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オムレツと三毛猫♂と研磨と…………。 ~ある意味では、素振りです~

お願いします。



茹だる様な暑さで目が覚めた。


「つぅ~。今日は昨日より増して暑いな」


体をベッドの上で、体を起こす。時計を見ると時間は8時過ぎだった。


「寝過ぎたかな。さて、洗濯でもしますか」


ベッドの上で体を伸ばしてから、ベッドから降りて1階へ下りた。


カチャ

リビングに入ったが、妹はまだ起きていないようだ。


顔を洗いに洗面台へ行って、ついでに洗濯機を回す。


「よし。これで洗濯はいいから。朝ごはんは、確か卵とパンがあったから、パンにスクランブルエッグか目玉焼きでも乗っけて食べるか」


そんなことを一人言いながら、キッチンへ行き、卵を冷蔵庫から2つ取り出し、ついでにオムハヤシのときに余った生クリームも取り出した。卵と生クリームをボウルで混ぜ始めた。何と無く生クリームを混ぜて泡立てたあとに、卵を入れた。フライパンを火に掛けてバターをいれて、卵を混ぜながら投入する。手早く混ぜながら、形を整えて完成。


「あれ? これオムレツだよね。どこで間違えた? まあ、いいか」


ケチャップと塩胡椒を取り出し、焼いたパンとオムレツを持ってリビングに行き、机に並べた。


「いただきます」


テレビをつけて、見ながら食べ始めた。


あ。E2のニュースやってる。3次予約分の出荷が早まるのか。へぇ~。


「ごちそうさま」


思いのほか美味しかった。生クリーム結構すごいな。いろんな意味で。

ちょうど洗濯機が止まったので、洗濯物を干し始めた。



「「おはよー(ぅ)」」


「おう。おはよう」


妹が起きてきた。それにしても、なんで同時に起きて、………まさか。いや、皆まで言うまい。


「ご飯は何?」


「パンがあるから焼いて食べて」


「えぇ、パンだけぇ」


「なら、待ってて。洗濯干したら、何か作るから。って、言うか卵あるから、自分で作れ」


瑠璃が文句を言ったので、言い返した。


「私が作ってもいいんだね」


「茜。お前は頼むから作るな」


「あははは、茜は、ひどいからねぇ」


僕が茜を止めたら、瑠璃が大笑いしていた。


「はあ。分かった、作るから。茜は拗ねるな。瑠璃は落ち着け」


とっとと洗濯物を干して、簡単な卵料理を作った。ついでにウインナーも焼いてやった。ケチャップで。


妹が椅子に座って待っていたので、完成した、断食破り(あさごはん)を持って行った。


「「いただきます(ぅ)」


もぐもぐもぐ


「あ、兄ちゃん。昨日倒したよ。ボス。それで次の町に行けたよ。一番乗りで初回討伐ボーナスをゲットしたよ。もう少しでタクさん。あ、卓巳さんのキャラネームがタクって言うんだけど。で、もう少しで、そのタクさんのパーティに取られるところだったよ。あの時、急げって言ってくれてありがとう」


「どういたしまして」


やっぱり、クリア・アクアは妹のパーティでしたか。そういえば、卓巳のパーティって、なんて名前なんだろう。学友あいつらのキャラネームは覚えてるから、そのうち分かるかな。


「次の町はねぇ、ソラルルって名前なんだよぉ。そこでは宿屋以外でダイブアウトするとHPやMPが回復しなくなってるんだぁ」


うん。そんなことを前に聞いた気がするな。


「ちょっと、瑠璃。兄ちゃんはやってないんだから、それじゃ分からないでしょ。始まりの町ではどこでダイブアウトしても、町の中なら時間経過でHPとMPが回復できたんだけど、ソラルルではそれがないんだよ」


「それなら、はじめの町に戻ってダイブアウトすればいいのでは?」


「それは現実的じゃないんだよ。町の広場にゲートがあるんだけど、始まりの町とソラルルでは1日に1回しか使えないんないだよ。それが、始まりの町だけなのか、今後もそうなのかはまだ分からないけど」


