リアルとスキンシップと母による強制イベントと……………。
お願いします。
目を覚ました。時間は8時すぎ。
「ん~」
いつも通り伸びをしてからベッドを出る。
今日は家事を済ませたら、今日はどうしようかな。ここ最近はしっかり運動してないからなぁ。少し散歩でもしようかな。うん。ダイブは夕食後にしよう。
洗濯機を回してから、朝御飯を作り始める。
「兄ちゃん」「兄ぃ」
そして、タイミング良く妹が起きてきた。
「「おはよう」」
タイミング良過ぎる気がする。
「おはよう。今日はタイミングいいな」
「「えへへ」」
なんか妹は照れている。
「朝御飯食べるか?」
「「食べる(ぅ)」」
そうか、僕と同じミルクトーストでいいかな。
日本風で、食パンでなく、今回はフランスパンを用い、鶏卵と牛乳を混ぜ、その液体をパンに染み込ませて、フライパンで焼く。なんて簡単な料理。お好みでハニーやメイプルをおかけください。
まあ、本当は染み込ませる液体に砂糖を加えるらしいが、一回甘くし過ぎたことがあるので、それから混ぜ込みません。
じゅーじゅーじゅー、ジュージュージュー、っと音が変わって、少し経ったら裏返す。っと、こんなものかな。
皿に盛って、盛った皿を持って、妹に持っていった。
「はいどうぞ」
「「いただきます(ぅ)」」
「いただきます」
妹が食べ始めたのをみて、僕も食べ始めた。
うん。やっぱり、あとがけのほうがいいかな。
「兄ちゃん。ゴーレムって何が弱点かな?」
茜がそんなことを効いてきた。
「ゴーレム? ゴーレムは確か額に記された"emeth"っていう文字の頭文字"e" を消し去り、"meth"にするとかだったと思うが、ゲームの中はわからないぞ」
「だよね。どうすればいいんだろ」
「そのゴーレムって魔法が効かないっていうか、吸収するんだよな?」
「そうだよ」
「もしかして、魔法を吸収すると何かが低下しないか? 例えばスピードが落ちるとか」
「なんでわかるの!? そうだよ。スピードが少し落ちるんだよ!」
やっぱりそうなのか。ってことは、やっぱり魔法吸収は、魔法無効とは別物だ。
「でも、その分、攻撃力と防御力が大きく上がるんだよね」
「魔法を一切使わないか、逆に魔法しか使わないか、ってところかな」
「兄ぃ。それはどおゆうことぉ?」
瑠璃が首を傾げて、質問してきた。
「魔法を使わずに、物理で着実に削っていくか。魔法を使って、魔法吸収の上限まで魔法を打ち込み続けるか。って、ことだよ。魔法を吸収ってのは、魔法を無効にするのとは別物だからな。まあ、どちらも長期戦になるかもだし、魔法使う方は賭けみたいなものだけどね。上限がないかもしれないし」
「う~ん。物理でこつこつの方がいいかなぁ」「そうだね。魔力回復薬は高いし、最高級品で回復量が50ポイントだから、今の段階では厳しいかな」
「そうなのか。ん? 50ポイントって、50%じゃないの?」
僕が作ったマナポーションは、全体量からの割合での回復だったぞ。
「当たり前だよ。HPは%だけど、MPは基本的にポイントだよ。βの時の最大は500ポイント回復だったよ」「それが、最高級で値段も破格の30万だったよぉ。まぁ、βではそのせいで、MP回復速度上昇とかのスキルが必須で、MP回復効果付きの武器が高級品だったしぃ。正規版でも同じで、必須だね。とってないのは正規版からで、ネットをみていない人だね。今じゃ、とってない人は1人もいないね」
ほう。まあ、最悪ボス戦だけ回復薬を使って、他は休憩して自然回復を待つっていうのが、定石なのかな。しかし、まあ。僕が作ったあれは、ポイントでなく%だったが。…………だから逸脱している。って言っていたのか。
「本当に必須なのか?」
「当たり前だよ。初期スキルにMP回復系が一つもないから大変だけど、スキルポイントが溜まった段階で取るのは常識だね」「取らないと、すぐに詰まるからねぇ。初心者応援スレでも、それを一番に教えるよぉ」
「そうなのか」
僕が作ったポーションはおかしいのか? でも、あの方法はテンプレだしなぁ。うん。
気にしてもしようがないか。そういえば、トーカさんやナツキさんが凄く驚いてたな。
「それに、回復薬ってまずいんだよね。なんであんなにまずいんだろう?」「ねぇ。飲まずにふりかけても効果あるけどぉ、効力が80~50%になるからねぇ」
二人して、う~ん、と悩んでいた。まあ、確かに回復薬(初心者マーク)はまずかったな。
「あ。ありがとう、兄ちゃん。参考になったよ」「ありがとぅ」
「ああ。役に立ったかはわからないが、どういたしまして」
ピロリーン
ん?
