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岩と仮装と異なる国…………。

お願いします。


[深き沼地]にて


「さて、着いたはいいが、巨兵なんているのかな? あの的の代わりにした壊れない岩が怪しいが、あんだけ叩いて反応も何もないしな。う~ん」


独り言を言いながら歩き出した。記憶を確かに岩の場所まで。


途中、芋虫に遭遇・戦闘をしたが、何故か芋虫のみで、他のモンスターに会わなかった。

此処って芋虫しかいないのかな?


スキル[発見]を使い、道草採りつつ森の奥へ進んで行った。


色々と考え事をしていたら、ふと疑問に感じることを思い出した。と言うか気付いた。


「そういえば、なんでみんなケモミミに反応がなかったんだろ? シルフィは始めから着けてたから、反応ないのは当たり前だけどさ。う~ん。エドさんは忘れてたとして、ナツキさんとトーカさんは、明らかに目の前で変えてるんだよね」


なぜだ。と、考えているが、答えはでない。

(ちなみに、気付かないのは、ニット帽で耳が隠れていることと、出てる尻尾を見ても、見逃していたと勘違いしているからである)


まあ、いいか。

お! 見えてきた。相変わらず大きいなこれ。そういえば、ここら辺って魔獣や魔物(モンスター)がいないな。やっぱり特殊なエリアなのかな?


…………とにかく、また調べてみるか。


ペタペタと表面を触った。反応がない、まるで岩の様だ。


「ふぅ。どうするなかぁ。あ、運営から特殊特典で貰ったアイテムでも、確認しますか。周りに敵の気配もないし、問題ないな」


さてと、どれどれ、



消費アイテム[技能宝珠(スキルオーブ)

スキルをポイント消費なしで取得できる。このアイテムでしか、取得できないスキルも存在する。


特殊消費スペシャルアイテム[秘技創造宝珠(クリエイトオーブ)

オリジナルの秘奥義を作成できる。作成するのは、一度自力でその技を使う必要がある。作成が成功するまで、何度でも使用可能。


特殊素材スペシャルアイテム[七光夢晶(オーロラ・クリスタル)

七色に光り輝く水晶。その輝きは夢をみせる。


特殊素材スペシャルアイテム[異世界乃輝石(ティエラ・グリフ)

異世界のみに存在していた輝石。今では異世界でも失われているため、太古の遺跡から極僅かに痕跡が発見される程度。


特殊スペシャルアイテム[クラン設立許可証]

クランをつくる為の許可証。これでクランがつくれます。


特殊武器スペシャルアイテム 白刀[真秀刃(まほろば)

成長する武器。今はまだ力を持たない。


固有専用ユニークアイテム[知られざる島への鍵]

知られざる島へとつかながる道を開く鍵。鍵の形状をしているが、転移魔方陣を展開する触媒であり、本来の鍵の使い方とは異なる使い方をする。


固有専用ユニークホーム[知られざる島]

ホームというかアイランド。面積は1268km²である。



特殊消費スペシャルアイテム[早着替宝珠(チェンジ・オーブ)

スキル[早着替え(クイック・チェンジ)]を取得できる。


固有専用ユニーク武器アイテム 白傘[高貴なる純白(ノービリス・アルブム)

純白よりも白い傘。決して汚れることはない。雨傘としても、日傘としても使える。

効果:Str+500、Int+2000

スキル:[純白聖域][気配遮断][魔法遮断]

譲渡・売却不可。耐久度なし。



なかなか、有用なアイテムだな。大盤振る舞い過ぎないか? あ、全部、譲渡・売却不可だ。まあ、売るつもりはないが。


とりあえず[技能宝珠(スキルオーブ)]は使ってみようかな。何故か4つも貰ってるし。


と、その前に称号の確認かな。



称号[世界を始めに知った者]

世界を始めに知った者に与えられる称号。世界地図ワールドマップが使用可能になる。


称号[存在(ニズ)正義ロリ

貴女こそが正義! 魅惑の瞬き(ウインク)が使用可能になる。



なんだこりゃ!? それに世界地図ワールドマップって、確かに大陸があるとは聞いたが、そこまで世界は広いのか。といっても、今見てもどうしようもないな。


そういえば、初期の装備が変わったとか、そんなこと書いてあったな。



服一式[純白の高貴なる御令嬢(アルブム・フィーリア)