「そうなのか。場合によっては大変だな。ホームとかギルドの話はどうなったんだ?」


第2の町では、ホームが買えると聞いた。あと、ホームがギルド設立の条件とかも言ってたよね。


「ホームじゃなかったよぉ。ホームは第3の町[エレスト]からだってさぁ。公式通り、“戸建”だったよぉ」


「そうそう。確かにあれは“戸建”だね」


「ホームとは違うのか?」


「うん。あれは、ホームじゃなくてぇ、貸家みたいな感じかなぁ。最低でも1週間単位で借りれば宿屋よりも安いからねぇ。それにぃ、あらかた中に揃ってるんだよねぇ」


「そうそう。公式サイトにホームでなく、家が持てるって書いてあったところを気にするべきだったね。けど、鍛冶なんかの生産職にはいいかも。貸家には生産設備が付いてるところもあるからね。しかも、宿の必要がないから、普通に生産設備借りるよりかなり安く済むからね」


「ほほう。それはいいんじゃないか」


ナツキさんやトーカさんは喜びそうだな。


「生産職にはね。私たち戦闘職にはあまり恩恵がないのよね」


「そうなんだよぉ。それにぃ、1日1回は行けるからぁ、あまり利点がないんだよねぇ」


「そうか。もしかしたら、生産職は設備にお金が掛かるだろうから、その分の初心者救済とか補填かもな」


初心者の生産職は、金欠で苦労しそうなシステムだったからな。ただ、乗れば一番儲かりそうだよね。


「「なるほど(ぉ)、一理あるかも(ぉ)」」


納得できるってことは。やっぱりお金がかかるのか。


「「ごちそうさまでした(ぁ)」」



自分の部屋に戻ろうとしていたので引き止めた。


「そうだ。晩御飯は何がいい?」


そう。晩御飯を聞くために。


「回鍋肉 (ぅ)」「エビチリ」


「なんで中華風なの!? まぁ、海老は高いから、今晩は回鍋肉ね」


「「は~い」」


そのまま、二階に上がっていった。僕は回鍋肉の素と材料を買いに行ってから、《ダイブイン》した。



◇◇◇



「さて。今日は何をしようかな。っと」


今日も空は真っ青に晴れていた。


ピロリーン

ん?


「主」「主殿」「ご主人様」


「おう。みんな。今日は勢ぞろいだな」


今日はみんないた。まあ、どこかに行って、昨日みたいなことになるよりはいいか。


「今日は主と回ろうと思いまして」


「そうか。なら行くか」


「今日は何をするのですか」


「う~ん。………あ、猫を忘れてた」


僕はアイテムボックスの猫を見た。



[三毛猫♂(飼い主:ノーラン家)]

HP:10 MP:120

ノーラン家の飼い猫。ノイル・ノーラン町長に一番懐いている。



町長の家の猫か。って! 町長なんていたんだ。いや、そりゃいるか。


「猫ですか。ああ、あのときの」


「そう。今見たら、町長の猫みたい。届けに行こうかな」


「それが、いいと思います」


よし。行くか。ちなみにNPCの皆さんに場所を聞きました。たぶんPCは把握してないだろうから、答えてくれたのはNPCのはず。



◇◇◇



町長の家に着きました。周りの家と大きさは同じくらい。いや、きもち大きいかな。


「こんにちは~。誰かいませんか~」


何故か語尾を伸ばしちゃうよね。なんでだろう?


「は~い」


トタトタトタ、ガチャ

「どちらさまですか?」


女性が出てきた、町長の奥さんにしては若いからから娘さんかな。

僕は、さっと猫をアイテムボックスから出した。


「すみません。こちらノーラン町長のお宅でしょうか?」


「そうよ。でも、あいにく父は出かけておりまして、今居ないんです」


やっぱり娘さんのようだ。町長さんはいないか。でも、間違ってないならいいか。


「あ、いえ。ノーラン町長のお宅でしたら、問題ないです。この猫なんですけど」


そういいながら。三毛猫を見せた。


「あ! ミケちゃん」


名前まんまじゃね!?