メールが来たようだ。そういえば、なんで僕の携帯とE2のメッセージメールの着信音が同じなんだろう? 買ってから変更していないせいか? まあ、いいや。メールは、っと母からだ。
〈そっちはお昼前かな? 言い忘れてたんだけど、明日から鎌倉のお祖母ちゃんの家に行ってね。お祖母ちゃんに8月1日に行くって言ってあったのよ。お金は戸棚に入ってるから使ってね。旅行から帰国して、少しのんびりしてから合流するから。それじゃ、お願いね。〉
うん。これはしょうがないか。しょうがないか? まあ、大丈夫か。妹は知らないが。
「二人とも、話しがあるんだが」
「「何?」」
「今、母さんからメールがあって、明日から鎌倉のお祖母ちゃんの家に行くことになりました」
「「え!? なんで(ぇ)?」」
「母さんが8月1日に僕らが行くって言ってあったらしい」
「今いいところなのにぃ」
「そう言っても、こういう機会でないといかないし、多分、お祖母ちゃんもお祖父ちゃんも、瑠璃や茜がくるのを楽しみにしてるぞ」
多分じゃなくて、間違いなく楽しみにしてるな。妹のことかわいがってるからな。
「「え~」」
「え~、じゃない。行く度にお小遣い貰ってるし、お年玉も貰ってるだろ。明日の朝出るから、準備しといてね」
「「は~い」」
二人とも嫌がりながらも了承した。
「瑠璃! 今日中にあのゴーレム倒すよ」
「うん。茜ぇ、当たり前だよぉ」
そして、なんかやる気を出していた。
「まあ、頑張れ。準備は忘れるなよ」
「「わかってるよ(ぅ)」」
そういいながら、速度を上げて食べ始めた。
「「ごちそうさまでした(ぁ)」」
妹は朝ごはんを瞬く間に食べて、即行で自分の部屋に行った。
早食いは体に悪いし、食べてすぐに寝転がると逆流性食道炎になるぞ。でもまあ、そんなすぐにはならないか。
明日外出が決定したから、スフィ、ベル、ファノに話さないとな。あと、シルフィとエドさんにも言っとこうかな。
そんなことを思いながら、自分と妹の食器を台所まで持って行って、しっかり洗った。その後、洗濯物を干してから、
「あ。晩御飯何がいいか聞き忘れた。まあ、自分で決めるか」
今晩のおかずの材料を買いに行き、散歩はやめて《ダイブイン》した。
◇◇◇
第二の町【ソラルル】にて
「ん~。さて」
伸びをした。
「って、つい癖で!」
そんな調子で、《ダイブイン》した。
『主。お帰りなさい』
『主殿。散歩中にどこにいったのかと思っていた』
『ご主人様はお帰りなさいませ』
三者三様に話しかけてきた。
『うん。ただいま。散歩ってどこ行ってたんだ?』
『私は面白いものないか探しに』
『我は火山に何かないか探しに』
『私は山に薬草がないか探しに』
これまた、三者三様に答えた。上から順にスフィ、ベル、ファノ。
『何かあったか?』
『それは、アイテムボックスを覘いてみて』
『我も、なかなかいいものがあったと思うぞ』
『私も、十分自信があります』
皆さん自信満々だな。なんか、見るのが少し怖いぞ。
『そ、そうか。それは楽しみだな。ああ、そうだ。みんなに言わないといけないことがあったんだ。実はお祖母ちゃんの家に行かなくちゃならなくなったから、少しの間来られないと思うんだ』
『鎌倉のお祖母ちゃんの家ですね』
そう、スフィが言った。
『そうそう。って、何で知っている!?』
『ふふふふ』
うん。スフィなら当たり前だな。そうそう。問題なし。
無理矢理納得して、話しを進めた。
『そんな訳でこられないと思うから、その間は自由行動で』
『了解だよ』
『承知した』
『わかりました』
『頼んだよ』
さて、三人には了解をもらったから、今度はエドさんとシルフィに言いに行こうかな。そのあとは【ファスト】に戻って、[深き沼地]に薬草とか月下草を採りに行こうかな。あそこの巨兵の噂とか気になるし、あの大きな岩もね。
『それじゃ、道具屋さんに行こうと思うんだが、みんなはどうする?』
行く場所を決めたので、一緒に行くか。と、みんなに聞いた。
『私は面白いものないか探しに』
