主の中で寝ています。何時でも呼んでくださいな。それじゃ、お休みなさい」


「わかった。お休みなさい」


三人とも、「お休み」と言って、僕の中に入っていった。………あれ? なんでベル入れた?


「なんで、ベルは入れた?」


『真竜は、神霊に近い存在だからな。第一に普通の竜は契約できない。霊格を持つものでないとな』


『そうなのか!? 知らなかった』


『ちなみに、竜王・聖竜・四竜・天龍も霊格を持っているな。他にも上位の存在は可能だな。簡単に言うなら、高い知性を持った者たちだな』


『なるほど。勉強になります』


『うむ。では、お休み。なかなか良い寝心地だ』


『うん。お休み』



寝てしまったようだ。しかも熟睡。本当に寝心地良いのかな?


まあ、いい。さて、どこに行こうかな。


「おっ! ニズ嬢ちゃんじゃないか」

後ろから名前を呼ばれた。


「え? あ! エドさん」

後ろを見ると、エドさんが笑顔で手を振っていた。


「久しぶりだな。用事は済んだのか?」


「はい。バッチリです。エドさんは馬車で移動ですか?」


「ああ、そうだ。良かったら一緒に行くかい?」


「良いのですか?」


「大丈夫だ。それにシルフィも喜ぶよ」


「ここから【エレスト】って、どのくらいかかりますか?」


「そうだな、これから馬車で向かう。モンスターが出る森でなく、公道の方を通って行くから、馬車で半日くらいかな。用意は済んでるから、今からシルフィを迎えに行くところだ」


半日か、結構近いのかな。


「わかりました。宜しくお願い致します」


「おう。それじゃ、一緒に来てくれ」


エドさんについて、道具屋さんに行った。

そこには、立派な馬車があった。


「ニズ嬢ちゃんも一緒に行くことになった。食糧は大丈夫か?」

エドさんは、丁度出てきたメイドさんに、色々聞いていた。

とりあえずは、人が増えても問題ないらしい。


すると、

「ニ~ズ~!」 どふぅ!

シルフィに、思いっきり抱きつかれた。


げほげほっ

「シルフィ。久しぶり」

若干咽ながら、笑顔で言った。


スリスリ、モミモミ

って、頬擦りはいいが、どこを揉んでいる!?

「うん。いい。いいよ」とか呟いている。なんか少し怖いです。


「シルフィ………気持ちは理解できるが、落ち着け」


シルフィは落ち着いた様で

「ごめんなさい。つい………」


エドさん。気持ちは理解できるって…………!?


「それでは、出発しましょうか」

素知らぬ顔でメイドさんがそう言って、仕度を始めた。てか、ほぼ終わっている。


「おお。すまん。余り遅くなると、着くのが夜になるな。出発しよう」


「「はい」」

僕とシルフィは同時に返事をした。


メイドさんは手綱を握り、エドさんとシルフィと僕は馬車に乗った。


そういえば、この馬車を引いてる馬なんだけど、ただの馬かと思って[神眼]で見たら、グルフォクシって言う聖獣だったんだけど。普通の馬でなく、この馬での換算で半日って、結構遠くないか?

ちなみに、歩きだと10日かかるらしい。うん。迂回すると言っても遠いね。



シルフィと他愛もない話しをしていると、小川があったので一度休憩となった。馬車に乗るのって、結構疲れる様です。

何故か僕は全く疲れてないのですが。はて?