「探していたのよ。半年前にいなくなって、死んでしまったと思っていたのに」


渡したら、涙ぐみながらそういった。

もしかして、あの森の中で半年か! いや、さすがにそれはないか。


「どこにいたのですか?」


「北の森を少し奥に入ったあたりです」


「白闇の森ですか。そんなところに行っていたのね。でも、無事でよかった。お父さんも喜ぶわ。一時期すごく沈んでいたから。本当にありがとう」


白闇の森? 朝霧の森じゃないのか?


「どういたしまして。喜んでもらえてよかったです。それで、白闇の森というのは?」


「? ああ。白闇の森というのは、朝霧の森の別名です。この町では、白闇の森のほうが、みんな分かりやすいと思います」


「それは、また、どうしてですか?」


「あの森の先には、湖があるんです。その湖の周辺から深い霧に包まれていまして、先に進むことが何故かできないんです。運がいいと、なんとか湖までは行けるのですが、そこから先は、完全に霧に包まれて、何があろうと先に進めないんです。その場所が、まるで闇の中のようになので、真っ白な闇の森で[白闇の森]なんです」


「なるほど。………もしかして、他の場所にも別名とかはあるのですか?」


「ええ。西の沼地にはあるわ」


「なんて別名なんですか?」


「巨兵の沼地っていうの」


「巨兵ですか?」


「そうよ。あそこに沼地には、巨大な兵士が眠っているって言い伝えがあるの」


「だから、巨兵の沼地ですか」


「そういうこと。まあ、巨兵の話は子供のしつけに使う話だから、本当にいるか分からないけどね。それに白闇の森の先にはエルフの里がある、なんて、言い伝えもあったわね」


「へぇ~。いろんな話しがあるのですね。参考になりました。ありがとうございます」


エルフの里は本当です。ハイ・エルフですが。


「いえいえ。こちらこそ、ミケちゃんを見つけてくれて感謝してるわ。お礼ができたらいいんだけど………」


「いえいえ、話しが聞けただけで十分です。それでは、これで失礼しますね」


「あっ、ちょっと待って」


スタタタ、と家の中に入っていった。そして、スタタタ、と出てきた。


「はい。これ持っていって。せめてものお礼」


アップルパイだった。名前はアルプパイだけど、見た目はアップルパイだ。


「美味しそうですね。遠慮せずにいただきます」


「ええ。それじゃ、いつでも遊びにきてね。歓迎するわ。え~と」


「あ、申し遅れました。僕の名前はニズといいます」


「わかったわ、ニズ。私の名前はアイネよ。いつでも来てね」


「はい。ありがとうございます」


そう言って、町長の家を後にした。



◇◇◇



次は何をしようかなっと。あ、そういえば、さっき三毛猫を見たときに、アクセサリに髪飾りがあったな。アクセサリが獣耳だけじゃ寂しいから、着けとこ。(さすがに、マントとかは着けたくないです)



さて、ああ。


「そういえば、何か音が鳴ってたな。多分あの音は」


気付いたら、視界の端っこにチカチカしていた。

やっぱりメールか。だれから、って、ナツキさんかトーカさんしかないか。


メッセージを開封した。トーカさんからだ。

〈ニズの貰ったドラゴンの素材が、余っていたから、リベンジにニズオーダー扱いで普通の双剣を作ったんだが。なんか、また変なことになった。また、価格が出ないんだ。とにかく渡したいから来てくれ。場所は昨日と、同じ場所だ〉


いったい何があったんだろう?

結構近かったので、早速露天に向かった。




歩くこと数分で着いた。トーカさんはお客さんの対応をしていたので、少し待ってから声をかけた。


「トーカさん。お待たせしました」


「おう。来たか。早速だが見てくれ」


そう言いながら、トーカさんは扇子? 扇? を2本出した。


「え!? 双剣ですよね?」


「ああ。双剣だ」


受け取って質問した。やはり双剣のようだ。


「それあえず、見てくれ」


「分かりました」


僕は受け取って、詳細を見てみた。



双剣 [夕暮之妖精]ダンシング・フェアリー

扇のような形状の、夕暮色に輝く刃を持つ双剣。ドラゴンの鱗を材料としており、その強度は同位のドラゴンの鱗さえ、容易く切り裂き貫くことができる。扇の形状をしているので、扇のようにつかえる。扇ぐと無数の風の刃が飛ぶので、自分や仲間を扇がないように。