『我は高山に何かないか探しに』
『私は海底に薬草がないか探しに』
『そ、そうか。ほどほどにな』
『りょーかい』
『うむ。承知した』
『かしこまりました』
そう言って、三者三様に飛んで行った。
不安しか湧かないのは気のせいか? そういえば、ここでなら念話の必要なかったな。
それと、あれだな。スフィもベルもファノも、スペックがオーバー過ぎて一緒に戦えないな。どうするか。
そんなこんなで、話しが終わったので、道具屋さんに向かった。
歩くこと20分ほどで“道”についた。
今実感したが、この町【ソラルル】は【ファスト】より大きいようだ。
“道”を潜り、【ファスト】に着いた。
「さて、道具屋はあっちだったな」
僕は小声で呟いた。
10分ほどで道具屋についた。前言撤回、やっぱり【ファスト】も十分大きいです。
「こんにちは」
「いらっしゃい。おお、ニズ嬢ちゃんか。今日も作業場か?」
「いえ。用事があって当分来られそうにないので、お伝えしておこうかと。特にシルフィに」
「そうか。それはわざわざすまないな。でも確かにシルフィには言っておいたほうが安全かもな」
不思議なことをエドさんは言った。
「安全? それはど 「ニズ~!」 へ?」
どふん、むぎゅ、むにゅむにゅ、むぎゅむぎゅ、と、効果音が出るほど、色々揉まれた。
「んなぁぁ!?」
「ニズぅ!!!」
何がどうなった!
「はははは。こらシルフィ。落ち着きなさい」
エドさんは笑いながら、シルフィに声をかけていた。
ハッ! としたような顔をして。
「す、すいません。体が勝手に」
シルフィは顔を赤くして言った。
ふぅ
「シルフィ。いきなりどうしたの?」
「すいません。嬉しくて体が勝手に」
「そうなの。まあ、実害がないから、これくらいなら大丈夫だよ。それでさ、用事があって当分来られそうにないっていうの、伝えに来たんだ」
これは、早めに言っておこう。
「用事ですか? でも、もう来れなくなるわけではないのですよね?」
「うん。精霊祭までには来れるかな」
「そうなのですか? 実はお爺様と一緒に精霊祭に行く予定でして、もしかしたら用事が終わる頃には、【エレスト】に向かってしまっているかもしれません」
少し俯いて、残念そうにシルフィは言った。
「大丈夫ですよ。私も精霊祭に行く予定ですから、会える時間があったら、向こうで会おうよ」
「本当ですか? 絶対ですよ!?」
「はい。もちろんですよ」
王族の人だから、会えるかどうかは分からないが。
「楽しみにしてますね」
シルフィは満面の笑みで言った。
「はい」
僕も笑顔で答えた。
「それで、ニズ嬢ちゃんはこれからどうするだい」
「僕はこれから、薬草や月下草の採取のために、[深き沼地]に行こうかと。気になる事もありますし」
「そうか。あんなところに、一人で行って大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。こう見えて強いんですよ」
「そうなのか。…………うん。大丈夫そうだな。なら、次に会うのは【エレスト】かな」
じっと見られたが、どこかに強い要素があったのかな。それとも、視る力か………。
「かも知れませんね。それでは失礼しますね。このまま居たら、ずっと居てしまいそうですし」
「はははは。確かにシルフィに捕獲されて、そのままかもな」
笑いながらエドさんは、ある意味確信をついた。
「はははは。そうかもしれません」
僕は乾いた笑みで、答えた。
「そんなことないもん」
シルフィは頬を膨らませていった。
「「はははは」」
エドさんと一緒に笑った。
「それでは、もう行きますね」
「おう。またな」
「はい。またね」
「はい。お邪魔しました」
そう言って、お店からでて、[深き沼地]に向かった。
あれ、そういえば、ここから【エレスト】にどうやって行くんだろ? 王族専用の抜け穴があるのか、それとも時間をかければ普通に行けるのか?
ありがとうございます。
感想・指摘有り難うございます。
h加えて修正しました。