休憩のため、外にでると、

「どうぞ、こちらへ」

何故か、テーブルと椅子とブランチな準備が完了していた。


「いつの間に!」


「メイドですから」

メイドさんはにこやかに言った。

メイドさんのこともそうだが、エドさん、もう素性を隠す気ないよね? 普通の人は、メイド雇わないし、聖獣に馬車を引かせないし、草原の真ん中でブランチしないし。


「さあ、どうぞ。本日のブランチはフルーツタルトとダージグレイティーです」


エドさんとシルフィが既に席に座っていたので、僕も座った。


「いただきます」


あ、美味しい。紅茶の香りもいいし、タルトのサクサク感も素晴らしい。


ん? そういえば、どっから出したんだ?そう思い、メイドさんを見た。


こちらの言いたいことに気付いたのか、メイドさんが、

「王族に仕える者として、アイテムボックスくらい使えます」


「そうですか。…………もう、隠す気ないですよね?」

王族とは言ってるよ。メイドさん。


そう言うと、エドさんが笑い出して、

「ニズ嬢ちゃんなら心配いらないだろうしな」


「シルフィが、若干青ざめでいますが」


「あっ! シルフィには、ばらすことを言うのを忘れていた」

エドさんはうっかり! てな顔で言った。


「大事なことですよね? 忘れないでくださいよ」


「すまん。すまん。と言うことで、ニズ嬢ちゃんには話しても大丈夫だ。良い子だし、恐らくうちの近衛騎士より強い」


「そうなの?」

不安そうに、小さい声で言った。


「ああ。そうだ。それに、シルフィも秘密にして友達を続けるのも嫌だろう?」


「はい! でも、正体をばらしたら、皆友達じゃなくなったり、変なことを言い出したりする」

シルフィは悲しげな顔で、ポツリと言った。


エドさんは、シルフィの頭を撫でながら、

「ニズ嬢ちゃんなら、大丈夫だよ。現に呼び方を変えてないし、畏まってもいないだろ?」

優しい声で話しかけた。


「エドさん。それって、褒めてます? 貶してます?」


「ニズ様。褒めているのですよ」

メイドさんが返答した。


「そうなんですか? なら、ありがとうございます?」

う~ん。と悩んだ。



「ニズ嬢ちゃん。今までと同じ様に接してもらえないだろうか」


「言われなくともそのつもりです。それに前から気付いていましたからね」


「そうなの!?」

「そうなのか!」

二人は驚いた様に言った。


「はい。理由があるのだろうと、気にしませんでしたが」


「ほほう。理由か。聞かないのか?」

エドさんは目をキラリと光らせた、様に見えた。


「そう言いましても、前の話しの時に、理由みたいなことを言ってましたよね?」


「ん? …………ああ! そういえば」

思い出したかのように、エドさんは言った。


やっぱりそうだったのか。あれは、ほぼ初対面の人に話す内容じゃなかったよね。しかも、エドさんやっぱり無自覚に話していたか。調子が軽いと思ったんだよなぁ。でも、まあ、