効果:Str+672  耐久800000  スキル:[扇起衝刃][夕暮の刻]



うん。

「確かに双剣ですね。はい、どうぞ」

そう言って、トーカさんにも見えるようにした。


「おう。………これは、また凄いな。でも、双剣って言って、扇って説明があるな」


「はい。鉄扇とかでなく双剣っていうのが、凄いですね」


「ああ。………これ、使うか?」


「いいんですか?」


「ああ、お前から貰った材料だしな。お金もいらん」



トーカさん。男前です。ですが、さすがにこれを無料はいただけませんな。


「トーカさん。どのくらい壊しましたか?」


「今回は鍛冶鎚を13個と炉を1つだ」


「さすがにそれで無料は、ダメですよ」


「う~ん。でもな。これも金額が出てないからわからないんだよな。もしかしたらオーダーでドラゴン素材を使ったものは、価格が出ないのかもしれないな」


「う~ん。ならば、私の作ったものと、交換でいかがでしょうか」


ジャムや飴なら、無駄にはならないだろう。明らかにこっちのほうが安いが、まあ、このくらいなら受け取ってくれるでしょう。


「何を作ったんだ?」


「ジャムです」


「料理のスキルが見つかったのか!?」


「いえ。調薬で薬を作ってるつもりが、ジャムが出来ました。あ、後、飴も付けますよ」


「薬作って、ジャムと飴って。それはなんか凄いな」


「いやいや。照れますね」


「褒めてはいないが」


はい。知ってます。そんな気はしていました。


「それでどうでしょう?」


「まあ、いいだろう。俺もスキル経験値が美味しかったし、無料でもいいんだがな」


「ダメですよ。 はい。どうぞ」


とりあえず、ミラクルミックスドロップ以外のジャムと飴、ついでにポーションも渡しとくか。


「おう。貰っておくよ」


「それでは、もう行きますね」


「おう。気をつけてな。俺はこのあと【ソラルル】に行こうと思うから、何かあったらそっちに来てくれ」


貸家が目当てかな。なんか臨時店舗としても使えるようだし。


「わかりました。それでは」


「おう」





さて、深き沼地で巨兵でも探しましょうかね。見つかるとは思えないが。

そういえば、トーカさんの一人称が、私とか俺とか変わっているのだが、どっちが素なんだろう?


そんなことを思いながら、西門に向かって歩き出した。



◇◇◇



と、いうわけで、やってまいりました。[深い沼地]は思いのほか暗い。


「なんか。暗いね」


「そうですね。沼地というからには沼や池があるのでしょうね」


「そうだね。でも、ここら辺にはないな。それに、確か状態異常攻撃を持ってる敵が多いんだっけな」



ん? 魔力の反応が


ぐにょん、ぐにょん、ぐにょん


なんか芋虫みたいなのが現れた。


ふしゅーーー


「な!」

なんか、糸みたいなものを出してきたので、真横にステップしてかわした。



[ポイズンビートル]

HP:110

MP:20



名前からして毒持ちか。ちなみに見た目はキャタ○ピーです。あれは迷作だよね。迷作になったのは途中からで、最初は名作だったらしいが。(※個人の感想です)



ふしゅーーふしゅーーふしゅーー

なんか、連発してきた。


こちらは、糸をかわしながら、今日貰ったばっかりの双剣 [夕暮之妖精ダンシング・フェアリー]を装備して、鞘から抜く。


「いくぜ」

鞘から抜いた時に、同時に扇を広げて、掛け声と共に牽制のために扇いだ。


スパパン、スパン

なんか、衝撃破。というか、衝撃刃が扇から出て敵を細切れにした。



「…………。うん。凄いなこの剣」



「主」「主殿」「ご主人様」

じーーーーーーーーー


三人がジト目で見てきた。

しょうがないでしょ。近づくの何か嫌だったんだもの。



「もっと奥まで進もうか」


気にしない。気にしない。


採取をしながら、更に森の奥のほうに進んでいった。



◇◇◇



結構、奥のほうまで来たと思うんだが、ここには芋虫以外にモンスターはいないのか? 状態異常が多いというから、蜘蛛とか、スライムとか、蜂とかいると思ったんだけどなぁ。