純白よりも白い。麦藁帽子、ワンピース、ショートパンツ、ローファー、からなる初期装備が変化した装備。公式の場での正礼装としても使える。

効果:Vit+2300、Int+1300、Min+2500、Dex+1200、Agi+600

スキル:[高貴なる嗜み][姫の振舞い][王族の威厳]

譲渡・売却不可。耐久度なし。



強すぎないか? ま、まあ、とにかく[技能宝珠(スキルオーブ)]を使って、何か良いスキルないか調べるか。


さて。う~ん。

魔法を覚えるか、それとも、他の、……………ん!? これは何だ!?


スキル[能力仮装]

能力値を元々の数値以下へ、自由に仮装できる。本来の数値は変化しないため、簡単に言うと手加減の達人になれるスキル。自身の能力を制限するデメリットスキルのひとつ。


こんなスキルがあるとは。これはちょうどいいかも。

……………う~ん。……うん、取得!


これは使える。主に、僕が楽しむために使える。さすがに、ほとんど一撃じゃつまらない。



さてと、この岩もいくら調べても分からないし、町に戻って《ダイブアウト》しようかな。明日の準備もあるしな。


ん?

何かの気配がした。魔物モンスターではないような。


「なんだろう? 人かな。ずいぶん気配が弱いが」


そんなことを思いつつ、気配のする方向へ注意をはらいながら、向かって行った。


こっちのほうか? ん!?


人が倒れていた。

「え? ええ!? だ、大丈夫ですか。って、倒れてる時点で大丈夫でないか」

ひとりツッコミをしながら、倒れている人に駆け寄った。

見た目は60~70代の男性。顔は東洋人のようだ。プレイヤーか? でも、格好からすると、一概にそうといえないな。なんか刀っぽいものをもってるし、まだ刀スキル、刀術か? まあ、いい。そのスキルは見つかっていないから、NPC、こちらの住人だろう。俺らが異世界人なら、かれらは現界人かな? って、そんなこと考えている場合じゃない!

………うん。なんとか呼吸はしているようだが、顔色が悪く、真っ青(顔面蒼白ってやつ)になっていた。


「どうしよう!? そうだ。薬! 万能薬とポーションどっちがいいんだろ。でも、急がないと、このままじゃまずいぞ。…………もう考えてもしょうがない。ポーションかけて、ダメだったら万病薬を飲ませよう」


早速、ポーションをかけた。体が淡く光り、その光るが体に吸い込まれていった。


「うぐ。ここは?」


どうやら目覚めたようだ。しかし、この人。よく見たら、何でこんなところに? まあ、見た目で言えば、僕よりは違和感はないが。


「大丈夫そうですか?」


「あんたは?」


「ここを通りかかりまして、倒れているのを見つけたんですよ」


「そうか。死に場所を探して旅をして、ここまで来たが、命を助けられたか」


「死に場所ですか?」


「ああ、そうだ。いや、別に自殺願望があるわけではないぞ。ただな、弟子も育ち、子も育ち、そして孫も大人になり、今では曾孫もいる。妻に先立たれたので、自分の死に場所と、生きてきた中で訪れた場所を再び巡ろうと思ったのだよ」


「そうなんですか。自分の為の旅なんですね。訪れた場所はすべて巡りきったのですか?」


「いや。まだ残っている。もう一度会いたいものもいるからな」


「なら、会いにいかないといけませんね」


「ああ。そうだな」


二人で目を合わせて、笑いあった。


「そういえば、なんでこのような場所に倒れて?」


「ああ。ここの敵は芋虫しかいないようで、実は迷彩毒蜘蛛ステルスパイダーと言うモンスターが出るのだ。芋虫だらけで気を少し抜いた途端に、麻痺毒にやられてな。なんとか敵は倒したのだが、自分が動けなくなってしまったのだよ。耄碌したかな。体力が昔に比べて随分と落ちておるのに、無茶をしてしまったかも知れないな」


「そんなことが、あったんですか」


う~ん。そんなのがいるのか。それは気をつけないといけないな。しかし、ステルスってことは見えないのか? それとも、隠れるのが上手いだけか?