「エドさんとシルフィが嫌でなければ、今までの関係で行きますよ」


「はい!」

「ああ。宜しくな」


そう言って、シルフィは抱き着かれながら、エドさんと握手をした。


「そろそろ、進みましょうか」

そう言って、机と椅子をどこかにしまって言った。


「そうだな。行くか」

「はい!」

「はい。わかりました」


また、馬車とは思えない速度で、進んで行った。



「そういえば、【エレスト】には、まだ入れないのでは?」

ふと、思い出して、僕は言った。確か3日前だっけ? リアル(R)タイム(T)で8時間がこちらの世界の1日だから、早くても9日からなんじゃ。


「問題ない。私は王族だからな」

いい笑顔でエドさんは言った。


「僕は王族ではないのですが」


「問題ない。王族と言うことにするから」


「そんな適当なことで良いのですか!?」

唖然でなく呆然として言った。王族はさすがにばれるだろう。


「冗談だ。私の客人として招こう。そうすれば問題ない。メダルも渡して、身元も保証しているしな」


よかった。さすがに冗談だったか。


「ありがとうございます」


「気にするな。シルフィの迷惑代も入っている」

苦笑しながら言った。


エドさんを話している間も、ずっとシルフィに後ろから抱き締められていた。………ホントにずっと。


「な、なんでですか!? 私はニズに迷惑なんて掛けてません!」


エドさんと僕は、肩を竦めた。




その後も、シルフィやエドさん、メイドさんを話していると、


「さて、見えてきたぞ」

ちょうど森を抜けたところで、エドさんは前方を指した。


そこには、明らかに幻想的ファンタジーな大都市が見えた。

巨大な樹と根元に白い城、それに囲むように壁ができており、城下町も見える。大樹が光っているのか、全体的にほんのりと山吹色サンライトイエローをしている様に感じた。


「………綺麗ですね」

つい見惚れてしまった。


「ああ。いつ来ても綺麗だ。まあ、王都も負けてはいないがな」

王族としての矜持か、一言付け加えた。


「はい。綺麗です」

シルフィも一言そういった。その間、ずっと僕を抱き締めていたのは、もはやお約束になりつつある。今日この頃。







あっという間に、門に着いた。

さすが聖獣、駆けるスピードが速いです。8時頃出て、着いたの14時前だよ。しかし、よく馬車もったな。…………特注品なんだろうな。


商人であろう列から外れ、門まで進む。そこで、メイドさんが兵士に近づき、二言三言話すと兵士が扉の中に入っていき、騎士の様な人を連れてきた。


「申し訳ないのですが、お顔を拝見させて頂けないでしょうか?」

騎士? はそう言った。


「はい。かまいませんよ」

エドさんはそう言って、馬車から降りた。


その隙に、どうせだからと、進化した初期装備に着替えた。

やっぱり、綺麗な服の方がいいでしょう?


なんかシルフィは「ほわぁ~」とか言っているが、まあ、いい。


着替え終わった後、促されて一緒に僕とシルフィも馬車から降りた。


一瞬、騎士? が、ぽ~、としたが、すぐに佇まいを戻して

「ありがとうございます。確認致しました。では、どうぞお通りくださいませ」

騎士? は綺麗な敬礼をして、開門を指示した。 王族を他の商人と同じ様に、脇の扉から入れるわけにはいかない。と、言うことらしい。

精霊祭前の時期に唯一開門しても問題ない門らしい。

(道中、エドさんに聞きました)

余談だが、僕の存在は既に魔法で連絡済みらしく、まったく問題なかった。(決まった時に、顔写真と一緒に送ったらしい。いったい、いつの間に!?)



「ニズ嬢ちゃん。いつの間に着替えたんだ」


「ついさっきです。やっぱり、綺麗な服の方がいいと思いまして」


「ニズ、可愛いよ」

シルフィはそういいながら、強く抱き締めてきた。


「うむ。確かに綺麗な服ならば、文句は言われないだろう」


「はい。よかったです」


そう言うと、エドさん少し苦笑いし、メイドさんの目が少し輝いた。


? はて。何かしたかな?


「これは、持って帰りたいですね。最初からそうですが」


エドさんは苦笑しながら、

「さあ、行こう」

と何かを誤魔化す様に言って、馬車を先に進めた。僕はワクワクしながら町に入っていった。






ポーン

〔プレイヤーとして、始めて【精霊使帝都市(せいれいしていとし)エレスト】に到達しました。特典として、[エレスト限定特別優待券]と[水晶?の指輪]を入手しました〕


ポーン

〔特殊ルートを使用したため、精霊祭が開催されるまで、“(ゲート)”を開通させることはできません〕




ありがとうございます。


簡単な設定。

精霊使帝都市(せいれいしていとし)エレスト】

大いなる風の精霊と契約の交わす者が、代々治める特殊自治都市。都市のすぐ側には、巨大な精霊樹が存在する。都市には六帝家と言う貴族階級が存在し、その中から大いなる精霊に選ばれたものが、その都市のトップとなる。地位は王族の次に高く、発言力も相応に高い。エレストに於てはその一族が風帝家と呼ばれる。精霊の選択に委ねられているため、世襲制ではない。(六帝家は世襲制)




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