何かいないかと歩いていると、ふと気付く。


「そういえば、気にしなかったけれどトーカさんの所でスフィやベル、ファノのことは聞かれなかったな」


「通常、精霊は契約した者以外には見えませんし、触れることもできませんから。ベルに関しては街中では、気を使って姿を消してますから」


「なるほど。ん? じゃあ、僕って独り言が多い人になるのか?」


それは恥ずかしいな。とにかく恥ずかしいな。


「街中では念話で話せばいいのでは?」


「そんなことできるの?」


「はい。『こんな感じです。どうでしょう』」


「凄いな。なんか頭の中に響いてくる感じかな。僕もできるの?」


『はい。私のことを強く思って話せば出来るはずです』


「わかった。う~ん『こんな、感じ?』」


上手くできてるかな。なんか、声も出てる気がするが。


『はい。できてますよ』


『そうか。うん。少し集中しないと出来ないけど、街中ならこの方がいいかな』


これで、不思議ちゃんにならないだろう。他の人もそうしてるのかな。いいこと教えてもらったな。



更に進むと大きな岩があった。そこで、何かの反応を感じた。


ん?


そっちの方向を見ても、岩しかなかった。


「何もないよな」


「どうかしたの」「どうした」「どうかしましたか?」


「いや。なんか、この岩から反応があってさ」


「反応ですか」


そういいながら、ファノがぺたぺた触りはじめた。するとベルが、


「まかせろ!」


シュゴッ、ドゴガゴーン

ブレスというか、火炎弾を岩にぶち当てた。


「きゃーーーーー!!」


ファノがこちらに吹っ飛んできた。そこをスフィが華麗にキャッチ。


「ファノ。大丈夫?」「ファノ。大丈夫ですか?」「すまん。ファノ生きているか?」


みんな(ファノは除く)で安否を確かめる。


「大丈夫です。とっさに水盾で防ぎましたので。衝撃をすべて消すのは無理でしたが。ベルさん、次は攻撃する前に、事前に言っていただけると助かります」


「本当にすまなかった」


ベルは謝り、僕とスフィはほっと息をはいた。


ふと、ベルは岩の方向を見て

「ふむ。しかし、これでも、無傷とは。これは岩ではないのか?」

と、言った。


僕たちもそちらを見ると、確かにそこには無傷の岩があった。


「あの威力で壊れないか。うん。それならちょうど良いかな」


僕は双剣(夕暮)を抜いて、切りかかる。


カキン

ふむ。少しも欠けていないな。どっちも。


よし。これなら、双剣を振る訓練が出来そうだ。


「スフィ、ベル、ファノ。ここでちょっと訓練していいか? 素振りもいいけど、これならいくら切っても切れないから、訓練によさそうなんだよ。樹とか切るのは環境破壊になるからさ。」