「それで、嬢ちゃんはなんでこんなところにいるんだ? ここは嬢ちゃんのような、子供が来るようなところでもないだろう。いくら俊敏性と気配察知に長けた犬系獣人でも、その年では危ないのではないか?」


心配してくれているようだ? まあ、確かにこの容姿(そういえば、まだ鏡をみてないな)では、そう思われてもしょうがないか。


「しかし、驚くほどべっぴんさんだな。幼いのに可愛いと美しいが合わさったような、綺麗な顔をしている。将来は安泰だな」


いきなり話しの方向が変わったな。そういえば、僕って本当にどんな顔なんだろうか?


「まあ、ワシは妻一筋だがな」

そう言って、豪快に笑った。僕もつられて、一緒に笑った。


「そういえば、お名前はなんていうのですか? 僕はニズです」


「お。おお、すまんすまん。ワシの名前は桜季源内おうきげんないと言う。16代目桜季流剣術師範でもある。瑞穂ノ国より来た」


源内さんはそういった。瑞穂ノ国? 日本の別称にそんな名前があったような。


「もしかして、瑞穂ノ国とは、島国ですか?」


「そうだ。ニズ嬢ちゃん。ここより、東。海を越えた先にある」


どうやら、日本的な国もあるようです。そして、名前を名乗っても、何故かみんな嬢ちゃんは消えないんですよね。なんでだろう? 呼び捨てでもいいのにな。まあ、いいや。明らかに僕は小さいからね。


「それは行ってみたいですね」


「ワシの国に興味があるか」


「はい。とても」


「そうか。それは嬉しいな」

ふたりして笑いあった。

ここで、ふと、思ったことを聞いてみた。


「この森にいたということは、この先に知り合いがいるのですか?」


「おう。エレストってところと、アイレリーフってところにいる。旅もこの国で最後だ。そのまま、友人のところで厄介になるのもいいかもな。一度誘われたからな。………そういえば、あの約束はまだ有効なんだろうか?」


「あの約束?」


「ん? いやなに、昔した約束さ。俺がまだ、世界中を回って旅をしている頃にな」

そういって、懐かしんでいるような、悲しんでいるような、なんとも言えない表情をした。


「まあ、巡った中には、すでに無くなっている場所もあったがな」


「そうなんですか」


「時間は前にしか進んでくれないからな。まあ、ワシはそんな時間が好きだがな」


この人は、僕なんかより長い時間を生きてきたんだろうな。


「そうですね。僕もそんな時間が好きですよ」


「そうか。同じだな」


「そうですね。同じですね」



「そういえば、ニズ嬢ちゃん。ありがとうな」


「え!?」


「いや。命を助けてもらった礼をしてなかったと思ってな。それに、あんなに高い霊薬まで、使わせてしまったな」


あのポーションは高いのか? 自分で作ったからわからんな。てか霊薬?


「どういたしまして。それについては気にしないでください」


「う~ん。そこで引いてしまうのも、大人としてどうかと思うな。なにかワシに願いはないか?」


唐突に聞いてきた。願いって、なんだろう。あ、そうだ。


「一つ興味があるのは、桜季流剣術です。確か、師範って言ってましたよね? 剣術と言っていますが、もしかしたら刀を使う武術でないですか?」


「おお。そうだ。よくわかったな。刀は瑞穂ノ国以外にはほとんど流通しないから、知っているとは驚きだ」


「いえいえ。それでですね。その桜季流剣術を出来たら、教えていただけませんか?」






有り難うございます。


[能力仮装]は、[技能宝珠(スキルオーブ)]でのみ、取得可能なデメリットスキルのひとつ。

他には[空白体]、[呪毒強化]、[技能封印]、[自滅]、[武装解除]、[武器投げ]がある。

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