「うん」「わかった」「わかりました」


よし。はじめるか。


ブン、カキン、ブン、カキン、ブンブン、カキンカキン、ブンブン、カキンカキン


よしよし。今までなんか敵に囲まれてとかで余裕がなかったからな。


よし。


「はあっ!」

カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン、カキン



はあ、はあ、はあ、はあ


「はあ、はあ、はあ、疲れた。って、なんでスフィまで息が荒いんだよ」


「知りたいですか? 知られたら、もう止まりませんよ。主」


スフィは、頬を上気させ艶かしく微笑をうかべて言った。


「そ、そうか。なら気にしないでおこう」


「そうですか」


なにか危険な気がする。まあ、気にしない。としよう。



「あれ? ベルとファノは?」


「ベルはちょっと狩ってくるって、ファノはちょっと獲ってくるって」


「なんだろう。少し不安なんだけど」


気にしてもしょうがないか。



そういえば、双剣の耐久度は大丈夫かな。



双剣 [夕暮之妖精ダンシング・フェアリー

効果:Str+672  耐久 776913/800000



結構、耐久度が残ってるな。うむ、次は双剣[黄昏之双子]のほうでやろうかな。終わった頃には帰ってくるでしょう。


「んじゃ、スフィ。次はもう一本のほうでやるから。また、警戒をお願いね。軽くで良いから」


「気付いていたんですか」


「ん? それは当たり前だよ。スフィが何もせずに見ているだけっていうのは考えにくいし、たまに気配が動いていたからね」


そういうと。ぱぁぁぁ~、っとスフィが笑顔になって。

「まかせてください。どんな敵でも芥灰燼にして見せます」

凄く張り切っていた。


「ほどほどにね」


そう言って岩の前まで行って、双剣(黄昏)を抜いた。



よし。はじめるか。



ブン、ガキン、ブン、ガキン、ブンブン、ガキンガキン、ブンブン、ガキンガキン


よし。


「はあっ!」

ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン、ガキン



はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ


「はあ、はあ、はあ、疲れた。って、なんでスフィまで、………いや、なんでもない」


気にしたら負けだな。


「ご主人様。お疲れ様です」「さすがだな。あれから、ずっと振るっていたのか」


二人とも帰ってきていた。


「ありがとう。さすがに一度休憩したよ。そっちは何かあった?」


「あまり良いものはなかったな」

「こちらも、たいしたものはなかったです」


二人の基準でたいしたものっていうのが、何か気になるな。


「そうか。それは残念だったな。ここにはいないのかもな」


「そうだな」「そうですね」

二人はそこまで凹んでいなかった。もとより暇つぶしのようだ。



………そういえば、ステータスはどうなったかな。素振りでもスキル経験値が少しは入ると思うが。…………まあ、町に戻ってからでいいか。


「そうだ。研磨しよう。と、その前に双剣(黄昏)の耐久度を確認しないとなっと」


耐久度を確認。


双剣[黄昏之双子トワイライト・ジェミニ

効果:Str+1186  耐久 1490785/1500000 


結構耐久度が減ったな。


「さて。それじゃ、研磨手伝って」


「はい」「まかせろ」「わかりました」


双剣(夕暮)、双剣(黄昏)ついでに、巨神剣も出す。


まずは、双剣(夕暮)からはじめる。



シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

よし、出来た。



次に、双剣(黄昏)にうつる。


シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

よし、出来た。



最後に巨神剣を研磨する。


シャッ、シャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッシャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ

よし、出来た。


いまさら気付いたが、何でこの砥石は水が勝手に出てくるんだろ? さすが不思議道具ファンタジーですね。


それにしても、前よりも時間が掛かったのはどうしてだろう? 名前が変わったからかな


「手伝いありがとう。助かったよ」


スフィが頭を差し出してくるので、なでなで、した。



さて、どうなったか、確認しようかな。スフィの頭を撫でながら確認した。



双剣 [夕暮之妖精ダンシング・フェアリー]:魅力増加

耐久 800000/800000

魅力増加:魅力が上がり、攻撃が美しく見える。


双剣 [黄昏之双子トワイライト・ジェミニ]:防御貫通

耐久 1500000/1500000

防御貫通:盾や魔法による防御を貫通する。


巨神剣 [神姫遣(カミヒメノツカイシ)神星乃御柱カミホシノミハシラ]:万物切断

万物切断:万物をあらゆるものを切断する。



ふむ。防御貫通と万物切断は、まだ意味がわかる。いや、万物切断もある意味では、意味が分からないが、まだいい。魅力増加ってなんだよ! 魅力ってパラメータはないだろう!? 能力付加の基準が分からない。それに耐久も回復するのね!?



「みんな。ここには何もなさそうだし、訓練も十分だし、帰ろうか」


「うん」「おう」「はい」


同意を得られたので町に帰った。道中、スフィが張り切ってしまって、敵を感知した瞬間に瞬殺してしまい、僕は何もせずに町へ着きました。




ありがとうございました。

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